• ホーム
  • ライフスタイル
  • レシートから自動で支出を記録、家計簿の常識を覆すOCR搭載の「やさしく家計簿」を試した

レシートから自動で支出を記録、家計簿の常識を覆すOCR搭載の「やさしく家計簿」を試した

レビュー

2011/10/28 18:05

 お金を貯めるのに必要なのは、日々の支出をしっかりと管理して、ムダな部分を削ることだ。そのためには、家計簿をつけて管理するのがいい。しかし、「言うは易く行うは難し」ということわざがあるように、家計簿を毎日つけるのは意外と難しく、三日と続かず断念したという人は多いに違いない。かくいう筆者もその一人で、ものぐさな自分にぴったりの家計簿ソフトはないかと探してみた。そうやってたどり着いたのが、OCR(光学式文字認識)機能を使って支出を管理するという家計簿の常識を覆したメディアドライブの「やさしく家計簿 v.2.0」だ。

OCR機能をもつ「やさしく家計簿 v.2.0」

スキャンするだけで家計簿への入力が完了



 家計簿を諦める理由のほとんどが、「記録するのが面倒」ということだろう。筆者もそのクチだ。しかし、これから年末にかけては何かと物入りの季節。何となく減っていく財布のひもを締めるため、家計簿をつけなければならないと改めて感じた。しかし、これまでも、さまざまな方法で家計簿をつけてはみたけれど長くは続かない。何か最適なものはないかと思って探したところ、「やさしく家計簿 v.2.0」にたどり着いた。

 メディアドライブは、名刺管理ソフトをはじめとしたOCRソフトで知られるソフトウェアメーカー。「やさしく家計簿 v.2.0」は、そこで培った技術を駆使して開発した。最大の特徴は、スキャナでレシートを読み取るだけで、OCR機能で購入した品物や金額、店名などを自動で入力してくれて、支出を簡単に記録できてしまうところにある。

 さっそく実践しよう。使用するスキャナは、TWAIN機能に対応していればOK。もちろん複合プリンタのスキャナ機能を利用してもいい。今回は、エプソンの複合機「EP-804AR」を使った。

レシートを複合機のフラットベッドに設置

 まず、PCに「やさしく家計簿 v.2.0」をインストール。初期設定画面で、家計の締め日や締め月などを、自分の生活パターンに合わせて設定しよう。それが終わったら、いよいよ家計簿づくりのスタートだ。

 レシートの読取りは、驚くほど簡単。スキャナのフラットベッドにレシートをセットし、PC画面の「レシート読込」ボタンをクリックするとスキャンが始まる。読取りが完了すると、その内容の解析を開始し、5秒ほど待つとレシートに記載した品目や金額などをデータ化して表示する。あとは、スキャンした画像を見て、誤認識があったらその項目を修正し、費目や内訳をプルダウンメニューで選択するだけで完了だ。

設定が終わったら「読み込み開始」ボタンをクリック

 「やさしく家計簿 v.2.0」は、法人電話番号辞書を搭載し、レシートに記載してある電話番号から店名を自動で抽出してくれるので、お金を使った場所の管理がしやすい。データベースに登録していない店舗の場合は、自分で電話帳を作成して次回から自動で店舗名を呼び出すことができる。

レシートの認識結果。読取り精度は非常に高い

___page___

「バラバラ置き」で複数のレシートをまとめてスキャン



 「やさしく家計簿 v.2.0」は、「レシートのバラバラ置き対応」という機能も搭載し、スキャナのフラットベッドに置いた複数のレシートをまとめて読み取り、自動で各レシートとして切り取って集計することができる。この機能によって、1日に受け取ったレシートを一気に集計できて、家計簿の入力をさらに省力化してくれる。しかも、適当に並べるだけ。仕事や家事で疲れていたら、とりあえず、その日の分のレシートをスキャンしておき、あとでゆっくりと整理できて非常に楽だ。これなら気負うことなく家計簿を続けることができる。

レシートのバラバラ置きに対応

 バラバラ置きでスキャンする場合は、付属する黒のシートをかぶせてスキャンしよう。各レシートの区切りをはっきりさせることができる。また、同じく付属の「A4スキャンシート」を利用すると、曲がったレシートを伸ばして読取り精度がアップする。

「A4スキャンシート」を利用すると読取り精度が向上

 OCRソフトのメーカーとして伝統のあるメディアドライブのソフトだけに、読取り精度は非常に高いが、それでもすべてのレシートに対応しているわけではない。品名の前に数字やアルファベットで商品コードが挿入されている場合は、誤認識することがある。また、セール情報などのメッセージも、読取りを間違える原因になりやすい。

必要最小限な管理機能で初めての人にもオススメ



 「やさしく家計簿 v.2.0」は、その名の通り、やさしく家計簿をつけられる点がポイントになる。そのため、機能はシンプルで必要な項目だけを集めているといった印象だ。家賃や住宅ローンなどの決まった支出は、毎月自動で支出欄に計上して計算。支出に関しては、「月別」「日別」「入力明細」に分けることができる。銀行口座の残高を登録し、入出金の履歴を入力することも可能だ。

定期的な固定出費を自動で計上

 家計簿をつけるのに、基本中の基本にも関わらず最大のハードルとなる支出項目の入力作業。OCR機能を搭載する「やさしく家計簿 v.2.0」は、その手間を大きく軽減してくれる。レシートを適当にスキャナに置いてスキャンするだけなので、忙しい人でも負担にならない。「家計簿を始めたいが、毎日続ける自信がない……」という人の家計管理の味方になるだろう。

 今回は、ソフトウェア単体版を紹介したが、スキャナを持っていない人には、専用スキャナが付属した「やさしく家計簿 v.2.0 レシートリーダー付」もある。ソフトの内容は同じなので、自分の環境に合ったパッケージを選択しよう。(フリーライター・星政明)