思い出の写真を残そう! デジカメ画像のプリントにオススメの「画彩」

レビュー

2011/07/29 10:53

 夏休み、デジタル一眼カメラを持ってレジャーや旅行に出かけて、家族や友人、思い出に残る風景を写真に収める機会も多いことだろう。ところで、撮った写真はどうしているだろうか。PCに取り込んで、モニタで見ているだけでは味気ない。手にとって、いつでも見られるプリントにしよう。プリントにすれば、モニタでは気づかなかったその写真の真価がきっと発見できる。そして、そんな一枚をプリントするときは、用紙にもこだわってほしい。オススメは、富士フイルムの写真プリンタ用紙「画彩」だ。

富士フイルムの「画彩」

プリンタ用紙で変わる写真のクオリティと印象



 写真プリントのクオリティを左右する要素は、撮影する“腕”は別として、大きく二つある。一つはプリンタ。もう一つは用紙だ。プリンタについては、そう簡単に買い替えや買い増しをしないだろうから、とりあえず家に今あるものを使うことになる。これに対して、金銭的な負担も少なく、すぐにクオリティを高めることができるのが、用紙を変えることだ。

 写真をプリントするとき、多くの人はプリンタメーカーの純正用紙を使っているのではないだろうか。確かに、メーカーの純正用紙はそのプリンタやメーカーの純正インクに適している。それはそれで間違いないのだが、写真を鑑賞用の作品に仕上げたいときは、用紙を変えるだけで、写真の雰囲気が大きく変わることをぜひ知っておいてほしい。

 カメラ系の家電量販店では、プリンタメーカー以外のメーカーが販売する用紙も多く陳列している。なかには、コントラストの高い発色の鮮やかなカラー写真を表現するのに適した用紙や、モノクロ写真の落ち着いた深みのあるトーンとグレーの豊かな階調を再現できる用紙など、プリンタメーカーの純正用紙にはないサイズや品質の用紙もある。

 自分の写真を表現するのに適した用紙を探してみるのも、写真プリントの楽しみの一つだ。いつも使っているプリンタでも、用紙を変えると驚くほど違った印象の写真になる。ぜひ実感してほしい。

「画彩」シリーズはラインアップも豊富



 さまざまな用紙があるなかで、デジタル一眼カメラで撮った写真で一度使ってみることをオススメするのが、富士フイルムの「画彩」シリーズだ。フィルムカメラの時代から、長年にわたってプリントに携わってきただけあって、そのクオリティは群を抜いている。 

 用紙サイズが豊富なのも、「画彩」シリーズの魅力だ。A4サイズやA3ノビなど、大きくプリントするほど写真としての見栄えがよく、作品として鑑賞したときの感動も大きくなる用紙が揃っているのだ。もちろん、大きくプリントせずに手頃なサイズで楽しみたい人のために、ハガキサイズやKGサイズもラインアップしている。

デジタル一眼にぴったりのハガキサイズとKGサイズ



 自宅のプリントでも写真店にプリントを依頼する場合でも、扱い慣れた89×127mmのLサイズでプリントしている人が多いだろう。自分でデジタル写真をプリントするなら、第一歩はこのサイズをちょっと大きくすることから始めたい。ハガキサイズは100×148mm、KGサイズは102mm×152mm。L版よりもひと回り大きく、127×178mmの2Lサイズまでは大きくないという、何かと扱いやすくて絶妙な大きさだ。 

 実は、デジタル一眼カメラで撮った写真は、ハガキサイズやKGサイズと相性がいい。というのも、APS-Cサイズや35mmフルサイズのイメージセンサを搭載しているデジタル一眼カメラは、一部のメーカーを除いて、標準だとアスペクト比が3:2の画像。この3:2の画像と、ハガキサイズやKGサイズのアスペクト比が合っているのだ。 

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 デジタル一眼カメラで撮った写真を、トリミングせずに、しかも画像の周囲にフチを残してハガキサイズやKGサイズの用紙にプリントすると、ちょうど天地左右にできるフチの幅が揃っていて、写真を鑑賞するときになかなかいい感じになる。

 実際に、「画彩」シリーズのハガキサイズやKGサイズでプリントしたので、ご紹介しよう。

 撮影で使ったデジタルカメラは、富士フイルムのプレミアムコンパクトカメラ「FinePix X100」。APS-Cサイズのイメージセンサを搭載し、デジタル一眼カメラと同じくアスペクト比3:2で撮影することができる。実際、撮影したものをフチあり・トリミングなしでハガキサイズにプリントすると、白フチの天地左右が均等でぴったりと収まった。

「画彩」の写真仕上げPro・超光沢・厚手・ハガキサイズに、フチあり・ノートリミングでプリント

 同じく「画彩」の写真仕上げPro・超光沢・厚手・ハガキサイズに、フチなしでプリントした。フチなしだと勝手にトリミングされて、短辺側(横位置だと天地方向)の元画像がかなりカットされてしまった。

フチなしでハガキサイズにプリント

 「画彩」写真仕上げ・光沢プレミアム・KGサイズに、フチあり・ノートリミングでプリントした。用紙サイズに対して画像の長辺側がわずかに短いが、3:2の画像をノートリミングでプリントするには、KGサイズも理想的といえる。

KGサイズにフチありのノートリミングでプリント

 今度は、同じ画像をプリンタメーカー純正の用紙(写真用紙・光沢・KGサイズ)にプリントした。「画彩」のほうが、わずかながら鮮やかな感じがする。また、暗部の締まりも「画彩」のほうが勝っており、メリハリのある画像になっている。

「画彩」でプリントした写真(左)とプリンタメーカー純正の用紙でプリントした写真
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コンパクトデジカメの写真プリントだと余白が残る



 試しに、アスペクト比が4:3の画像もプリントした。4:3の画像は、コンパクトデジカメや、オリンパスとパナソニックなどのミラーレス一眼で標準の比率だ。

 「画彩」写真仕上げPro・超光沢・厚手・ハガキサイズに、4:3の画像をフチあり・ノートリミングでプリントすると、用紙サイズに対して画像の長辺側が短く、横位置の場合は左右に余白ができる。なお、余白部分がわかりやすいようにグレーでプリントしている。

ハガキサイズに4:3の画像をフチあり・ノートリミングでプリント

 また、同じ画像を「画彩」写真仕上げ・光沢プレミアム・KGサイズに、4:3の画像をフチあり・ノートリミングでプリントした。用紙サイズに対して、画像の長辺側がかなり短いので、横位置の場合は左右にかなり余白ができてしまう。

KGサイズに4:3の画像をフチあり・ノートリミングでプリント

プリントサイズとしてやや物足りないLサイズ



 では、プリンタ用紙がひと回り小さいLサイズだと、どうなるだろうか。これもアスペクト比3:2と4:3それぞれの画像で試した。

 「画彩」写真仕上げPro・超光沢・厚手・Lサイズに、アスペクト比率3:2の画像をフチあり・ノートリミングでプリントすると、用紙サイズに対して画像の短辺側がわずかに短いが、ほぼ天地左右が同じくらいのフチになる。

Lサイズに3:2の画像をフチあり・ノートリミングでプリント

 4:3の画像をフチあり・ノートリミングでプリントすると、用紙サイズに対して画像の長辺側が短く、横位置では左右方向にかなり余白ができてしまう。

4:3の画像はかなり余白ができる

 ほぼ天地左右が同じくらいのフチになるため、3:2の画像であればLサイズでもいいかと思うかもしれないが、ハガキサイズやKGサイズと比較してしまうと、やはり見劣りする。
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プリントした写真を「鑑賞」すれば新たな発見がある



 非純正の用紙には、さらに高価な用紙も存在するが、そこまで出費しなくても、手頃な価格の「画彩」シリーズで、十分に「作品」としての鑑賞に足る写真プリントが可能だとわかった。しかも、ハガキサイズやKGサイズは、デジタル一眼カメラの画像をプリントするには最適なサイズということも改めて確認できた。

 今回、フチありでプリントしたのは、ノートリミングでプリントできるからである。やはり、撮った画像をあとからトリミングして写真にするのではなく、撮った画像そのままを100%プリントするほうが、写真プリントとしてふさわしいと考える。フチなしプリントよりもフチを残すほうが、「写真」という感じがするからだ。

 せっかく写真プリントしたのなら、しまい込んでおくのはもったいない。写真立てに入れて飾ったり、アルバムにまとめたりしよう。生活のなかにいつも写真があると、また楽しさも変わってくる。

ウッド調の写真立ては、ぬくもりがあって、素朴な印象を与えてくれるのが魅力

アクリル製の写真立ては、スタイリッシュで涼やかな印象。夏の写真を飾るにはぴったりだ

 アルバムにまとめる作業は、単なる記憶の追体験というだけでなく、そのとき、その場所で感じていなかった想いを発見する。撮った日付通りにアルバムに整理する必要はない。むしろ、写真をもとに新しい物語を再構成するような気持ちで、プリントした写真の並び方を考えていくと、写真を撮る目を養うことにもつながる。プリントの楽しみは、どんどん広がっていくのだ。

プリントした写真をアルバムに貼って整理すると新しい発見が生まれることも

 富士フイルムのプリンタ用紙「画彩」シリーズで、ぜひプリントした写真の楽しさを味わってほしい。(フリーライター・榎木夏彦)