<インタビュー・時の人>サムスンテレコムジャパン 端末営業部長 オウ チャンミン
国内スマートフォン市場が拡大するなかで、海外メーカーの勢いが増している。その代表が、「GALAXY」で一気にシェアを獲得しつつあるサムスンだ。サムスンテレコムジャパンの呉昌珉(オウ チャンミン)端末営業部長は、それでも「まだまだ知名度が低い」と現状に満足していない。消費者が納得する製品で顧客満足度を高めていきながら、オリジナリティのあるプロモーションで「GALAXY」を一気に広める──。「『ユーザーが増えるサイクル』をつくる」と話す呉部長に、その戦略を聞いた。(取材・文/佐相彰彦)
◎プロフィール
(オウ チャンミン)1965年、韓国釜山生まれ。95年から04年まで日本サムスンで勤務。05年、日本向け携帯ビジネスに携わる。09年5月、端末営業部長に就任。現在に至る。
顧客満足度を高めて「GALAXY」ブランドを浸透
Q. 「GALAXY S II SC-02C」をはじめ、サムスン製スマートフォンに対する市場の反応はどうか。
A. 「GALAXY S II SC-02C」は、6月23日の発売以降、キャリアや家電量販店がスマートフォンを代表するモデルの一つとして注目してくれている。そのおかげで、販売は非常に順調だ。多くの家電量販店で常に人気機種トップ3に入り、担当の店員さんからも「多くの来店者が手に取っている」との話を聞く。顧客満足度も高く、家電量販店が「売りやすいモデル」と認識している。
Q. キャリアや家電量販店とさらにパートナーシップを深めるために、何を行っていくのか。
A. 魅力のある製品を出し続けていくことに尽きる。付け加えるとすれば、発売後は人気に応えて十分に製品を提供できる出荷体制が重要だ。地道ではあるが、確実な取り組みによって、キャリアや家電量販店との信頼感を深め、お客様に満足していただこうと考えている。
Q. これからの国内スマートフォン市場をどうみているのか、見解を聞かせてほしい。
A. 昨年と比べて、多くの端末メーカーがスマートフォン市場に参入し、製品数は増えている。この状況は、まだまだ続くだろう。市場が拡大していくことは間違いない。
Q. 拡大傾向のなかで、どのような課題があるのか。
A. 「GALAXY」というブランドは、徐々にではあるが消費者に知られるようになってきた。しかし、当社は、日本では後発の端末メーカーで、まだまだ知名度が高いとはいえない。現状の知名度に満足することなく、さらにブランドを認知してもらう策を講じなければならない。
Q. その策とは?
A. 何よりも「GALAXY」をもっと多くの人に知ってもらい、興味をもってもらい、手にとってもらい、そして購入してユーザーになっていただく「サイクル」をつくることだ。そのためには、よい製品を出していくのはもちろんだが、プロモーションがポイントになってくる。一つの例が、7月15~17日の3日間にわたって行った、ユーザーのメッセージが宇宙に届く「Space Balloonプロジェクト」だ。これに合わせてキャンペーンも実施した。このように、オリジナリティのあるプロモーションで、製品を知っていただく活動を行っていかねばならない。
