デジタルビデオカメラの高倍率化が進行、手ブレ補正も進化
待ちに待ったゴールデンウィーク。旅行の楽しみは、計画を立て、出かけるだけではない。帰ってから家族や友人と旅行を振り返るのも楽しい。思い出の動画を記録するデジタルビデオカメラがあれば、思い出話によりいっそう花が咲く。最新のデジタルビデオカメラの売れ筋を紹介しよう。
カラーバリエーションを合算した4月第4週(2012年4月23日~29日)のシリーズ別1位はソニー「Handycam HDR-CX270V」で、販売台数シェアは11.8%。今年1月に発売したベーシックモデルで、コンパクトなボディに35mmフィルム換算で29.8~894mmの光学30倍ズームレンズを備える。3位にはシェア9.3%で、光学12倍ズームのエントリモデル「HDR-CX590V」も入った。
16:9の裏面照射型「Exmor R」 CMOSセンサは、特に夜景や暗い場所での撮影で威力を発揮。ノイズを抑え、高精細で鮮やかな映像を撮影できる。手ブレの動きに応じてレンズを動かしてブレを抑える光学式手ブレ補正に加え、画像処理エンジン「BIONZ」でタテ・ヨコだけでなく回転方向のブレまでも補正する「アクティブモード」を搭載。小走りの撮影でも、水平が傾く回転ブレを補正し、ブレの少ない映像を実現する。
10.0%のシェアで2位に入ったのは、パナソニック「HC-V300M」。女性を意識した約196gの軽量・コンパクトモデルだ。感度の高い裏面照射型高感度MOSセンサを搭載し、暗い室内や夜景など、光が少ないシーンもノイズの少ない美しい映像で記録する。
35mmフィルム換算で32.4~1345mmの光学42倍ズームレンズと、画像エンジン「HDクリスタルエンジン・プロ」によって、ズーム倍率を高めてもハイビジョン画質の美しさで描写する「iAズーム」を搭載。光学ズームと合わせて最大50倍(1620mm)の撮影ができる。
手ブレ補正機能は光学式とデジタル式を併用。手首の縦・水平、腕の上下左右の4軸ハイブリッド手ブレ補正に加え、歩くときに発生する回転方向の手ブレを補正する「5軸ハイブリッド手ブレ補正」を搭載する。
4位はJVCケンウッド「Everio GZ-HM450」で、シェアは6.4%。2010年12月発売のモデルで、店頭では2万円前後で販売している。光学40倍ズームレンズを搭載する。また、同じく40倍の光学ズームレンズを搭載した「GZ-E265」が6位に、「GZ-E225」が10位に入っている。
5位はソニーの「Handycam HDR-PJ590V」で、シェアは5.1%。液晶モニタの背面にプロジェクターを内蔵し、部屋の壁や天井をスクリーン代わりにして映像を映し出すことができる。「ハイライト再生」で簡単にショートムービーを作成できるので、撮影したその場で視聴できるのが売りだ。投射サイズは最大100インチで、旅の思い出を大画面で楽しめる。
「HDR-CX590V」と同じく、35mmフィルム換算で26.8~321.6mmの光学12倍ズームレンズを搭載。ワイド端で26.8mmと広角撮影ができるので、集合写真や風景の全景などの撮影がしやすい。16:9の裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサ、「光学式手ブレ補正(アクティブモード)」を搭載する。
デジタルビデオカメラは、光学ズーム機能の高倍率化が進んでいる。2009年3月は10倍以上20倍未満のモデルの台数シェアは69.8%と圧倒的に高かったが、2012年3月には29.5%と激減。代わりにシェアを伸ばしているのが30倍以上40倍未満のモデルで、31.9%、また40倍以上50倍未満も19.7%と高い。
しかし、ズーム倍率が高ければ高いほど、手ブレは起きやすくなる。毎回、手ブレを軽減してくれる三脚や一脚を使うというのも非現実的なので、手ブレ補正は購入前にぜひ確認しておきたい機能だ。
手ブレ補正機能には、光学式とデジタル式の2種類がある。光学式はカメラのブレの動きをセンサで検知して、動きに応じて手ブレとは逆の方向にレンズやイメージセンサを動かすことで手ブレを打ち消す。一方、デジタル式は撮影映像を画像処理して手ブレをなくしている。
最近は、上位モデルを中心に、光学式とデジタル式を併用して、より効果的にブレを抑えるモデルが増えている。高倍率ズームをよく使う人はチェックしよう。
なかでも注目したいのは、ソニーの「空間光学手ブレ補正」機能だ。これは上位モデルの「HDR-PJ760V」と「HDR-CX720V」に搭載する機能で、レンズやセンサを含めた光学系を一つのユニットにして、空間に動いているように保つことで本体の揺れや振動を吸収。手ブレが起きやすいズーム時でも、ブレを抑えたきれいな映像を撮影できる。歩きながら撮影することが多い人にはオススメだ。
旅行中は、カメラを片手に構えながら歩き回ることが多くなる。高倍率で、しっかり手ブレを抑えるデジタルビデオカメラで、楽しい旅の思い出を撮影しよう。(BCN・山下彰子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコンやデジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
順位 | メーカー | 型番・シリーズ名 | 光学ズーム(倍) | 手ぶれ補正の方式 | 販売台数 シェア(%) |
1 | ソニー | HDR-CX270V | 30 | 光学式 | 11.8 |
2 | パナソニック | HC-V300M | 38 | 光学式+電子式 | 10.0 |
3 | ソニー | HDR-CX590V | 12 | 光学式 | 9.3 |
4 | JVCケンウッド | GZ-HM450 | 40 | 電子式 | 6.4 |
5 | ソニー | HDR-PJ590V | 12 | 光学式 | 5.1 |
