iPod nano、iPad 2&Smart Cover……どの色が人気? アップル製品いろいろ色ランキング
2001年11月の初代iPodの発売から、今年11月で10年になる。最近は、アップルというとiPhoneやiOSの印象が強いが、いやいやどうしてiPodも売れ続けている。現行のiPhone 4とiPad 2はブラックとホワイトの2色、第6世代iPod nanoは全7色、第4世代iPod shuffleは全5色のカラーバリエーションがある。今回は、家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、iPod nano、iPod shuffle、iPad 2とその専用カバー「iPad Smart Cover」について、それぞれカラー別ランキングを集計。人気の色を調べた。
集計期間は、携帯オーディオプレーヤーの第6世代iPad nano、第4世代iPod shuffleが2010年9月から2011年7月までの10か月間、iPad 2とSmart Coverは2011年4月から7月までの4か月間。なお、iPad nano、Smart CoverのApple Store限定カラー「(PRODUCT) RED」は、「BCNランキング」の集計対象店では販売していないため、含んでいない。また、iPhone 4は色別の販売台数を集計していないため、今回の企画からは除外した。
まずは、10年9月発売のカラフルな第6世代iPod nanoからみていこう。1位は、シェア26.3%でピンクだった。以下、ブルー(18.3%)、グラファイト(18.2%)、シルバー(14.8%)、オレンジ(12.3%)、グリーン(10.1%)と続く。1位と2位は7.9ポイントもの差があり、量販店で販売している6色のなかではピンクがダントツの人気だ。
1世代前、09年9月発売の第5世代iPod nanoの今年7月までの累計販売台数も、ピンクが一番多い。モデルチェンジでクリックホイールを廃止し、真四角のボディにマルチタッチ液晶を搭載するなど、デザインは大きく変わったものの、人気のカラーは変わっていない。しかし、08年9月発売の第4世代iPod nanoまで遡ると、ピンク、ブラック、シルバーがわずか1.3ポイント差で横並びとなっており、ここ3年ほどの間にピンクの比率が高まってきたことがわかる。
日本では、iPod nanoは初代から09年9月に発売した第5世代モデルまで、iPodシリーズのなかで一番販売台数の多い主力機種だった。しかし、現在は、iOSを搭載し、電話機能のないiPhoneともいえるiPod touchに次ぐ二番手となっている。ピンクは一般的に女性が好む色。現在のiPod nanoは、女性や女性へのプレゼントとして多く購入されているようだ。
一方、iPod shuffleは、男女問わず使えるシルバーがシェア28.8%で1位だった。2位・3位にはわずか0.5ポイントの僅差でピンク、ブルーが並んだ。トップ3まではシェア20%台で、残り2色は10%台と、やや差が開いている。
10年9月から11年7月までの10か月間に販売されたiPodシリーズの製品ブランド別内訳を集計すると、iPod touchが44.7%、iPod nanoが37.7%、iPod shuffleが11.6%、iPod classic・その他が6.0%となり、iPod touchが5割近くを占める。iPodシリーズ全体の販売台数は、iPod nanoの大幅な販売台数減が響き、昨年9月以降、前年同月比62.8%~87.1%と前年割れが続いている。
今年に入って前年同月比31.0%~42.8%と低迷しているiPod nanoに対し、iPod touchは、前年同月比116.5%~200.7%と好調だ。iPod nanoの前年同月比の数値が最も低かった11年3月でも、iPod touchは前年同月比140.1%と、前年の4割増の売れ行きを記録した。販売台数そのものは少ないものの、iPod shuffleも、前年同月比124.0%~173.9%と、前年を上回っている。
既報の通り、10年12月に「ウォークマン」シリーズのソニーが、アップルに代わって携帯オーディオプレーヤーのメーカー別月間販売台数1位を獲得して以来、ソニーがシェア50%超で1位、アップルが2位という状況が続いている。販売動向のデータを見る限り、シェア逆転の最大の要因は、モデルチェンジ以降のiPod nanoの人気低下といわざるを得ない。とはいえ、今やiPodファミリーはiPod touchがメインであり、iPod nanoからスマートフォンのiPhoneに買い替えた人も多いとみられる。携帯オーディオの枠組みに限ったデータでのシェアは、もはや重要ではないようだ。
今年1月~7月のメーカー別販売台数シェアは、ソニーが52.1%、アップルが40.8%。このままだと、携帯オーディオ部門でのアップルの8年連続年間メーカー別販売台数シェアNo.1獲得は危うい。この状況を打破するには、魅力的な新製品の発売や大幅な値下げしかない。9月にもiPhoneの新製品が発表されると噂されるなか、果たして新しいiPodはどうなるだろうか?
