2011年5月のデジタル一眼ランキング、ニコン「D3100」が2か月ぶりにトップ
今年に入って、レンズ交換式デジタルカメラ(デジタル一眼カメラ、デジイチ)の販売台数の7割弱を占める「デジタル一眼レフ」はキヤノンとニコンの2社、残りの3割強を占める「ミラーレス一眼」はオリンパス、ソニー、パナソニックの3社が熾烈なシェア争いを繰り広げている。ここでは、毎月恒例の月間ランキングとともに、タイプごとのメーカー別シェアをご紹介しよう。
量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、ボディカラーや付属レンズの違いを合算したレンズ交換式デジタルカメラの2011年5月のシリーズ別販売台数1位は、昨年9月発売のニコンのデジタル一眼レフ「D3100」だった。シェアは12.8%。2位の「EOS Kiss X5」には2.8ポイント、3位の「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」には6.4ポイントもの差をつけ、2011年3月以来、2か月ぶり2度目のトップに輝いた。
「D3100」は、ニコンDXフォーマット(APS-C相当)を採用した有効1420万画素のエントリーモデル。3種類のラインアップのうち、5月はボディに標準ズームレンズと超望遠ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」が付属するダブルズームキット(67.8%)、標準ズームレンズ1本が付属するレンズキット(31.0%)、ボディ単体(1.2%)の順に販売台数が多かった。同じニコンからは、トップ10内に、横開き式のバリアングル液晶モニタを採用した「D5100」と、上位機種「D7100」の計3機種が入っている。
前月1位だったキヤノンの「EOS Kiss X4」は4位に後退。シェアは前月の11.4%から6.3%にダウンし、人気はバリアングル液晶モニタを搭載した今年3月発売の後継機「EOS Kiss X5」に移りつつある。この「EOS Kiss X5」は、順調に販売台数を伸ばし、前月の5位から2位へ順位を上げ、シェアも6.6%から10.0%へと大幅に伸びている。
デジタル一眼レフカメラに限ってメーカーごとに2011年1~5月の累計販売台数を集計すると、1位はキヤノン(43.3%)、2位はニコン(40.5%)、3位はPENTAXブランドのHOYA(7.5%)となり、上位2社だけで全体の8割以上を占める。従来通り、2強の寡占状態といっていいだろう。
同様に、現在3社が参入している小型・軽量ボディが特徴の「ミラーレス一眼」に限って集計すると、オリンパス(37.95%)、ソニー(32.02%)、パナソニック(30.03%)がシェア30%台で拮抗している。2010年の年間では、パナソニック(38.7%)、ソニー(32.2%)、オリンパス(29.1%)の順だったが、2011年はオリンパスのシェアが拡大している。特に5月はシェア46.1%と、他の2社を大きく引き離していた。
タイプごとに分けず、レンズ交換式デジタルカメラ全体で集計すると、キヤノン(29.3%)、ニコン(27.4%)、ソニー(15.0%)、オリンパス(12.7%)、パナソニック(9.7%)の順となり、ミラーレス陣営が加わるため、上位2社のシェアの合計は6割未満に下がる。なお、5月単月では、ニコンがシェア28.7%でキヤノンを2.3ポイント上回り、トップだった。
2011年1~5月のレンズ交換式デジタルカメラ全体の累計販売台数に占めるミラーレス一眼の割合は32.3%。月次集計では、2010年11月以降、30%台で推移しており、5月は31.5%と、4月の31.0%から若干上がった。
6月に入って、ソニーとパナソニックは、ミラーレス一眼の新機種を相次いで発表した。発売日は、ソニーの「NEX-C3」が6月24日、パナソニックの「LUMIX DMC-GF3」「LUMIX DMC-G3」が7月8日の予定。いずれも6月、7月のランキングでは上位に食い込んでくるだろう。さらに、HOYAは、新開発の「Qマウント」を採用した初のミラーレス一眼「PENTAX Q」を発表した。これら新製品の売れ行きによっては、ミラーレス一眼の割合が一気に高まり、デジタル一眼全体、ミラーレス一眼のメーカー別シェアと順位も大きく変動しそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
1位はニコンの「D3100」、キヤノンの「EOS Kiss X5」が2位に浮上
量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、ボディカラーや付属レンズの違いを合算したレンズ交換式デジタルカメラの2011年5月のシリーズ別販売台数1位は、昨年9月発売のニコンのデジタル一眼レフ「D3100」だった。シェアは12.8%。2位の「EOS Kiss X5」には2.8ポイント、3位の「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」には6.4ポイントもの差をつけ、2011年3月以来、2か月ぶり2度目のトップに輝いた。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 対応マウント | 画素数 (万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ニコン | D3100 | ニコンF | 1,420 | 12.8 | 2010/09 |
