<インタビュー・時の人>華為技術日本(ファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパン) インテグレーテッド マーケティング部担当部長 陳震方
中国・韓国などアジア勢が世界で躍進を遂げているなかで、成長軌道に乗っている中国企業の一つに、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)がある。世界屈指のネットワーク機器/携帯端末メーカーとして名を轟かせ、日本市場でも堅調にビジネスを拡大している。現在はブランドの浸透に力を注いでいる段階だが、近い将来には日本発のグローバルモデルの創出を視野に入れている。日本法人のファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパンでマーケティングに携わる陳震方氏に、今後の戦略を聞いた。
華為技術日本(ファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパン)
端末本部マーケティング・ソリューション統括部
インテグレーテッド マーケティング部担当部長
陳震方氏インタビュー
ブランド浸透で次のステージへ
◎プロフィール
(Zhenfang Chen)1978年5月生まれ。中国上海市出身。00年、上海復旦大学日本語専攻を卒業。翌年、早稲田大学太平洋研究センターに留学し、MBAを取得。03年、大広の上海法人に入社。その後、東京本社に異動し、中国に進出する日系企業、日本に進出する海外企業のマーケティングやプロモーションを統括。10年、華為技術日本に入社。現在、マーケティング部担当部長として、コーポレートブランディング、広報、製品プロモーションなどを取りまとめている。
Q. 昨年と比較して、今年はどのような状況なのか。
A. 非常に順調だ。売上高は、端末事業がワールドワイドで成長率40%に達しており、日本ではそれ以上の成長を遂げている。
Q. これまで日本市場で取り組んできたことを簡単に振り返っていただきたい。
A. 日本では、三つのステップで成長したいと考えている。第一段階が、グローバルモデルを日本市場で売ること。これは、すでにできている。第二段階が、グローバルモデルをベースに、日本市場に合わせて高度にカスタマイズした端末を出すこと。Wi-Fiルータ「Pocket WiFi」など、今年は昨年以上に製品を発売することができた。第三段階が、日本発のグローバルで通用する製品の創出だ。この段階には、まだ達していない。できるだけ早く実現したい。
Q. 成長に合わせて、組織など体制は強化したのか。
A. スタッフは、今年度(2011年12月期)初めと比較すると約2倍に増えている。しかも、これまでは中国本社からの出向が多かったが、今年は増員のほとんどを日本で採用した。日本に根づいたビジネスを展開し、通信事業者とのパートナーシップを深めていくほか、ユーザーのニーズを吸い上げることに力を注ぐ。
Q. 第三段階、すなわち日本初のグローバルモデルの実現を含めて、課題はあるのか。
A. 一番の課題は、ブランド力がまだ足りないということだ。「HUAWEI」を「ファーウェイ」と読んでくれない、つまり、当社を知らない人がまだまだ多いというのが実情だ。
Q. その解決策は?
A. とくに強化しなければならないのは、スマートフォンだと考えている。他社と比較して弱い部分だ。スマートフォンユーザーが当社の製品の機能や操作性を理解し、購入して実際に使って満足し、製品が広まることでブランドが定着し、それがまた次の製品につながるというサイクルを構築したい。