続いて、2世代目となるiPad 2のカラー別シェアを紹介しよう。4月28日から発売3日間の集計では、ホワイトが52.8%、ブラックが47.2%で、ホワイトのほうが多く売れていたが、4月~7月までの4か月間の累計では、ブラックが50.4%、ホワイトが49.6%となり、ブラックが逆転した。ただ、差はわずかで、ほぼ半々といっていい。
ちなみに、メモリ容量・色ごとに別々にカウントした機種別では、iPad 2 Wi-Fi 16GBモデル「MC769J/A」がNo.1だった。3G/Wi-Fiのタイプ別では、回線契約がいらないWi-Fモデルが全体の8割近い77.4%を占め、容量別では、Wi-Fiモデルは16GB(36.8%)、64GB(32.1%)、32GB(31.1%)、Wi-Fi + 3Gモデルは64GB(45.2%)、32GB(31.3%)、16GB(23.5%)と、タイプによって売れ筋が異なっている。
iPad 2専用の純正カバー「iPad Smart Cover」は、日本の家庭でよく使われている「お風呂のフタ」に色も形もそっくりなブルー(水色)の印象が強いが、量販店で販売されている9色のうち、1位はシェア22.1%でポリウレタン製のグレイだった。以下、ブルー(17.5%)、ブラック(13.9%)、オレンジ(11.7%)と続く。iPod nanoでは1位だったピンクは、色味が異なるせいか、あまり人気がなく、ポリウレタン製では最下位の6位だった。
タイプ別に集計すると、革製に比べ、3000円安いポリウレタン製のほうが販売数が多く、3位のブラックを除き、上位はすべてポリウレタン製が占めた。期間中のSmart Coverの販売数は、iPad 2の販売台数の62.5%。単純に比較すると、iPad 2本体の購入者の約6割がSmart Coverをセットで購入した計算になる。
アップル製品に限らず、携帯電話・スマートフォン、ノートPC、デジタルカメラ、マウスなど、カラーバリエーションが豊富なデジタル製品は多い。色で迷うのも、デジタル製品選びの楽しみの一つだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
カラフルな第6世代iPod nanoと第4世代iPod shuffle(下段左)
集計期間は、携帯オーディオプレーヤーの第6世代iPad nano、第4世代iPod shuffleが2010年9月から2011年7月までの10か月間、iPad 2とSmart Coverは2011年4月から7月までの4か月間。なお、iPad nano、Smart CoverのApple Store限定カラー「(PRODUCT) RED」は、「BCNランキング」の集計対象店では販売していないため、含んでいない。また、iPhone 4は色別の販売台数を集計していないため、今回の企画からは除外した。
iPod nanoはピンク、iPod shuffleはシルバーが人気
まずは、10年9月発売のカラフルな第6世代iPod nanoからみていこう。1位は、シェア26.3%でピンクだった。以下、ブルー(18.3%)、グラファイト(18.2%)、シルバー(14.8%)、オレンジ(12.3%)、グリーン(10.1%)と続く。1位と2位は7.9ポイントもの差があり、量販店で販売している6色のなかではピンクがダントツの人気だ。
順位 | 色 | 型番 | 販売台数 シェア(%) |
1 | ピンク | MC692J/A、MC698J/A | 26.3 |
2 | ブルー | MC689J/A、MC695J/A | 18.3 |
3 | グラファイト | MC688J/A、MC694J/A | 18.2 |
4 | シルバー | MC525J/A、MC526J/A | 14.8 |
5 | オレンジ | MC691J/A、MC697J/A | 12.3 |
6 | グリーン | MC690J/A、MC696J/A | 10.1 |
※色別に合算、Apple Store限定カラーを除く
「BCNランキング」 月次合算<最大パネル>
1世代前、09年9月発売の第5世代iPod nanoの今年7月までの累計販売台数も、ピンクが一番多い。モデルチェンジでクリックホイールを廃止し、真四角のボディにマルチタッチ液晶を搭載するなど、デザインは大きく変わったものの、人気のカラーは変わっていない。しかし、08年9月発売の第4世代iPod nanoまで遡ると、ピンク、ブラック、シルバーがわずか1.3ポイント差で横並びとなっており、ここ3年ほどの間にピンクの比率が高まってきたことがわかる。