2 | キヤノン | EOS Kiss X5 | キヤノンEF | 1,800 | 10.0 | 2011/03 |
3 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL2 | マイクロフォーサーズ | 1,230 | 6.4 | 2011/01 |
4 | キヤノン | EOS Kiss X4 | キヤノンEF | 1,800 | 6.3 | 2010/02 |
5 | パナソニック | LUMIX DMC-GF2 | マイクロフォーサーズ | 1,210 | 6.2 | 2010/12 |
6 | ニコン | D5100 | ニコンF | 1,620 | 5.3 | 2011/04 |
7 | ソニー | NEX-5 | ソニーE | 1,420 | 5.3 | 2010/06 |
8 | HOYA | K-r | ペンタックスK | 1,240 | 4.9 | 2010/10 |
9 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1s | マイクロフォーサーズ | 1,230 | 4.6 | 2010/12 |
10 | ニコン | D7000 | ニコンF | 1,620 | 4.4 | 2010/10 |
※カラーバリエーション・付属レンズの違いなどは合算して集計
「BCNランキング」2011年5月 月次<最大パネル>
「D3100」は、ニコンDXフォーマット(APS-C相当)を採用した有効1420万画素のエントリーモデル。3種類のラインアップのうち、5月はボディに標準ズームレンズと超望遠ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」が付属するダブルズームキット(67.8%)、標準ズームレンズ1本が付属するレンズキット(31.0%)、ボディ単体(1.2%)の順に販売台数が多かった。同じニコンからは、トップ10内に、横開き式のバリアングル液晶モニタを採用した「D5100」と、上位機種「D7100」の計3機種が入っている。
D3100
(標準ズームレンズの「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」装着時)
(標準ズームレンズの「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」装着時)
前月1位だったキヤノンの「EOS Kiss X4」は4位に後退。シェアは前月の11.4%から6.3%にダウンし、人気はバリアングル液晶モニタを搭載した今年3月発売の後継機「EOS Kiss X5」に移りつつある。この「EOS Kiss X5」は、順調に販売台数を伸ばし、前月の5位から2位へ順位を上げ、シェアも6.6%から10.0%へと大幅に伸びている。
EOS Kiss X5 EF-S18-55 IS IIレンズキット
デジタル一眼レフは2社の寡占、ミラーレスはシェア30%台で3社の争い
デジタル一眼レフカメラに限ってメーカーごとに2011年1~5月の累計販売台数を集計すると、1位はキヤノン(43.3%)、2位はニコン(40.5%)、3位はPENTAXブランドのHOYA(7.5%)となり、上位2社だけで全体の8割以上を占める。従来通り、2強の寡占状態といっていいだろう。
同様に、現在3社が参入している小型・軽量ボディが特徴の「ミラーレス一眼」に限って集計すると、オリンパス(37.95%)、ソニー(32.02%)、パナソニック(30.03%)がシェア30%台で拮抗している。2010年の年間では、パナソニック(38.7%)、ソニー(32.2%)、オリンパス(29.1%)の順だったが、2011年はオリンパスのシェアが拡大している。特に5月はシェア46.1%と、他の2社を大きく引き離していた。
タイプごとに分けず、レンズ交換式デジタルカメラ全体で集計すると、キヤノン(29.3%)、ニコン(27.4%)、ソニー(15.0%)、オリンパス(12.7%)、パナソニック(9.7%)の順となり、ミラーレス陣営が加わるため、上位2社のシェアの合計は6割未満に下がる。なお、5月単月では、ニコンがシェア28.7%でキヤノンを2.3ポイント上回り、トップだった。
2011年1~5月のレンズ交換式デジタルカメラ全体の累計販売台数に占めるミラーレス一眼の割合は32.3%。月次集計では、2010年11月以降、30%台で推移しており、5月は31.5%と、4月の31.0%から若干上がった。
6月に入って、ソニーとパナソニックは、ミラーレス一眼の新機種を相次いで発表した。発売日は、ソニーの「NEX-C3」が6月24日、パナソニックの「LUMIX DMC-GF3」「LUMIX DMC-G3」が7月8日の予定。いずれも6月、7月のランキングでは上位に食い込んでくるだろう。さらに、HOYAは、新開発の「Qマウント」を採用した初のミラーレス一眼「PENTAX Q」を発表した。これら新製品の売れ行きによっては、ミラーレス一眼の割合が一気に高まり、デジタル一眼全体、ミラーレス一眼のメーカー別シェアと順位も大きく変動しそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。