小さくても機能満載! 片手で操るスマートフォン「Sony Ericsson mini」
イー・アクセスは、イー・モバイルブランドのスマートフォン新製品「Sony Ericsson mini(S51SE)」を、10月28日に発売した。この「mini」、手に取ると、まず、その名の通りの「小ささ」に驚く。しかも使ってみると、これがかなりの多機能。片手で操作できるスマートフォンという点でも画期的な一台だ。
「mini」はOSにAndroid 2.3を採用し、1GHzのCPUを搭載したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン。何より驚くのが、その「小ささ」。とにかくコンパクトで、「mini」を名乗るのはダテじゃない。4インチクラスの画面を備えたスマートフォンと比較すると、ひと目でその小ささがわかる。
サイズは、高さ88×幅52×厚さ16mmで、重さは約99g。なんと100gを切る軽さなのである。一般的なクレジットカードは高さ86mm×幅54mmなので、幅はクレジットカードよりも小さい。小さいことを形容するときに、よく“カードサイズ”とか“手のひらサイズ”などと表現するが、「mini」は“握ることができる”という表現が適切だろう。
これだけ小さいと、かえって操作しにくくなってしまうのではないか、と心配する人がいるかもしれない。正直、筆者も最初はそう思いながら手に取った。ところが、これはいい意味で裏切られた。片手だけで、もっというと。親指一本でサクサク操作できてしまうのである。
例えば、右手で持って、右手親指でホームボタンをプッシュ。ロック画面の鍵のアイコンを、親指でスライドしてロックを解除。ホーム画面を親指でフリック(タッチパネル上で指を払う、またはスライドさせる操作)して画面移動。お目当てのアプリのアイコンを、親指でタップして起動。画面上のソフトキーボードを、親指でタップ&フリックして文字入力――などなど、ほとんどすべての操作が親指一本でできてしまうのだ。
アップルのiPhoneによって定番化したスマートフォンの操作方法は、右利きの場合は左手で本体を握って、右手の人差し指で画面にタッチする、左利きの場合はその逆などと、片方の手で端末を握り、もう片方の端末で操作することが、万国共通の不文律の作法となっている。街でも電車のなかでも、スマートフォンの操作で両手がふさがっている人を目にする機会は、ますます増えてきている気がする。
一方、慣れ親しんできた携帯電話の操作方法は、片手で持って、その持っているほうの親指で操作するというのが、ごくごく当たり前だった。そういう意味では、まさしく携帯電話の片手親指操作をスマートフォンで実現してくれたのが、この「mini」といえる。
「mini」の親指一本での操作に大きく貢献しているのが、独自のユーザーインターフェースだ。まず、ホーム画面の四隅にあるウィジェットがとても便利。これは、アプリのランチャーのようなウィジェットで、一つの隅(半円)のなかに、アプリのショートカットを四つまで格納しておくことができる。
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半円部分をタップすると、拡大して表示してくれるので、そのなかの使いたいアプリをタップすれば起動する。ここまでの操作は、もちろん親指一本だけでOK。ホーム画面を左右にフリックして画面を切り換えても、この四隅のウィジェットは常に表示したままなので、よく使うアプリを4×4で計16個格納しておけば、5面ある画面のどこにいても、お目当てのアプリをすぐに起動して使うことができる。
また、スマートフォン「Xperia」シリーズで好評のインターフェースアプリ「Sony Ericsson Timescape」も搭載しているから、FacebookやTwitter、mixi、SMS、不在着信などは、親指一本でアプリを切り替えることなく利用することができる。
「mini」は、この小さな本体で、スマートフォンとしてだけでなく「Pocket WiFi」としても機能する。「mini」自身がモバイルWi-Fiルータになって、IEEE802.11b/g対応の無線LAN機器を最大5台まで同時にインターネットに接続する「テザリング」ができるのである。通信速度は、下り最大7.2Mbps、上り最大5.8Mbpsだ。
その「Pocket WiFi」の機能をワンタッチでオン・オフできるウィジェットが、あらかじめホーム画面に用意されているのは助かる。「設定」から「無線とネットワーク」を開いて、テザリング機能と、いちいち項目をたどって設定を変更する手間がかからない。外出先で、ノートPCやタブレット端末、携帯ゲーム機などをインターネットにつないで使うことが多い人は、間違いなく重宝するはずだ。「Pocket WiFi」での連続動作時間は、最大約4時間。しかし、親指のタップだけで簡単にテザリング機能のオン・オフができると、こまめな切り替えも苦にならないから、結果的にバッテリの節約にもつながる。
「mini」の画面サイズは約3インチで、最新の携帯電話と比べて決して広いとはいえない。しかし、解像度は480×320ドットで、実に1677万7216色を表示する。しかも、ソニーが液晶テレビで培ってきた「モバイルブラビアエンジン」を搭載しているので、ホーム画面でのアプリのアイコン表示や、テキスト表示はもちろんのこと、写真や動画もくっきり鮮やかに表現してくれる。
背面に搭載する約500万画素のオートフォーカスカメラは、手ブレ補正や顔検出、笑顔検出などの機能を備えている。残念ながら、ズームは光学式ではなく、デジタル式の約8倍なので、ズームするほど画質は落ちてしまうが、スマートフォンや携帯電話のカメラでは基本的にズームは使わないほうが賢明なので、デジタル式でも困るようなことはなかった。撮影した画像の印象は、割と原色に忠実な仕上がりのように感じられる。なお、自分撮りできる画面側インカメラは搭載していない。また動画の撮影は、1280×720ピクセルで最大30fpsのHD動画となる。
ちょっと困ったのは、筆者はけっこう手が大きいほうなので、「mini」を横向きに持って右手人差し指でシャッターを押す構え方をすると、左手がついレンズにかかりそうになったこと。また、意図せずに右手でバックキーやメニューキーを触ってしまうこともあった。ただ、普通サイズの手の持ち主か、あるいは女性のように手の小さな人なら、「mini」をカメラのようにして構えてもそうしたことにはならないだろう。
文字入力時のソフトキーボードは、携帯電話と同じテンキーと、PCと同じQWERTY配列キーの、どちらでも好みのスタイルを選べる。日本語変換エンジンには、ソニー・エリクソンの携帯電話でおなじみのPOBoxのタッチパネル対応版「POBox Touch 4.3」を搭載している。この変換エンジンがなかなか優秀で、最初の一文字を入力した時点で変換候補をズラリと表示し、文字を打ち込むごとに変換候補も変わっていく。過去の変換結果を参考に候補を表示してくれるので、一~二文字入力するだけで、すぐに意図していた変換候補が現れて文字入力が早く進む。限られた画面サイズでも、文字入力・変換はまったくストレスを感じなかった。
このほか、FMラジオ機能やGPS機能を備え、DLNA対応のデジタル機器に保存してある音楽・写真・動画をホームネットワーク経由で転送・再生できるDLNAサーバー機能にも対応している。未搭載の機能を強いて挙げるとするなら、ワンセグとFeliCa(おサイフケータイ)ぐらいだろうか。
本体カラーは、ブラック、ホワイトの2色。それぞれにダークブルーとダークピンクの交換式背面カバーが付属している。その日の気分によって、背面カバーを替えて楽しむことができるというのも、スマートフォンではまだ珍しいのではないだろうか。
気になる料金だが、スマートプラン「シンプルにねん+アシスト1200」契約の場合、3万9840円の端末代金はわずか100円で、月額利用料が4680円となる。スマートフォンとしてネットもメールも存分に使えて、さらに「Pocket WiFi」も追加料金なしで使えることを考えると、「mini」の料金プランはかなり魅力的だ。
スマートフォンとして持つのもいいし、「Pocket WiFi」としてPCや携帯ゲーム機などと一緒に持ち歩くのもいい。何しろ小さいから、カバンのなかでもポケットに入れても、まったくじゃまにならない。特に女性の手なら、持ち歩くのも操作するのも、このくらいのサイズがむしろちょうどいいのではないだろうか。(フリーライター・榎木夏彦)
小さくて多機能なスマートフォン「Sony Ericsson mini(S51SE)」
何しろ小さい! 手のひらに収まるカードサイズ以下
「mini」はOSにAndroid 2.3を採用し、1GHzのCPUを搭載したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン。何より驚くのが、その「小ささ」。とにかくコンパクトで、「mini」を名乗るのはダテじゃない。4インチクラスの画面を備えたスマートフォンと比較すると、ひと目でその小ささがわかる。
