台湾・鴻海グループ、資本・業務提携でシャープの筆頭株主に、堺工場を共同運営
シャープ(片山幹雄社長)は、3月27日、電子機器受託生産の世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)グループと資本・業務提携することで合意したと発表した。シャープは、鴻海グループを割当先とした第三者割当による新株式を発行。鴻海グループは、シャープ株の約9.9%を取得し、事実上の筆頭株主になる。また、鴻海精密工業がシャープの堺工場を共同運営していくことも発表した。
シャープが発行する新株式を、鴻海グループの4社――鴻海精密工業が4.06%、Q-Run Holdingsが2.64%、FOXCON(FAR EAST)が2.53%、鴻準精密工業が0.65%の割合で取得する。4月1日付で社長に就任する奥田隆司常務執行役員は、会見で「ここ数年の厳しい市況感で、当社の強みが発揮できなくなった。すべてを1社で手がけるのではなく、バリューチェーンのなかに協業を入れ込むことでタイムリーに製品を出していかなければならないと判断した」と提携の理由を説明した。
さらに、「垂直統合に限界を感じている。当社と鴻海グループのノウハウを生かして『戦略的垂直統合モデル』を構築する」と述べた。提携の効果については、「国籍や業態にとどまらない協業で、1+1が、3や4、5にまで引き上げられる」とした。
また、子会社で液晶パネルなどを生産するシャープディスプレイプロダクト(SDP、佐治寛社長)の発行済み株式のうち、シャープ保有株式の半数を鴻海精密工業の郭台銘董事長に660億円で売却。これによって、シャープが約93%、ソニーが約7%だったSDPへの出資比率は、シャープが約46.5%、郭董事長と投資法人などが約46.5%、ソニーが約7%となる。最終的にはSDP堺工場で生産する液晶パネルやモジュールの50%を鴻海精密工業に供給し、堺工場の共同運営にも取り組む。これによって、液晶テレビの不振で稼働率が下がっていた堺工場の生産を安定化させる。
奥田常務執行役員は、テレビ事業の将来について、「グローバルで勝てるコスト競争力が何よりも重要になってくる。しかし、インターネットにつながるなどテレビは進化し続けており、今は変曲点にきている」と述べたうえで、「成長戦略については、またの機会に説明したい」とした。
シャープが発行する新株式を、鴻海グループの4社――鴻海精密工業が4.06%、Q-Run Holdingsが2.64%、FOXCON(FAR EAST)が2.53%、鴻準精密工業が0.65%の割合で取得する。4月1日付で社長に就任する奥田隆司常務執行役員は、会見で「ここ数年の厳しい市況感で、当社の強みが発揮できなくなった。すべてを1社で手がけるのではなく、バリューチェーンのなかに協業を入れ込むことでタイムリーに製品を出していかなければならないと判断した」と提携の理由を説明した。
さらに、「垂直統合に限界を感じている。当社と鴻海グループのノウハウを生かして『戦略的垂直統合モデル』を構築する」と述べた。提携の効果については、「国籍や業態にとどまらない協業で、1+1が、3や4、5にまで引き上げられる」とした。
4月1日に社長に就任する奥田隆司常務執行役員
また、子会社で液晶パネルなどを生産するシャープディスプレイプロダクト(SDP、佐治寛社長)の発行済み株式のうち、シャープ保有株式の半数を鴻海精密工業の郭台銘董事長に660億円で売却。これによって、シャープが約93%、ソニーが約7%だったSDPへの出資比率は、シャープが約46.5%、郭董事長と投資法人などが約46.5%、ソニーが約7%となる。最終的にはSDP堺工場で生産する液晶パネルやモジュールの50%を鴻海精密工業に供給し、堺工場の共同運営にも取り組む。これによって、液晶テレビの不振で稼働率が下がっていた堺工場の生産を安定化させる。
奥田常務執行役員は、テレビ事業の将来について、「グローバルで勝てるコスト競争力が何よりも重要になってくる。しかし、インターネットにつながるなどテレビは進化し続けており、今は変曲点にきている」と述べたうえで、「成長戦略については、またの機会に説明したい」とした。