Q. ビジネスの目標は?
A. 売上規模など、数字は申し上げられないが、とにかく「GALAXY」を購入してくださったお客様が満足することが最も重要だ。ユーザーの満足は周囲の人に口コミで伝わり、必ず次の購入につながると確信している。加えて、プロモーションでブランドを知っていただく──ユーザーが増えていくサイクルづくりにチャレンジするのが当面の目標だ。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2011年10月3日付 vol.1401より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは
◎プロフィール
(オウ チャンミン)1965年、韓国釜山生まれ。95年から04年まで日本サムスンで勤務。05年、日本向け携帯ビジネスに携わる。09年5月、端末営業部長に就任。現在に至る。
顧客満足度を高めて「GALAXY」ブランドを浸透
「ユーザーが増えるサイクル」をつくる
Q. 「GALAXY S II SC-02C」をはじめ、サムスン製スマートフォンに対する市場の反応はどうか。
A. 「GALAXY S II SC-02C」は、6月23日の発売以降、キャリアや家電量販店がスマートフォンを代表するモデルの一つとして注目してくれている。そのおかげで、販売は非常に順調だ。多くの家電量販店で常に人気機種トップ3に入り、担当の店員さんからも「多くの来店者が手に取っている」との話を聞く。顧客満足度も高く、家電量販店が「売りやすいモデル」と認識している。
サムスンテレコムジャパンの呉昌珉(オウ チャンミン)端末営業部長
Q. キャリアや家電量販店とさらにパートナーシップを深めるために、何を行っていくのか。
A. 魅力のある製品を出し続けていくことに尽きる。付け加えるとすれば、発売後は人気に応えて十分に製品を提供できる出荷体制が重要だ。地道ではあるが、確実な取り組みによって、キャリアや家電量販店との信頼感を深め、お客様に満足していただこうと考えている。
Q. これからの国内スマートフォン市場をどうみているのか、見解を聞かせてほしい。
A. 昨年と比べて、多くの端末メーカーがスマートフォン市場に参入し、製品数は増えている。この状況は、まだまだ続くだろう。市場が拡大していくことは間違いない。
Q. 拡大傾向のなかで、どのような課題があるのか。
A. 「GALAXY」というブランドは、徐々にではあるが消費者に知られるようになってきた。しかし、当社は、日本では後発の端末メーカーで、まだまだ知名度が高いとはいえない。現状の知名度に満足することなく、さらにブランドを認知してもらう策を講じなければならない。
Q. その策とは?
A. 何よりも「GALAXY」をもっと多くの人に知ってもらい、興味をもってもらい、手にとってもらい、そして購入してユーザーになっていただく「サイクル」をつくることだ。そのためには、よい製品を出していくのはもちろんだが、プロモーションがポイントになってくる。一つの例が、7月15~17日の3日間にわたって行った、ユーザーのメッセージが宇宙に届く「Space Balloonプロジェクト」だ。これに合わせてキャンペーンも実施した。このように、オリジナリティのあるプロモーションで、製品を知っていただく活動を行っていかねばならない。
Q. ビジネスの目標は?
A. 売上規模など、数字は申し上げられないが、とにかく「GALAXY」を購入してくださったお客様が満足することが最も重要だ。ユーザーの満足は周囲の人に口コミで伝わり、必ず次の購入につながると確信している。加えて、プロモーションでブランドを知っていただく──ユーザーが増えていくサイクルづくりにチャレンジするのが当面の目標だ。
・Turning Point
米国市場を担当していたとき、日本市場を兼任のかたちでみることになった。半年間の期限付きだったが、半年が過ぎたとき、日本法人への転任を命じられた。1995年2月のことだ。「日本のことをまったく知らなかった」と振り返る。日本の文化や風習を覚えながら、日本でのビジネス拡大に力を注ぐ日々。「死ぬ覚悟で臨まなければ」と、無我夢中だったという。
自分にとって、あたりまえになった「知らないからこそ、何にでもチャレンジする」という姿勢は、いま、サムスンテレコムジャパンにも根付きはじめている。
米国市場を担当していたとき、日本市場を兼任のかたちでみることになった。半年間の期限付きだったが、半年が過ぎたとき、日本法人への転任を命じられた。1995年2月のことだ。「日本のことをまったく知らなかった」と振り返る。日本の文化や風習を覚えながら、日本でのビジネス拡大に力を注ぐ日々。「死ぬ覚悟で臨まなければ」と、無我夢中だったという。
自分にとって、あたりまえになった「知らないからこそ、何にでもチャレンジする」という姿勢は、いま、サムスンテレコムジャパンにも根付きはじめている。
※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2011年10月3日付 vol.1401より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは