メディアエッジ、4K素材を再生できるデジタルサイネージシステムを開発
メディアエッジは、4098×2160ドットでフルHD動画の4倍の解像度をもつ4K動画をスムーズに再生しながら、流れるテロップも同時に再生できるデジタルサイネージプレーヤー「HDSS-4K(仮称)」を開発。8月発売を目指して最終調整に入った。
「HDSS-4K」は、去る6月に幕張メッセで開かれた「デジタルサイネージジャパン」で参考出品され、業界関係者を驚かせた。現時点では4K動画をスムースに再生できるサイネージシステムはほとんどないうえ、流れるテロップ表示にも対応するものは他に類を見ないからだ。さらに、表示パネルも4Kパネルだけでなく、現在一般的なフルHDパネルを複数組み合わせたマルチパネル表示にも対応しており、4K素材を生かしたサイネージシステムを安価に構築できる点にも注目が集まった。
専用PCに、再生ソフトやネットワークによるコンテンツ更新などに対応する管理ソフトなどを組み込んだシステム構成で販売する予定で、価格は100万~200万円程度になる見込み。当面は受注生産で個別案件ごとに最適化しながら販売するが、一定の用途が整理されてきた段階でパッケージ化していく方針だ。
開発を担当する開発・技術本部の中田潤ハードウェア担当部長は、「4K動画はまだ黎明期。滑らかに再生するだけでも難しい」と語る。「CPUのパワーだけではきれいに再生できない。グラフィックボードのハードウェアアクセラレーションをうまくチューニングして制御する必要がある」からだ。そのうえ、テロップを流すとなると、難易度はさらに高くなる。「流れるテロップを4K動画に乗せられるのは、今のところ当社だけではないか」と中田部長は胸を張る。
デジタルサイネージは日々大型化しているものの、それに乗せる素材が追いついておらず、現状ではフルHD素材を拡大して使用するのが一般的だ。しかし、表示パネルの近くで見ると、どうしても画像がぼんやりしてしまう。そこで大型サイネージ用に、近くで見ても鮮明な高精細な4K素材が求められるようになってきている。
高溝與志夫社長は、「大型のデジタルサイネージは、今年か来年あたり、4K素材を使ったものが急速に立ち上がってくるのではないか」と予測する。そして、「マルチディスプレイなら、従来のディスプレイも使えるので、4K素材へのスイッチは意外に早いかもしれない。汚い映像では売れないという時代はすぐそこに来ている」としながら、「コンテンツそのものの制作もお手伝いしながら、トータルな4Kサイネージ環境の提供を事業の一つの柱にしていきたい」と意欲をみせた。
「4K素材対応デジタルサイネージ関連で年間売上1億円を目指す」と語るのは、藤原睦朗会長だ。「例えば、大阪や神戸の観光案内には4K素材を使ったデジタルサイネージは最適。そこにいるようなリアリティを体感できるので、大きな効果が期待できる」としながら、「ウキウキするような明るい表現ができ、見る人の心を豊かにできる」と、4Kで表現する高精細デジタルサイネージの可能性にかける意気込みを語った。(道越一郎)
「HDSS-4K」は、去る6月に幕張メッセで開かれた「デジタルサイネージジャパン」で参考出品され、業界関係者を驚かせた。現時点では4K動画をスムースに再生できるサイネージシステムはほとんどないうえ、流れるテロップ表示にも対応するものは他に類を見ないからだ。さらに、表示パネルも4Kパネルだけでなく、現在一般的なフルHDパネルを複数組み合わせたマルチパネル表示にも対応しており、4K素材を生かしたサイネージシステムを安価に構築できる点にも注目が集まった。
「デジタルサイネージジャパン」に参考出品された「HDSS-4K」。縦置きにした3枚のフルHDパネルでデモを行っていた。4K動画に加えて、テロップもスムーズに流れていく
専用PCに、再生ソフトやネットワークによるコンテンツ更新などに対応する管理ソフトなどを組み込んだシステム構成で販売する予定で、価格は100万~200万円程度になる見込み。当面は受注生産で個別案件ごとに最適化しながら販売するが、一定の用途が整理されてきた段階でパッケージ化していく方針だ。
開発を担当する開発・技術本部の中田潤ハードウェア担当部長は、「4K動画はまだ黎明期。滑らかに再生するだけでも難しい」と語る。「CPUのパワーだけではきれいに再生できない。グラフィックボードのハードウェアアクセラレーションをうまくチューニングして制御する必要がある」からだ。そのうえ、テロップを流すとなると、難易度はさらに高くなる。「流れるテロップを4K動画に乗せられるのは、今のところ当社だけではないか」と中田部長は胸を張る。
デジタルサイネージは日々大型化しているものの、それに乗せる素材が追いついておらず、現状ではフルHD素材を拡大して使用するのが一般的だ。しかし、表示パネルの近くで見ると、どうしても画像がぼんやりしてしまう。そこで大型サイネージ用に、近くで見ても鮮明な高精細な4K素材が求められるようになってきている。
高溝與志夫社長は、「大型のデジタルサイネージは、今年か来年あたり、4K素材を使ったものが急速に立ち上がってくるのではないか」と予測する。そして、「マルチディスプレイなら、従来のディスプレイも使えるので、4K素材へのスイッチは意外に早いかもしれない。汚い映像では売れないという時代はすぐそこに来ている」としながら、「コンテンツそのものの制作もお手伝いしながら、トータルな4Kサイネージ環境の提供を事業の一つの柱にしていきたい」と意欲をみせた。
左から高溝與志夫社長、藤原睦朗会長、開発・技術本部の中田潤ハードウェア担当部長
「4K素材対応デジタルサイネージ関連で年間売上1億円を目指す」と語るのは、藤原睦朗会長だ。「例えば、大阪や神戸の観光案内には4K素材を使ったデジタルサイネージは最適。そこにいるようなリアリティを体感できるので、大きな効果が期待できる」としながら、「ウキウキするような明るい表現ができ、見る人の心を豊かにできる」と、4Kで表現する高精細デジタルサイネージの可能性にかける意気込みを語った。(道越一郎)