順位 | 色 | 販売台数 シェア(%) |
1 | ピンク | 24.1 |
2 | ブラック | 17.0 |
3 | ブルー | 14.7 |
4 | シルバー | 14.6 |
5 | パープル | 11.3 |
6 | オレンジ | 10.8 |
7 | グリーン | 7.5 |
順位 | 色 | 販売台数 シェア(%) |
1 | ピンク | 17.9 |
2 | ブラック | 17.0 |
3 | シルバー | 16.6 |
4 | ブルー | 12.4 |
5 | パープル | 10.9 |
6 | オレンジ | 9.5 |
7 | グリーン | 9.2 |
8 | イエロー | 6.4 |
※色別に合算、Apple Store限定カラーを除く
「BCNランキング」 月次合算<最大パネル>
日本では、iPod nanoは初代から09年9月に発売した第5世代モデルまで、iPodシリーズのなかで一番販売台数の多い主力機種だった。しかし、現在は、iOSを搭載し、電話機能のないiPhoneともいえるiPod touchに次ぐ二番手となっている。ピンクは一般的に女性が好む色。現在のiPod nanoは、女性や女性へのプレゼントとして多く購入されているようだ。
第5世代iPod nanoとは大きくデザインが変わった第6世代iPod nano(ピンク)
一方、iPod shuffleは、男女問わず使えるシルバーがシェア28.8%で1位だった。2位・3位にはわずか0.5ポイントの僅差でピンク、ブルーが並んだ。トップ3まではシェア20%台で、残り2色は10%台と、やや差が開いている。
順位 | 色 | 型番 | 販売台数 シェア(%) |
1 | シルバー | MC584J/A | 28.8 |
2 | ピンク | MC585J/A | 22.8 |
3 | ブルー | MC751J/A | 22.4 |
4 | グリーン | MC750J/A | 13.3 |
5 | オレンジ | MC749J/A | 12.6 |
「BCNランキング」 月次合算<最大パネル>
第4世代iPod shuffleはシルバー(一番左)、ピンク、ブルーの順に人気
iPodシリーズ全体の販売台数は前年割れ、iPod nanoの落ち込みが響く
10年9月から11年7月までの10か月間に販売されたiPodシリーズの製品ブランド別内訳を集計すると、iPod touchが44.7%、iPod nanoが37.7%、iPod shuffleが11.6%、iPod classic・その他が6.0%となり、iPod touchが5割近くを占める。iPodシリーズ全体の販売台数は、iPod nanoの大幅な販売台数減が響き、昨年9月以降、前年同月比62.8%~87.1%と前年割れが続いている。
今年に入って前年同月比31.0%~42.8%と低迷しているiPod nanoに対し、iPod touchは、前年同月比116.5%~200.7%と好調だ。iPod nanoの前年同月比の数値が最も低かった11年3月でも、iPod touchは前年同月比140.1%と、前年の4割増の売れ行きを記録した。販売台数そのものは少ないものの、iPod shuffleも、前年同月比124.0%~173.9%と、前年を上回っている。
既報の通り、10年12月に「ウォークマン」シリーズのソニーが、アップルに代わって携帯オーディオプレーヤーのメーカー別月間販売台数1位を獲得して以来、ソニーがシェア50%超で1位、アップルが2位という状況が続いている。販売動向のデータを見る限り、シェア逆転の最大の要因は、モデルチェンジ以降のiPod nanoの人気低下といわざるを得ない。とはいえ、今やiPodファミリーはiPod touchがメインであり、iPod nanoからスマートフォンのiPhoneに買い替えた人も多いとみられる。携帯オーディオの枠組みに限ったデータでのシェアは、もはや重要ではないようだ。
今年1月~7月のメーカー別販売台数シェアは、ソニーが52.1%、アップルが40.8%。このままだと、携帯オーディオ部門でのアップルの8年連続年間メーカー別販売台数シェアNo.1獲得は危うい。この状況を打破するには、魅力的な新製品の発売や大幅な値下げしかない。9月にもiPhoneの新製品が発表されると噂されるなか、果たして新しいiPodはどうなるだろうか?