6 | JVCケンウッド | GZ-E265 | 40 | 電子式 | 4.7 |
7 | パナソニック | HC-V700M | 21 | 光学式+電子式 | 4.2 |
8 | キヤノン | IVISHFR31 | 32 | 光学式 | 4.1 |
9 | GE | DV1 | 1 | 電子式 | 3.5 |
10 | JVCケンウッド | GZ-E225 | 40 | 電子式 | 2.8 |
「BCNランキング」2012年4月第4週 週次<最大パネル>
カラーバリエーションを合算した4月第4週(2012年4月23日~29日)のシリーズ別1位はソニー「Handycam HDR-CX270V」で、販売台数シェアは11.8%。今年1月に発売したベーシックモデルで、コンパクトなボディに35mmフィルム換算で29.8~894mmの光学30倍ズームレンズを備える。3位にはシェア9.3%で、光学12倍ズームのエントリモデル「HDR-CX590V」も入った。
16:9の裏面照射型「Exmor R」 CMOSセンサは、特に夜景や暗い場所での撮影で威力を発揮。ノイズを抑え、高精細で鮮やかな映像を撮影できる。手ブレの動きに応じてレンズを動かしてブレを抑える光学式手ブレ補正に加え、画像処理エンジン「BIONZ」でタテ・ヨコだけでなく回転方向のブレまでも補正する「アクティブモード」を搭載。小走りの撮影でも、水平が傾く回転ブレを補正し、ブレの少ない映像を実現する。
歩きながらの撮影もOK。「アクティブモード」搭載のソニー「HDR-CX270V」
10.0%のシェアで2位に入ったのは、パナソニック「HC-V300M」。女性を意識した約196gの軽量・コンパクトモデルだ。感度の高い裏面照射型高感度MOSセンサを搭載し、暗い室内や夜景など、光が少ないシーンもノイズの少ない美しい映像で記録する。
35mmフィルム換算で32.4~1345mmの光学42倍ズームレンズと、画像エンジン「HDクリスタルエンジン・プロ」によって、ズーム倍率を高めてもハイビジョン画質の美しさで描写する「iAズーム」を搭載。光学ズームと合わせて最大50倍(1620mm)の撮影ができる。
手ブレ補正機能は光学式とデジタル式を併用。手首の縦・水平、腕の上下左右の4軸ハイブリッド手ブレ補正に加え、歩くときに発生する回転方向の手ブレを補正する「5軸ハイブリッド手ブレ補正」を搭載する。
ハイビジョン画質のまま最大50倍ズームができるパナソニック「HC-V300M」
4位はJVCケンウッド「Everio GZ-HM450」で、シェアは6.4%。2010年12月発売のモデルで、店頭では2万円前後で販売している。光学40倍ズームレンズを搭載する。また、同じく40倍の光学ズームレンズを搭載した「GZ-E265」が6位に、「GZ-E225」が10位に入っている。
40倍ズームレンズ搭載の「GZ-E265」(左)と「GZ-E225」
5位はソニーの「Handycam HDR-PJ590V」で、シェアは5.1%。液晶モニタの背面にプロジェクターを内蔵し、部屋の壁や天井をスクリーン代わりにして映像を映し出すことができる。「ハイライト再生」で簡単にショートムービーを作成できるので、撮影したその場で視聴できるのが売りだ。投射サイズは最大100インチで、旅の思い出を大画面で楽しめる。
プロジェクター内蔵のソニー「HDR-PJ590V」
「HDR-CX590V」と同じく、35mmフィルム換算で26.8~321.6mmの光学12倍ズームレンズを搭載。ワイド端で26.8mmと広角撮影ができるので、集合写真や風景の全景などの撮影がしやすい。16:9の裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサ、「光学式手ブレ補正(アクティブモード)」を搭載する。
高倍率化が進むデジタルビデオカメラ
デジタルビデオカメラは、光学ズーム機能の高倍率化が進んでいる。2009年3月は10倍以上20倍未満のモデルの台数シェアは69.8%と圧倒的に高かったが、2012年3月には29.5%と激減。代わりにシェアを伸ばしているのが30倍以上40倍未満のモデルで、31.9%、また40倍以上50倍未満も19.7%と高い。
しかし、ズーム倍率が高ければ高いほど、手ブレは起きやすくなる。毎回、手ブレを軽減してくれる三脚や一脚を使うというのも非現実的なので、手ブレ補正は購入前にぜひ確認しておきたい機能だ。
手ブレ補正機能には、光学式とデジタル式の2種類がある。光学式はカメラのブレの動きをセンサで検知して、動きに応じて手ブレとは逆の方向にレンズやイメージセンサを動かすことで手ブレを打ち消す。一方、デジタル式は撮影映像を画像処理して手ブレをなくしている。
最近は、上位モデルを中心に、光学式とデジタル式を併用して、より効果的にブレを抑えるモデルが増えている。高倍率ズームをよく使う人はチェックしよう。
なかでも注目したいのは、ソニーの「空間光学手ブレ補正」機能だ。これは上位モデルの「HDR-PJ760V」と「HDR-CX720V」に搭載する機能で、レンズやセンサを含めた光学系を一つのユニットにして、空間に動いているように保つことで本体の揺れや振動を吸収。手ブレが起きやすいズーム時でも、ブレを抑えたきれいな映像を撮影できる。歩きながら撮影することが多い人にはオススメだ。
「空間光学手ブレ補正」を搭載するソニー「HDR-PJ760V」
旅行中は、カメラを片手に構えながら歩き回ることが多くなる。高倍率で、しっかり手ブレを抑えるデジタルビデオカメラで、楽しい旅の思い出を撮影しよう。(BCN・山下彰子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコンやデジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。