ソニー、新経営体制を発表、平井一夫次期社長の下「One Sony」で赤字脱却へ
ソニーは、2月2日、代表執行役副社長の平井一夫氏が4月1日付で社長兼CEOに就任することを発表した。社長に権限を集中させるワンマネジメント体制を敷き、社員が一丸となって会社を成長させる「One Sony」を掲げる。
今回の人事は、2月1日に開催した取締役会でハワード・ストリンガー代表執行役会長兼社長CEOが提案して決議された。ストリンガーCEOは、6月の定時株主総会まで代表執行役会長職を継続し、株主総会直後の取締役会の決議を経て取締役会議長に選任される予定。平井副社長は、4月1日付で代表執行役社長兼CEOに就任し、6月の定時株主総会で取締役に選任される。これによって、2005年に会長兼CEO、09年からは会長・社長・CEOを兼務してきた異例のストリンガー体制は終焉を迎える。
会見では、まずストリンガーCEOが今回の人事を説明。「今が世代交代のタイミングであり、引き継ぐ体制も整っている」と述べたうえで、平井氏について「強い意志をもって、リーダーシップをとることができる。新しいエネルギーで、今の厳しい状況に立ち向かってくれる」とした。
確かにソニーの現状は厳しい。2011年度(2012年3月期)第3四半期(2011年4月1日~12月31日)の連結業績は、売上高が4兆8927億8600万円(前年同期比12.6%減)と減収、損益は営業損益で658億6300万円の赤字(前年同期は2731億8900万円の黒字)、税引前損益で827億円の赤字(同2731億5500万円の黒字)、最終損益で2014億4700万円の赤字(同1292億1700万円の黒字)と赤字に転落した。今回の人事は、赤字から脱却して、成長軌道に乗るための決断だ。
次期社長兼CEOの平井副社長は、「成長に向けて何をしなければならないのか。その礎として、実行しなければならないことがある」として、「コア事業の強化」「テレビ事業の立て直し」「事業ポートフォリオの改革」「イノベーションの加速」の四つを挙げた。
コア事業の一つ「モバイル」では、Androidスマートフォンのほか、「PlayStation Vita」も重要な戦略商品になるとした。また、デジタルカメラ「Cyber-shot」の技術も投入していく。テレビについては、「待ったなし」の対応を表明。縮小や撤退を否定し、ソニーが提案する商品やライフスタイルのなかで「コンテンツが楽しめる重要な商品」と位置づけ、次世代ディスプレイの開発などに臨む。「イノベーション」では、新たにメディカル事業への取り組みを表明したが、メディカルをコア事業としているオリンパスへの出資についてはコメントしなかった。
経営体制については、これらを確実に実行するために、「迅速な経営判断を徹底し、社長の私が最終的に責任をもつ『ワンマネジメント体制』を敷く。また、社員全員がチームとなって目的を達成する『One Sony』の実現を目指す」とした。
第3四半期の時点で赤字に転落したことに伴って、昨年11月時点で発表した売上高6兆5000億円、営業利益200億円、税引前利益100億円、最終損益900億円の赤字という通期見通しを、売上高6兆4000億円、営業損益950億円の赤字、税引前損益1150億円の赤字、最終損益2200億円の赤字と下方修正。赤字脱却に向けて、平井副社長は「大胆な選択と集中も考えなければならない」と述べた。
次期社長兼CEOの平井一夫副社長(左)とハワード・ストリンガー会長兼社長CEO
今回の人事は、2月1日に開催した取締役会でハワード・ストリンガー代表執行役会長兼社長CEOが提案して決議された。ストリンガーCEOは、6月の定時株主総会まで代表執行役会長職を継続し、株主総会直後の取締役会の決議を経て取締役会議長に選任される予定。平井副社長は、4月1日付で代表執行役社長兼CEOに就任し、6月の定時株主総会で取締役に選任される。これによって、2005年に会長兼CEO、09年からは会長・社長・CEOを兼務してきた異例のストリンガー体制は終焉を迎える。
会見では、まずストリンガーCEOが今回の人事を説明。「今が世代交代のタイミングであり、引き継ぐ体制も整っている」と述べたうえで、平井氏について「強い意志をもって、リーダーシップをとることができる。新しいエネルギーで、今の厳しい状況に立ち向かってくれる」とした。
確かにソニーの現状は厳しい。2011年度(2012年3月期)第3四半期(2011年4月1日~12月31日)の連結業績は、売上高が4兆8927億8600万円(前年同期比12.6%減)と減収、損益は営業損益で658億6300万円の赤字(前年同期は2731億8900万円の黒字)、税引前損益で827億円の赤字(同2731億5500万円の黒字)、最終損益で2014億4700万円の赤字(同1292億1700万円の黒字)と赤字に転落した。今回の人事は、赤字から脱却して、成長軌道に乗るための決断だ。
次期社長兼CEOの平井副社長は、「成長に向けて何をしなければならないのか。その礎として、実行しなければならないことがある」として、「コア事業の強化」「テレビ事業の立て直し」「事業ポートフォリオの改革」「イノベーションの加速」の四つを挙げた。
コア事業の一つ「モバイル」では、Androidスマートフォンのほか、「PlayStation Vita」も重要な戦略商品になるとした。また、デジタルカメラ「Cyber-shot」の技術も投入していく。テレビについては、「待ったなし」の対応を表明。縮小や撤退を否定し、ソニーが提案する商品やライフスタイルのなかで「コンテンツが楽しめる重要な商品」と位置づけ、次世代ディスプレイの開発などに臨む。「イノベーション」では、新たにメディカル事業への取り組みを表明したが、メディカルをコア事業としているオリンパスへの出資についてはコメントしなかった。
経営体制については、これらを確実に実行するために、「迅速な経営判断を徹底し、社長の私が最終的に責任をもつ『ワンマネジメント体制』を敷く。また、社員全員がチームとなって目的を達成する『One Sony』の実現を目指す」とした。
第3四半期の時点で赤字に転落したことに伴って、昨年11月時点で発表した売上高6兆5000億円、営業利益200億円、税引前利益100億円、最終損益900億円の赤字という通期見通しを、売上高6兆4000億円、営業損益950億円の赤字、税引前損益1150億円の赤字、最終損益2200億円の赤字と下方修正。赤字脱却に向けて、平井副社長は「大胆な選択と集中も考えなければならない」と述べた。