プチ連載! スマートフォンのカメラ性能を試した 第1回「iPhone 4S」

レビュー

2012/03/09 20:10

 好きなアプリケ-ション(アプリ)をインストールして、さまざまな機能を追加できるスマートフォン。カメラ機能を拡張するアプリも人気で、プロが撮った作品のようなアーティスティックな写真が簡単に撮ることができるものから、お遊び系のものまで、数多く流通している。

 だが、ちょっと待ったあああ! 肝心のカメラそのもののできや使い勝手はどうだろうか? そこで、人気のスマートフォンのカメラ機能を、あえてアプリを使わずに、素の状態で確認してみようというのがこの企画。

 第1回で取り上げるのは、人気のアップル「iPhone 4S」だ。筆者が個人的に所有するソフトバンクモバイル版で評価した。なお、あくまでも基本的なカメラ性能のチェックなので、動画や画像編集機能などは、今回は取り上げていない。

アップルの「iPhone 4S」

■「iPhone 4S」の基本的なスペック

画素数:8メガピクセル(800万画素)
解像度:264×2448ピクセル
レンズ:あかるさ:F2.4、ズーム:デジタル式
ピント:オートフォーカス(画面タップでその位置にピントが合う)
手ブレ補正:あり
顔認識:あり(最大10人の顔の露出を調整できる)
フラッシュ:あり(LED)
ビデオ:撮影可能、1080p HD(最大30fps、ステレオ音声記録)
GPS:搭載、画像へのジオタグ(位置情報データ)の埋め込みが可能

色の再現性



 どれほどまで正確に色を再現できるか、カラーパッチを撮影した。


広角・望遠の画質



 画面にタッチしてズーム操作(2本指でピンチアウト)を行い、最も広角側と望遠側で撮影した。「iPhone 4S」は、画像の一部を切り出して拡大するデジタルズームなので、望遠側で撮影すると画像が少し荒れる。左が広角、右が望遠側で撮影した写真だ。


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マクロの画質



 花や料理、小物などを撮影するときに重要になる最短撮影距離。被写体に最も近づいて撮影した。


暗いシーンの画質



 スマートフォンや携帯電話は暗いシーンが苦手だ。デジタルカメラと違ってストロボの光量が少なく、また撮像素子が小さいので画面が暗くなりがち。夕景や夜景などのISO感度がアップしたときの画質をチェックした。


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 夕景でズーム撮影したときの画質も確認した。


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そのほかの機能



 コントラスト比の高いメリハリのある写真に仕上げるために、ハイダイナミックレンジ合成(HDR)機能を搭載したスマートフォンがある。「iPhone 4S」のHDR機能を確認した。左がHDRオフの画像、右がHDRオンの画像。


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筆者のつぶやき



 「iPhone 3GS」までのカメラは、正直決してほめられた画質とは言いがたい。日本の携帯電話のカメラ機能に大きく後れを取っていた。しかし「iPhone 4S」は、カメラ機能が大幅に進化した。

 それでも、多機能・複雑になったわけではない。「iPhone」ならではの操作のよさや使い勝手のシンプルさを追求しつつ、簡単に美しい写真を撮ることができるようになった。

 ユーザーが任意に設定できるのは、ピント位置とズーム、撮影時の画面のグリッド表示、HDR撮影のオン/オフくらいしかない。それ以外はすべて、iPhoneにおまかせとなる。露出補正もできなければ、記録サイズやホワイトバランス、ISO感度などの変更もできない。だが、それでも十分にきれいな写真が撮影できる。

 逆光撮影も、iPhoneまかせでここまできれいなら、十分に優秀だと思う。ただ、ズームはデジタル式なので、あまり積極的には使いたくない。


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 凝った写真を撮りたければ、デジタルカメラを使えばいい。スマートフォンのカメラは、それとは違った使い勝手や魅力をもつべき。それは、あれこれ設定する必要なく、心が動いた瞬間にサッと撮影できて、撮った写真をすぐメール添付で送ったり、SNSで公開したりできること。そうしたシンプルでスムーズに使えるカメラ機能をサラリと実現しているのは、さすがアップルというべきだろう。(フリーライター・榎木秋彦)