2011年一番売れた薄型テレビは? 地デジ化最終戦は小型サイズに人気集中

特集

2011/12/27 18:48

 7月24日の地上デジタル放送へ移行に向けて、買い替えが進んできた薄型テレビ市場。地デジ化最終戦となった今年は、どの製品が売れたのだろうか。BCNランキングで、今年売れた薄型テレビ(液晶・プラズマ・有機EL)トップ20を紹介しよう。

 2011年1月1日~12月19日までのBCNランキングで、カラーバリエーションを合算したシリーズ別販売台数シェアランキングをみていこう。BCNランキングでは、液晶・プラズマ・有機ELテレビを合わせて薄型テレビとしているが、11年1月1日から12月19日の販売台数の97.0%を液晶テレビが占め、トップ20の製品はすべて液晶テレビだった。なお、1年間の実売データを合算しているために、現在は生産を終了した製品も入っている。

2011年 薄型テレビ(液晶+プラズマ+有機EL) シリーズ別 販売台数シェア トップ20
※集計期間:2011年1月1日~12月19日

順位

メーカー名

型番・シリーズ名

画面サイズ
(V型)

録画対応

インターネット対応

発売年月

販売台数
シェア(%)

1 シャープ LC-19K5 19 外付けHDD × 2011年2月 4.6
2 シャープ LC-32E9 32 × × 2011年6月 4.1
3 シャープ LC-32E8 32 × × 2010年12月 3.7
4 シャープ LC-32V5 32 外付けHDD 2011年3月 3.1
5 パナソニック TH-L32C3 32 × × 2011年1月 3.0
6 東芝 32A1S 32 × × 2010年12月 2.8
7 シャープ LC-26E8 26 × × 2010年12月 2.8
8 東芝 19A2 19 × × 2011年1月 2.1
9 シャープ LC-22K5 22 外付けHDD × 2011年2月 2.1
10 シャープ LC-32SC1 32 × 2010年2月 2.0
11 パナソニック TH-L19C3 19 × × 2011年2月 1.9
12 ソニー KDL-32EX300 32 × 2010年2月 1.6
13 ソニー KDL-32CX400 32 外付けHDD 2011年4月 1.4
14 パナソニック TH-L32X3 32 外付けHDD/
SDカード
2011年2月 1.3
15 東芝 22A2 22 × × 2011年1月 1.2
16 シャープ LC-40SE1 40 × 2010年2月 1.1
17 ソニー KDL-40EX500 40 × 2010年2月 1.1
18 ソニー KDL-32EX420 32 外付けHDD 2011年2月 1.0
19 シャープ LC-32DX3 32 BD 2010年5月 1.0
20 シャープ LC-40E9 40 × × 2011年3月 0.9
※トップ20はすべて液晶テレビ
「BCNランキング」2011年1月1日-12月19日 日次合算<最大パネル>

 今年(2011年1月1日~12月19日)最も売れた薄型テレビは、シャープ「AQUOS」の19V型「LC-19K5」で、シェアは4.6%だった。11年2月発売で、16V型から24V型までの4サイズで展開している小型シリーズで、外付けHDDを接続することで録画に対応する。

2011年の販売台数No.1はシャープの19V型液晶テレビ「AQUOS LC-19K5」

 2位から6位は、リビングのメインテレビとしても、個室などの2台目としても使える32V型が並んだ。2位はシャープの11年6月発売の「AQUOS LC-32E9」で、シェアは4.1%。光漏れを防ぐことで、高速応答性と高いコントラスト比を実現する「UV2A技術」採用の液晶パネルをもつ。3位、4位もシャープの製品。3位は10年12月発売の「AQUOS LC-32E8」で3.7%。4位は「UV2A技術」とLEDバックライトの採用で高画質化と省エネ化を図った11年3月発売の「AQUOS LC-32V5」で、3.1%だった。

2位から6位は32V型。左からシャープ「AQUOS」の「LC-32E9」「LC-32V5」

 5位は、パナソニック「VIERA」の「TH-L32C3」で、シェアは3.0%。11年1月発売のモデルで、斜めから見ても正面から見た時との色の差が少ない「IPSαパネル」や、シーンに応じてLEDバックライト光量を制御する「コントラストAI機能」などを搭載している。6位は2.8%で東芝「REGZA」の「32A1S」が入った。10年12月発売のモデルで、画素数がフルハイビジョンに満たない地上デジタル放送やDVDなどの映像を、超解像技術できれいに再現する。

パナソニック「VIERA TH-L32C3」

 7位は、3位「LC-32E8」と同シリーズのシャープの26V型「AQUOS LC-26E8」で2.8%。8位は東芝「REGZA 19A2」が2.1%で続いた。11年1月発売のモデルで、ポータブルゲーム機を接続して迫力あるプレイが楽しめる機能「ゲームダイレクト」を搭載。ゲーム操作の遅延時間を短縮したり、昔のゲーム映像のレトロ感を再現する機能などを備えている。

 9位は、1位のシャープの19V型「LC-19K5」と同シリーズの22V型「AQUOS LC-22K5」で、シェアは2.1%。10位は2.0%で、シャープの32V型「AQUOS LC-32SC1」が入った。10年2月発売で、UV2A搭載パネルのスタンダードモデルへの展開を始めた初期モデルの一つ。ちなみに、発表当時メーカーが想定した価格は11万円前後だったが、直近の市場推定価格は4万2100円(ブラック)となっている。

東芝「REGZA 19A2」はポータブルゲーム機をつないで楽しめる「ゲームダイレクト」モードを搭載

 2011年の薄型テレビのサイズ別販売台数構成比は、32V型が36.9%で、次に19V型が16.3%、40V型が10.8%の順だった。3番目に人気だった40V型は、16位にシャープの40V型「AQUOS LC-40SE1」、17位にソニーの40V型「BRAVIA KDL-40EX500」が入った。18~19位は再び32V型で、18位がソニー「BRAVIA KDL-32EX420」、19位がシャープ「AQUOS LC-32DX3」だった。20位はシャープの40V型「AQUOS LC-40E9」となった。

ソニーの40V型「BRAVIA KDL-40EX500」

 地デジ対応テレビの買い替え需要は、09年5月の「エコポイント制度」スタート後に弾みがつき、10年12月のポイント半減を前にピークに達した。11年は、01年施行の改正電波法によって決められていた通り、7月24日にテレビ放送がアナログからデジタルに移行したが、まだ、2~3台目の買い替えをしていない家庭や、外付けチューナーやケーブルテレビ局の「デジアナ変換」(詳しくは<いまだにアナログテレビが見られるのはなぜ? キーワードは「デジアナ変換」>を参照)で対策している家庭もある。テレビ需要が一巡した今、60V型が20万円前後で買えるほど、価格は下がっている。40V型なら7万円強ほどだ。“買い替えない派”の人も、心が動く価格だろう。年末年始、一度テレビ売り場をのぞいてみよう。(BCN・田沢理恵)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。
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