紙よさらば! ScanSnap×Evernoteであなたも情報整理の達人に

レビュー

2012/03/13 10:19

 スキャナの代名詞となった「ScanSnap」とクラウドサービスの「Evernote」を連携することで、情報の整理が格段にらくになる。その活用方法を紹介しよう。

「BCN AWARD」スキャナ部門を2年連続受賞



 製品部門別に年間の販売台数No.1メーカーを表彰する「BCN AWARD」。そのスキャナ部門を2年連続で獲得したのが「ScanSnap」を展開するPFUだ。簡単操作で大量の名刺や書類をスピーディーに電子化できる「ScanSnap S1500」は、同社のスキャナのフラッグシップモデル。

「ScanSnap S1500」。カバーを閉じると、コンパクトなサイズ

 ADF(自動給紙装置)を備え、A4サイズ原稿を一度に50枚までセットでき、スーパーファインの高画質(カラー/グレースケール300dpi、白黒600dpi相当)で毎分20枚・40面の高速自動読み取りができる。原稿をセットして「Scan」ボタンを押すだけで、大量の原稿があっという間にスキャンされていくさまは、初めて見ると圧巻だ。

スキャン時は、カバーを展開する。原稿台には、A4サイズ原稿を50枚までセット可能

 「スキャナなら、複合プリンタのスキャン機能で十分」と思う方がいるかもしれないが、「ScanSnap S1500」と比べると複合プリンタは手間がかかる。複合プリンタのようなフラットベッド型の場合、原稿台に原稿をセットして、プレビューで読取り範囲を指定するなどの設定を行い、スキャン後に保存形式を指定して保存、という作業を1枚ずつ繰り返さなければならない。両面原稿の場合は、片面を読み取ったあとに原稿をひっくり返してまたスキャンするという手間もかかる。

 それが「ScanSnap S1500」なら、ボタン一つで両面を同時にスキャンし、電子化して保存するまでを自動でできるのだ。また、サイズが異なった原稿でもまとめてセットしてスキャンでき、さらに付属のA3キャリアシートを使うことで、A3サイズ原稿までスキャンできる。なお、読み取った原稿を電子化するときに、JPEG画像にするか、PDF文書にするかをあらかじめ設定しておくことができる。用途によって使い分けると便利だ。

A4以上A3以下の原稿は、2つ折りにして添付のA3キャリアシートに挟んでスキャンすると、自動的に両面を読み取って1枚の画像にしてくれる

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「ScanSnapで名刺管理」が、できるビジネスマンへの第一歩



 ビジネスシーンでの活用法として、まず注目したいのが名刺管理だ。ビジネスマンにとって、名刺管理は仕事の第一歩だが、こまめに整理していないと、枚数が増えたときに必要な名刺を探すのに手間取ったり、相手がどんな人だったかがわからなくなったりする。そこで「ScanSnap S1500」の出番だ。大量の名刺を自動でスキャンしてデータにしておけば、整理しやすい。「ScanSnap」は両面同時読み取りなので、両面に記載がある名刺でも1回のスキャンでOKだ。

名刺も、書類などと同様ADFにセットしてスキャンする

 スキャンした名刺は、クラウドサービス「Evernote」で管理したい。「Evernote」は、文書・画像・動画・音声や、PDF・Excelファイルなど何でも「ノート」に保存できるサービス。保存したデータは、PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などさまざまな機器からアクセスして閲覧・編集ができる。無料で使えるスタンダードアカウントと有料のプレミアムアカウントがあり、スタンダードアカウントでは、一つのノートの容量は25MBまでで、1か月間のアップロード容量は60MBまでに制限される。一方、月額450円(年額4000円)のプレミアムアカウントは、1ノート50MBまでで、月間1GBまでアップロードできる。

「ScanSnap」のクラウド連携機能で、読み取った原稿をワンクリックで「Evernote」に転送することができる。外出先でも利用することがある情報は、こうやってクラウド上に保存しておくと便利だ

 「ScanSnap」は、スキャンした原稿を、自動的に「Evernote」にアップロードする機能をもつ。名刺をJPEG画像化して「Evernote」にアップロードすれば、外出先で、以前に名刺交換した人の連絡先が必要になった場合でも、スマートフォンやモバイルPCからすぐに確認できる。しかもアップしたJPEG画像をOCRで文字認識するので、名前や会社名で検索して目的の名刺を見つけ出すことができるのだ。また、「Evernote」はノートにメモを記入したりタグを付けたりすることができるので、相手の部署や特徴などをメモやタグに記入しておけば、さらに検索しやすくなる。

 複数のノートをまとめた「ノートブック」も作ることができるので、名刺だけを集めたノートブックを作っておくと便利。スキャン後の保存先としてそのノートブックを指定すれば、「ScanSnap」が読み取った名刺のノートが自動的にそのノートブックに追加されていく。これこそ、「ScanSnap」とクラウドを活用した最新の名刺管理術だ。

書類の整理はPDFで



 名刺だけでなく、書類や資料の整理と保存にも、「ScanSnap」と「Evernote」の組み合わせは便利だ。この場合は、スキャンしたデータをPDFの形式で保存したい。そのままプリントアウトすれば、元の紙の書類や資料と同じものが再現できるし、PDF文書から文字をテキストデータとしてコピーして利用することもできる。「ScanSnap S1500」には、PDF文書の作成や編集ができるソフト「Adobe Acrobat X Standard」が付属しているので、読み取った書類や資料の加工・編集も自由自在だ。「Evernote」のプレミアムアカウントなら、JPEG画像に加えて、PDF文書にもOCR機能が有効となり、大量の書類や資料の中から、目的のPDF文書をテキスト検索によって、すばやく見つけ出すことができる。

 また、枚数が多い書類でも、プレミアムアカウントなら月間1GBまでアップロードでき、ファイル容量をあまり気にしなくていい。「Evernote」をフル活用するならば、プレミアムアカウントがオススメだ。

 このように「Evernote」を上手く活用すれば、重い資料をカバンに詰め込んで持ち歩く必要はなくなる。スマートフォンさえあれば、どこからでも「Evernote」の書類や資料が確認でき、メール添付で送信したり、出力したりすることもできる。仕事の効率が一気にアップすること、間違いなしだ。

 現在、PFUは、「BCN AWARD」スキャナ部門を2年連続で受賞したことを記念して、3月31日まで、「ScanSnap」購入者全員に「Evernote」のプレミアムアカウントをプレゼントするキャンペーンを実施中だ。このチャンスを利用しない手はない。新年度や新学期を間近に控えたいま、デスクや書棚に溜まった書類の整理に「ScanSnap」を活用するいい機会ではないだろうか。

PFUの「BCN AWARD 2012 受賞記念キャンペーン」サイト
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仕事だけじゃない! 家庭でも大活躍



 「ScanSnap」が活躍する場はビジネスシーンだけとは限らない。例えば、家庭で、子どもの絵や作文をデータ化して保存すれば、場所を取らず、いつでもすぐに確認できて、しかも半永久的に残しておける。また、買い物のレシートなどを保存すれば、家計簿をつけるときに便利だ。年賀状や引っ越しの挨拶状など、見返す機会は少ないが、捨てにくい手紙を残しておくのに使ってもいい。家庭内のさまざまな書類も「ScanSnap」を活用して整理をし、新たな気持ちで新年度・新学期を迎えよう。

 「ScanSnap」は、専用アプリ「ScanSnap Connect Application」でiPhoneやiPadなどのiOS端末と連携する。iOS端末側でアプリを立ち上げた状態で、PCと接続した「ScanSnap」でスキャンすると、面倒な同期作業をする必要なく、無線LAN(Wi-Fi)経由で、直接iPhoneやiPadに転送することができる。紙の原稿を電子化して、iPhoneやiPadで持ち歩くときなどに、簡単にすばやくiOS端末に転送できる便利な機能だ。

専用アプリの「ScanSnap Connect Application」は、App Storeで無償で手に入る

「ScanSnap Connect Application」を立ち上げると、スキャンした原稿を一覧表示する

 この使い方の応用版ともいえるのが、いわゆる「自炊」だ。紙の書籍やコミックの背表紙をはがしてページをバラバラにして、それをスキャナで読み取って電子化、自家製の電子書籍をつくることを「自炊」と呼ぶが、両面同時の連続高速読取りが可能な「ScanSnap S1500」を使うと、この「自炊」も時間と手間をかけずに完了する。電子書籍化した書籍やコミックは、連携機能を使ってiPhoneやiPadに転送。誰も持っていない自分だけの電子書籍で、移動中の電車の中などで存分に読書に耽ることができる。

 とにかく簡単で、手間がかからず、しかもすこぶるスピーディ、そしてクラウドともシームレスに連携できるパーソナルドキュメントスキャナ「ScanSnap S1500」。その便利さには「目からウロコ」だった。これまでの「機能単独のスキャナなんて特に必要ないだろう」という考えは一変した。デジタル環境の進展とアイデア次第で、ビジネスでもプライベートでも、その活用の幅はますます広がりそうだ。(ライター・榎木夏彦)