Q. そのサイクルのなかで、「日本発のグローバルモデル」を創出していくのか。
A. すぐに実現するのは難しいが、できるだけ早い時期に出したいと思っている。
Q. ファーウェイ・ジャパンとしての目標は?
A. ファーウェイグループは、携帯電話のグローバル市場で3年後にシェアでトップ5以内、5年後にトップ3以内を目指している。日本市場はライバルが多く、競争が激しいので、グローバル市場同様のシェアを獲得できるかどうかはわからないが、目標に近づけるよう、とにかく突き進むだけだ。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2011年11月14日付 vol.1407より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
華為技術日本(ファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパン)
端末本部マーケティング・ソリューション統括部
インテグレーテッド マーケティング部担当部長
陳震方氏インタビュー
ブランド浸透で次のステージへ
日本発のグローバルモデルを創出
◎プロフィール
(Zhenfang Chen)1978年5月生まれ。中国上海市出身。00年、上海復旦大学日本語専攻を卒業。翌年、早稲田大学太平洋研究センターに留学し、MBAを取得。03年、大広の上海法人に入社。その後、東京本社に異動し、中国に進出する日系企業、日本に進出する海外企業のマーケティングやプロモーションを統括。10年、華為技術日本に入社。現在、マーケティング部担当部長として、コーポレートブランディング、広報、製品プロモーションなどを取りまとめている。
Q. 昨年と比較して、今年はどのような状況なのか。
A. 非常に順調だ。売上高は、端末事業がワールドワイドで成長率40%に達しており、日本ではそれ以上の成長を遂げている。
Q. これまで日本市場で取り組んできたことを簡単に振り返っていただきたい。
A. 日本では、三つのステップで成長したいと考えている。第一段階が、グローバルモデルを日本市場で売ること。これは、すでにできている。第二段階が、グローバルモデルをベースに、日本市場に合わせて高度にカスタマイズした端末を出すこと。Wi-Fiルータ「Pocket WiFi」など、今年は昨年以上に製品を発売することができた。第三段階が、日本発のグローバルで通用する製品の創出だ。この段階には、まだ達していない。できるだけ早く実現したい。
Q. 成長に合わせて、組織など体制は強化したのか。
A. スタッフは、今年度(2011年12月期)初めと比較すると約2倍に増えている。しかも、これまでは中国本社からの出向が多かったが、今年は増員のほとんどを日本で採用した。日本に根づいたビジネスを展開し、通信事業者とのパートナーシップを深めていくほか、ユーザーのニーズを吸い上げることに力を注ぐ。
Q. 第三段階、すなわち日本初のグローバルモデルの実現を含めて、課題はあるのか。
A. 一番の課題は、ブランド力がまだ足りないということだ。「HUAWEI」を「ファーウェイ」と読んでくれない、つまり、当社を知らない人がまだまだ多いというのが実情だ。
Q. その解決策は?
A. とくに強化しなければならないのは、スマートフォンだと考えている。他社と比較して弱い部分だ。スマートフォンユーザーが当社の製品の機能や操作性を理解し、購入して実際に使って満足し、製品が広まることでブランドが定着し、それがまた次の製品につながるというサイクルを構築したい。
Q. そのサイクルのなかで、「日本発のグローバルモデル」を創出していくのか。
A. すぐに実現するのは難しいが、できるだけ早い時期に出したいと思っている。
Q. ファーウェイ・ジャパンとしての目標は?
A. ファーウェイグループは、携帯電話のグローバル市場で3年後にシェアでトップ5以内、5年後にトップ3以内を目指している。日本市場はライバルが多く、競争が激しいので、グローバル市場同様のシェアを獲得できるかどうかはわからないが、目標に近づけるよう、とにかく突き進むだけだ。
・Turning Point
中国の大学で日本語を専攻し、日本に留学。語学力を生かして、前職では、日本企業の中国でのマーケティングやプロモーションの業務に携わった。また、中国企業の日本でのPR活動も担当した。「これがターニングポイントかもしれない」と振り返る。クライアントは、ファーウェイだった。
日本で「HUAWEI」ブランドを浸透させる活動に明け暮れる日々を送るうちにファーウェイに魅せられ、今のポジションに就くことになった。現在も「毎日が試行錯誤の連続」と笑う。
中国の大学で日本語を専攻し、日本に留学。語学力を生かして、前職では、日本企業の中国でのマーケティングやプロモーションの業務に携わった。また、中国企業の日本でのPR活動も担当した。「これがターニングポイントかもしれない」と振り返る。クライアントは、ファーウェイだった。
日本で「HUAWEI」ブランドを浸透させる活動に明け暮れる日々を送るうちにファーウェイに魅せられ、今のポジションに就くことになった。現在も「毎日が試行錯誤の連続」と笑う。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2011年11月14日付 vol.1407より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは