2011年に一番売れたデジタル一眼カメラは? ミラーレス一眼は三つ巴の混戦に
東日本大震災、地上デジタル放送への移行、タイの大洪水……。さまざまなことがあった2011年が終わろうとしている。レンズ交換型デジタルカメラ(デジタル一眼カメラ)市場にとって、2011年は、おおむね好調な年だったといえるだろう。
とくに盛り上がりを見せたのが、デジタル一眼レフからレフレックスファインダー(ミラー)を省き、小型・軽量化を実現しているミラーレス一眼だ。2009年のパナソニック、オリンパス、2010年のソニーに続いて、2011年はペンタックスリコーイメージングと、デジタル一眼レフカメラの雄、ニコンがミラーレス一眼市場に参入。11月には、デジタル一眼カメラの4割をミラーレス一眼が占めた。
では、2011年に売れたモデルは何だっただろうか。2011年1月1日~12月20日の日次データを合算したランキングをご紹介しよう。なお、機種のカラーバリエーションや、レンズキットは合算し、機種名で集計している。
1位はニコンのエントリモデル「D3100」で、販売台数シェアは9.7%。2010年秋発売で、1420万画素のDXフォーマットCMOSセンサや、新画像処理エンジン「EXPEED2」を搭載する。ISO感度は100~3200で、夕暮れや室内など暗い場所でも手ブレを抑えてしっかり撮ることができる。
ラインアップは、ボディ単体と、ボディ+標準ズームレンズのレンズキット、ボディ+標準ズームレンズ+望遠ズームレンズのダブルズームキットの3種類だ。
2位は、キヤノンのエントリモデル「EOS Kiss X4」で、シェアは8.3%。約1800万画素のAPS-CサイズのCMOSセンサを搭載した。前モデル「EOS Kiss X3」から常用ISO感度をISO100~6400に拡大し、12800までの拡張に対応する。連写性能は、毎秒約3.4コマから毎秒約3.7コマに高速化した。
マニュアル露出撮影、約7倍の動画クロップ撮影、外部マイク接続に対応するほか、フルHD記録にフレームレート30p、24pを、HD記録に60pを追加し、動画撮影機能を強化した。
その「EOS Kiss X4」の後継機「EOS Kiss X5」が、3位に入った。シェアは8.0%。約1800万画素のAPS-CサイズのCMOSセンサと、映像エンジン「DIGIC 4」を搭載する。動画撮影機能をさらに強化し、最大約10倍の動画デジタルズーム、ショートムービーを作ることができるビデオスナップ機能を搭載した。
デジタル一眼カメラランキングでは、トップ20のなかに8モデルのミラーレス一眼が入った。販売台数シェアも順調に伸び、2011年7月には41.1%と4割を超えた。では、ミラーレス一眼に限ったランキングをみていこう。
1位はマイクロフォーサーズ規格のパナソニック「LUMIX GF2」で、販売台数シェアは14.9%。電気回路の高集積化、高密度実装などによって、前モデル「LUMIX DMC-GF1」に比べ、体積比約19%、質量比約7%の小型・軽量化を実現した。ポップアップ機構のフラッシュを内蔵する。
ラインアップは、ボディ単体と、ボディ+単焦点レンズのパンケーキレンズキット、ボディ+単焦点レンズ+標準ズームレンズのダブルレンズキットの3種類。カラーは、ボディ単体がエスプリブラックのみ、レンズキットがエスプリブラック、ファインレッド、シェルホワイトの3色。なお、後継機の「LUMIX GF3」が2011年7月に登場している。
2位はソニーの「NEX-5」で、シェアは13.1%。撮像素子はデジタル一眼レフ並みのAPS-Cサイズで、有効1420万画素の「Exmor APS HD CMOSセンサー」を搭載する。背景を簡単にぼかすことができる「背景ぼかしコントロール」や、人の見た目に近い露出で撮影できる「オートHDR」などの撮影機能を備える。すでに生産は終了し、2011年9月に後継機「NEX-5N」が発売になっている。
3位はオリンパスの「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」で、シェアは11.5%。マイクロフォーサーズ規格のエントリモデルで、4/3型1230万画素ハイスピードLive MOSセンサを搭載する。顔検出AFとして、人物を大きく撮影する際、人物の目に自動的にピントを合わせる「瞳検出AF機能」を搭載する。
最後に、ミラーレス一眼市場のメーカーの動きをチェックしておこう。オリンパスがリードするかたちで推移し、2位をパナソニックとソニーが絡み合うようなかたちで争っている。11月は、タイの洪水の影響で新製品の発売が遅れたことが影響し、ソニーがやや失速ぎみだ。