iPad 2はブラック/ホワイトが拮抗 Smart Coverはシンプルなグレイが人気
続いて、2世代目となるiPad 2のカラー別シェアを紹介しよう。4月28日から発売3日間の集計では、ホワイトが52.8%、ブラックが47.2%で、ホワイトのほうが多く売れていたが、4月~7月までの4か月間の累計では、ブラックが50.4%、ホワイトが49.6%となり、ブラックが逆転した。ただ、差はわずかで、ほぼ半々といっていい。
順位 | 色 | 主な該当製品の型番 | 販売台数 シェア(%) |
1 | ブラック | MC769J/A、MC775J/A | 50.4 |
2 | ホワイト | MC979J/A、MC983J/A | 49.6 |
※タイプ、容量を区別せずに色別に合算
「BCNランキング」 月次合算<最大パネル>
ちなみに、メモリ容量・色ごとに別々にカウントした機種別では、iPad 2 Wi-Fi 16GBモデル「MC769J/A」がNo.1だった。3G/Wi-Fiのタイプ別では、回線契約がいらないWi-Fモデルが全体の8割近い77.4%を占め、容量別では、Wi-Fiモデルは16GB(36.8%)、64GB(32.1%)、32GB(31.1%)、Wi-Fi + 3Gモデルは64GB(45.2%)、32GB(31.3%)、16GB(23.5%)と、タイプによって売れ筋が異なっている。
iPad 2のホワイト(中央)と全10色のiPad Smart Cover
iPad 2専用の純正カバー「iPad Smart Cover」は、日本の家庭でよく使われている「お風呂のフタ」に色も形もそっくりなブルー(水色)の印象が強いが、量販店で販売されている9色のうち、1位はシェア22.1%でポリウレタン製のグレイだった。以下、ブルー(17.5%)、ブラック(13.9%)、オレンジ(11.7%)と続く。iPod nanoでは1位だったピンクは、色味が異なるせいか、あまり人気がなく、ポリウレタン製では最下位の6位だった。
順位 | 型番 | 色 | タイプ | 販売台数 シェア(%) |
1 | MC939ZM/A | グレイ | ポリウレタン | 22.1 |
2 | MC942ZM/A | ブルー | ポリウレタン | 17.5 |
3 | MC947ZM/A | ブラック | 革 | 13.9 |
4 | MC945ZM/A | オレンジ | ポリウレタン | 11.7 |
5 | MC944ZM/A | グリーン | ポリウレタン | 11.4 |
6 | MC941ZM/A | ピンク | ポリウレタン | 9.5 |
7 | MC949ZM/A | ネイビー | 革 | 5.3 |
8 | MC952ZM/A | クリーム | 革 | 5.0 |
9 | MC948ZM/A | タン | 革 | 3.7 |
※Apple Store限定カラーの「(PRODUCT) RED」を除く
「BCNランキング」 月次合算<最大パネル>
タイプ別に集計すると、革製に比べ、3000円安いポリウレタン製のほうが販売数が多く、3位のブラックを除き、上位はすべてポリウレタン製が占めた。期間中のSmart Coverの販売数は、iPad 2の販売台数の62.5%。単純に比較すると、iPad 2本体の購入者の約6割がSmart Coverをセットで購入した計算になる。
材質によって価格の異なるSmart Cover。
ポリウレタン製(上)は3980円と手頃だが、革製(下)は6980円と、iPadケースとしてはやや高価だ
ポリウレタン製(上)は3980円と手頃だが、革製(下)は6980円と、iPadケースとしてはやや高価だ
アップル製品に限らず、携帯電話・スマートフォン、ノートPC、デジタルカメラ、マウスなど、カラーバリエーションが豊富なデジタル製品は多い。色で迷うのも、デジタル製品選びの楽しみの一つだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。