「Sony Ericsson mini(S51SE)」とアップルの「iPod touch」。
「iPod touch」の高さと幅はほぼ「iPhone」と同じだから、「mini」がいかに小さいかがわかる
「iPod touch」の高さと幅はほぼ「iPhone」と同じだから、「mini」がいかに小さいかがわかる
サイズは、高さ88×幅52×厚さ16mmで、重さは約99g。なんと100gを切る軽さなのである。一般的なクレジットカードは高さ86mm×幅54mmなので、幅はクレジットカードよりも小さい。小さいことを形容するときに、よく“カードサイズ”とか“手のひらサイズ”などと表現するが、「mini」は“握ることができる”という表現が適切だろう。
高さは「mini」のほうがわずかに大きいが、クレジットカードと並べるとほとんど変わらない
小さいからこそ片手でサクサク操作
これだけ小さいと、かえって操作しにくくなってしまうのではないか、と心配する人がいるかもしれない。正直、筆者も最初はそう思いながら手に取った。ところが、これはいい意味で裏切られた。片手だけで、もっというと。親指一本でサクサク操作できてしまうのである。
例えば、右手で持って、右手親指でホームボタンをプッシュ。ロック画面の鍵のアイコンを、親指でスライドしてロックを解除。ホーム画面を親指でフリック(タッチパネル上で指を払う、またはスライドさせる操作)して画面移動。お目当てのアプリのアイコンを、親指でタップして起動。画面上のソフトキーボードを、親指でタップ&フリックして文字入力――などなど、ほとんどすべての操作が親指一本でできてしまうのだ。
ほとんどすべての操作が親指一本でできてしまう
アップルのiPhoneによって定番化したスマートフォンの操作方法は、右利きの場合は左手で本体を握って、右手の人差し指で画面にタッチする、左利きの場合はその逆などと、片方の手で端末を握り、もう片方の端末で操作することが、万国共通の不文律の作法となっている。街でも電車のなかでも、スマートフォンの操作で両手がふさがっている人を目にする機会は、ますます増えてきている気がする。
一方、慣れ親しんできた携帯電話の操作方法は、片手で持って、その持っているほうの親指で操作するというのが、ごくごく当たり前だった。そういう意味では、まさしく携帯電話の片手親指操作をスマートフォンで実現してくれたのが、この「mini」といえる。
親指一本で何でもできる便利なウィジェット
「mini」の親指一本での操作に大きく貢献しているのが、独自のユーザーインターフェースだ。まず、ホーム画面の四隅にあるウィジェットがとても便利。これは、アプリのランチャーのようなウィジェットで、一つの隅(半円)のなかに、アプリのショートカットを四つまで格納しておくことができる。
ホーム画面の四隅にあるウィジェット
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半円部分をタップすると、拡大して表示してくれるので、そのなかの使いたいアプリをタップすれば起動する。ここまでの操作は、もちろん親指一本だけでOK。ホーム画面を左右にフリックして画面を切り換えても、この四隅のウィジェットは常に表示したままなので、よく使うアプリを4×4で計16個格納しておけば、5面ある画面のどこにいても、お目当てのアプリをすぐに起動して使うことができる。
半円部分をタップして拡大表示。ウィジェットには、よく使うアプリをそれぞれ四つまで格納しておける
また、スマートフォン「Xperia」シリーズで好評のインターフェースアプリ「Sony Ericsson Timescape」も搭載しているから、FacebookやTwitter、mixi、SMS、不在着信などは、親指一本でアプリを切り替えることなく利用することができる。
モバイルWi-Fiルータとしても使える
「mini」は、この小さな本体で、スマートフォンとしてだけでなく「Pocket WiFi」としても機能する。「mini」自身がモバイルWi-Fiルータになって、IEEE802.11b/g対応の無線LAN機器を最大5台まで同時にインターネットに接続する「テザリング」ができるのである。通信速度は、下り最大7.2Mbps、上り最大5.8Mbpsだ。
その「Pocket WiFi」の機能をワンタッチでオン・オフできるウィジェットが、あらかじめホーム画面に用意されているのは助かる。「設定」から「無線とネットワーク」を開いて、テザリング機能と、いちいち項目をたどって設定を変更する手間がかからない。外出先で、ノートPCやタブレット端末、携帯ゲーム機などをインターネットにつないで使うことが多い人は、間違いなく重宝するはずだ。「Pocket WiFi」での連続動作時間は、最大約4時間。しかし、親指のタップだけで簡単にテザリング機能のオン・オフができると、こまめな切り替えも苦にならないから、結果的にバッテリの節約にもつながる。
「Pocket WiFi」の機能をワンタッチでオン・オフできるウィジェットで簡単に「テザリング」
くっきり鮮やかな画面、カメラは500万画素
「mini」の画面サイズは約3インチで、最新の携帯電話と比べて決して広いとはいえない。しかし、解像度は480×320ドットで、実に1677万7216色を表示する。しかも、ソニーが液晶テレビで培ってきた「モバイルブラビアエンジン」を搭載しているので、ホーム画面でのアプリのアイコン表示や、テキスト表示はもちろんのこと、写真や動画もくっきり鮮やかに表現してくれる。
写真をくっきり鮮やかに表現
背面に搭載する約500万画素のオートフォーカスカメラは、手ブレ補正や顔検出、笑顔検出などの機能を備えている。残念ながら、ズームは光学式ではなく、デジタル式の約8倍なので、ズームするほど画質は落ちてしまうが、スマートフォンや携帯電話のカメラでは基本的にズームは使わないほうが賢明なので、デジタル式でも困るようなことはなかった。撮影した画像の印象は、割と原色に忠実な仕上がりのように感じられる。なお、自分撮りできる画面側インカメラは搭載していない。また動画の撮影は、1280×720ピクセルで最大30fpsのHD動画となる。
「Sony Ericsson mini(S51SE)」で撮影した写真。シーン認識オートで撮影し、加工はしていない
ちょっと困ったのは、筆者はけっこう手が大きいほうなので、「mini」を横向きに持って右手人差し指でシャッターを押す構え方をすると、左手がついレンズにかかりそうになったこと。また、意図せずに右手でバックキーやメニューキーを触ってしまうこともあった。ただ、普通サイズの手の持ち主か、あるいは女性のように手の小さな人なら、「mini」をカメラのようにして構えてもそうしたことにはならないだろう。
予測変換で文字入力はストレスなし
文字入力時のソフトキーボードは、携帯電話と同じテンキーと、PCと同じQWERTY配列キーの、どちらでも好みのスタイルを選べる。日本語変換エンジンには、ソニー・エリクソンの携帯電話でおなじみのPOBoxのタッチパネル対応版「POBox Touch 4.3」を搭載している。この変換エンジンがなかなか優秀で、最初の一文字を入力した時点で変換候補をズラリと表示し、文字を打ち込むごとに変換候補も変わっていく。過去の変換結果を参考に候補を表示してくれるので、一~二文字入力するだけで、すぐに意図していた変換候補が現れて文字入力が早く進む。限られた画面サイズでも、文字入力・変換はまったくストレスを感じなかった。
携帯電話と同じテンキー(左)とQWERTY配列キーを選べる
小さく軽いから女性にオススメ
このほか、FMラジオ機能やGPS機能を備え、DLNA対応のデジタル機器に保存してある音楽・写真・動画をホームネットワーク経由で転送・再生できるDLNAサーバー機能にも対応している。未搭載の機能を強いて挙げるとするなら、ワンセグとFeliCa(おサイフケータイ)ぐらいだろうか。
本体カラーは、ブラック、ホワイトの2色。それぞれにダークブルーとダークピンクの交換式背面カバーが付属している。その日の気分によって、背面カバーを替えて楽しむことができるというのも、スマートフォンではまだ珍しいのではないだろうか。
気になる料金だが、スマートプラン「シンプルにねん+アシスト1200」契約の場合、3万9840円の端末代金はわずか100円で、月額利用料が4680円となる。スマートフォンとしてネットもメールも存分に使えて、さらに「Pocket WiFi」も追加料金なしで使えることを考えると、「mini」の料金プランはかなり魅力的だ。
スマートフォンとして持つのもいいし、「Pocket WiFi」としてPCや携帯ゲーム機などと一緒に持ち歩くのもいい。何しろ小さいから、カバンのなかでもポケットに入れても、まったくじゃまにならない。特に女性の手なら、持ち歩くのも操作するのも、このくらいのサイズがむしろちょうどいいのではないだろうか。(フリーライター・榎木夏彦)