2011年に参入したペンタックスとニコンは、ペンタックスの勢いにやや陰りがみえるのに対して、ニコンは少しずつシェアを伸ばしている。すでに2012年春には富士フイルムの参入が決定。デジタル一眼レフ市場で高いシェアをもつキヤノンの動向が注目されるところだ。いまのところ、ミラーレス一眼の勢いが衰える気配はない。(BCN・山下彰子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
とくに盛り上がりを見せたのが、デジタル一眼レフからレフレックスファインダー(ミラー)を省き、小型・軽量化を実現しているミラーレス一眼だ。2009年のパナソニック、オリンパス、2010年のソニーに続いて、2011年はペンタックスリコーイメージングと、デジタル一眼レフカメラの雄、ニコンがミラーレス一眼市場に参入。11月には、デジタル一眼カメラの4割をミラーレス一眼が占めた。
では、2011年に売れたモデルは何だっただろうか。2011年1月1日~12月20日の日次データを合算したランキングをご紹介しよう。なお、機種のカラーバリエーションや、レンズキットは合算し、機種名で集計している。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) |
1 | ニコン | D3100 | 1420 | 9.7 |
2 | キヤノン | EOS Kiss X4 | 1800 | 8.3 |
3 | キヤノン | EOS Kiss X5 | 1800 | 8.0 |
4 | パナソニック | LUMIX GF2 | 1210 | 5.6 |
5 | キヤノン | EOS 60D | 1800 | 5.2 |
6 | ソニー | NEX-5 | 1420 | 5.0 |
7 | ニコン | D7000 | 1620 | 4.7 |
8 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL2 | 1230 | 4.4 |
9 | ニコン | D90 | 1230 | 4.1 |
10 | ニコン | D5100 | 1620 | 4.0 |
11 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1s | 1230 | 3.8 |
12 | ペンタックス | K-r | 1240 | 3.0 |
13 | ソニー | α55 | 1620 | 2.7 |
14 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1 | 1230 | 2.7 |
15 | パナソニック | LUMIX GF3 | 1210 | 2.4 |
16 | キヤノン | EOS 7D | 1800 | 2.4 |
17 | ソニー | NEX-C3 | 1620 | 2.2 |
18 | ソニー | NEX-3 | 1420 | 2.0 |
19 | キヤノン | EOS Kiss X3 | 1510 | 1.6 |
20 | キヤノン | EOS 5D MarkII | 2110 | 1.5 |
*カラーバリエーション、レンズキットは合算して集計
*太字はミラーレス一眼
*太字はミラーレス一眼
「BCNランキング」2011年1月1日-12月20日 日次合算<最大パネル>
1位はニコンのエントリモデル「D3100」で、販売台数シェアは9.7%。2010年秋発売で、1420万画素のDXフォーマットCMOSセンサや、新画像処理エンジン「EXPEED2」を搭載する。ISO感度は100~3200で、夕暮れや室内など暗い場所でも手ブレを抑えてしっかり撮ることができる。
ラインアップは、ボディ単体と、ボディ+標準ズームレンズのレンズキット、ボディ+標準ズームレンズ+望遠ズームレンズのダブルズームキットの3種類だ。
1位のニコン「D3100」
2位は、キヤノンのエントリモデル「EOS Kiss X4」で、シェアは8.3%。約1800万画素のAPS-CサイズのCMOSセンサを搭載した。前モデル「EOS Kiss X3」から常用ISO感度をISO100~6400に拡大し、12800までの拡張に対応する。連写性能は、毎秒約3.4コマから毎秒約3.7コマに高速化した。
マニュアル露出撮影、約7倍の動画クロップ撮影、外部マイク接続に対応するほか、フルHD記録にフレームレート30p、24pを、HD記録に60pを追加し、動画撮影機能を強化した。
2位のキヤノン「EOS Kiss X4」
その「EOS Kiss X4」の後継機「EOS Kiss X5」が、3位に入った。シェアは8.0%。約1800万画素のAPS-CサイズのCMOSセンサと、映像エンジン「DIGIC 4」を搭載する。動画撮影機能をさらに強化し、最大約10倍の動画デジタルズーム、ショートムービーを作ることができるビデオスナップ機能を搭載した。
2011年3月発売のキヤノン「EOS Kiss X5」
2011年 注目のミラーレス一眼の年間ランキング
デジタル一眼カメラランキングでは、トップ20のなかに8モデルのミラーレス一眼が入った。販売台数シェアも順調に伸び、2011年7月には41.1%と4割を超えた。では、ミラーレス一眼に限ったランキングをみていこう。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 画素数(万画素) | 販売台数 シェア(%) |
1 | パナソニック | LUMIX GF2 | 1210 | 14.9 |
2 | ソニー | NEX-5 | 1420 | 13.1 |
3 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL2 | 1230 | 11.5 |
4 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1s | 1230 | 10.0 |
5 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1 | 1230 | 7.2 |
6 | パナソニック | LUMIX GF3 | 1210 | 6.4 |
7 | ソニー | NEX-C3 | 1620 | 5.7 |
8 | ソニー | NEX-3 | 1420 | 5.4 |
9 | オリンパス | OLYMPUS PEN E-P3 | 1230 | 3.6 |
10 | ソニー | NEX-5N | 1610 | 3.4 |
*カラーバリエーション、レンズキットは合算して集計
「BCNランキング」2011年1月1日-12月20日 日次合算<最大パネル>
1位はマイクロフォーサーズ規格のパナソニック「LUMIX GF2」で、販売台数シェアは14.9%。電気回路の高集積化、高密度実装などによって、前モデル「LUMIX DMC-GF1」に比べ、体積比約19%、質量比約7%の小型・軽量化を実現した。ポップアップ機構のフラッシュを内蔵する。
ラインアップは、ボディ単体と、ボディ+単焦点レンズのパンケーキレンズキット、ボディ+単焦点レンズ+標準ズームレンズのダブルレンズキットの3種類。カラーは、ボディ単体がエスプリブラックのみ、レンズキットがエスプリブラック、ファインレッド、シェルホワイトの3色。なお、後継機の「LUMIX GF3」が2011年7月に登場している。
パナソニック「LUMIX GF2」(左)と後継機「LUMIX GF3」
2位はソニーの「NEX-5」で、シェアは13.1%。撮像素子はデジタル一眼レフ並みのAPS-Cサイズで、有効1420万画素の「Exmor APS HD CMOSセンサー」を搭載する。背景を簡単にぼかすことができる「背景ぼかしコントロール」や、人の見た目に近い露出で撮影できる「オートHDR」などの撮影機能を備える。すでに生産は終了し、2011年9月に後継機「NEX-5N」が発売になっている。
ソニーの「NEX-5」(左)と後継機「NEX-5N」(右)
3位はオリンパスの「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」で、シェアは11.5%。マイクロフォーサーズ規格のエントリモデルで、4/3型1230万画素ハイスピードLive MOSセンサを搭載する。顔検出AFとして、人物を大きく撮影する際、人物の目に自動的にピントを合わせる「瞳検出AF機能」を搭載する。
オリンパスの「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」
最後に、ミラーレス一眼市場のメーカーの動きをチェックしておこう。オリンパスがリードするかたちで推移し、2位をパナソニックとソニーが絡み合うようなかたちで争っている。11月は、タイの洪水の影響で新製品の発売が遅れたことが影響し、ソニーがやや失速ぎみだ。
2011年に参入したペンタックスとニコンは、ペンタックスの勢いにやや陰りがみえるのに対して、ニコンは少しずつシェアを伸ばしている。すでに2012年春には富士フイルムの参入が決定。デジタル一眼レフ市場で高いシェアをもつキヤノンの動向が注目されるところだ。いまのところ、ミラーレス一眼の勢いが衰える気配はない。(BCN・山下彰子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
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年末年始にかけて、ジャンルごとに、2011年のシリーズ別年間ランキングやメーカー別シェアなどをまとめた記事を順次掲載する予定です。それら年間ランキング記事を一覧できる特集ページも開設しています。
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