高品質サウンドと充実装備が魅力の大画面エンタテインメントノートPC、デルの「XPS15」を検証
「PCで映画や音楽、3Dゲームを存分に楽しみたい。それも、できるだけ安く……」という贅沢な要求に応えるデルのエンタテインメントノートPC「DELL XPS」シリーズ。なかでも、15.6インチの液晶ディスプレイを採用した「XPS 15」は、最小構成価格が7万4980円(6月17日現在)と格安の一台。それでいて、なかなかの性能を備えたハイパフォーマンスモデルなのだ。その実力のほどを、徹底的に検証した。
「XPS 15」のカバーデザインは、なんと160種類。一般的なPCが数種類のカラーバリエーションしかもたないことを考えると、ダントツだ。「design studio」で美しいカバーを一覧することができるので、ぜひお気に入りを見つけていただきたい。試用機のカバーデザインは「Teal the Cows Come Home by OPI」。ターコイズブルーの有機的なデザインが目を引く。価格はプラス5250円となる。
試用したモデルは、ほぼ最小構成。15.6インチのLED液晶ディスプレイを搭載し、解像度が1366×768ドットと標準的なスペックだ。フルHD液晶を選んだ場合は、価格が1万3650円プラスとなる。液晶パネルは光沢タイプで、映像を鮮やかに表示する。その反面、部屋が明るい場合は映り込みがやや気になることもある。
液晶上部には200万画素のウェブカメラを搭載し、720Pのハイビジョン映像を撮影することができる。また、「Skype」をプリインストールし、ノートPCで初めてビデオ通話ソフト「Skype」の認証を受けている。すぐにビデオ通話の利用できる。
液晶のヒンジが端についておらず、本体に載っているような感じ。そのため、左奥に配置したバッテリランプとHDDのアクセスランプが液晶を開くと見えなくなる。キーボード上部にもLEDパネルがあるので、これはまとめてもいいと感じた。
インターフェースは充実している。右側面に備えるUSB2.0端子は「eSATA」と兼用。バックアップなどで、外付けHDDを利用する際に便利だ。「powershare」にも対応しており、PCの電源をオフにしてもUSB端子に給電し続ける。オーディオプレーヤーやスマートフォンなどを充電することができるのだ。
最大5Gbpsの高速データ転送速度をもつUSB3.0端子を、左側面と背面に一つずつ備えている。USB3.0の対応機器が据えつつあるいま、2ポート搭載しているのは頼もしいところだ。
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映像出力端子は、ミニディスプレイ端子とHDMI端子をダブルで搭載。リビングの大画面テレビにフルHD映像を出力することができる。HDMIで3Dテレビにつなげば、3Dフォトスライドショーの再生も可能。オプションでブルーレイドライブを選択すれば、ブルーレイ3Dも楽しめる。インテルのWiDi(ワイヤレスディスプレイ)機能もサポートし、対応機器ならワイヤレスで映像を出力することもできる。
キーボードは飛び石状のアイソレーションタイプで、もちろんキーピッチは19mmのフルサイズ。キーボードにバックライトを内蔵し、暗い部屋でもタイピングしやすい。キートップが板状になっているので、それぞれのキーが浮かんでみえるのも格好いい。タイプ感は、適度な押し応えがあって入力しやすい。タイプ音は静かで、強くタイピングする人でも周囲に迷惑がられることはないだろう。
タッチパッドは101×57mmと大きい。表面が滑らかで操作性も上々。ボタンの奥行きは15mmと大きく押しやすいが、クリック音はややチープ。タイピング中にタッチパッドに手のひらが触れてしまって誤動作することを防ぐのであれば、Fnキー+F3キーでオン/オフを切り替えることができる。タッチパッドが無効になっている状態では、LEDが点灯するので分かりやすい。これは意外に便利だった。
キーボードの右上には、三つのタッチセンサーを用意。一番左のボタンで、ディスプレイの明るさや音量の調節や、無線LANやBluetoothなどのオン/オフができる「Windows モビリティセンター」が起動する。一番右は、WavesMaxxAudioやAndreaマイクロフォンテクノロジーなどの設定画面を開くセンサーだ。
中央は「Dell Instant Launcher」。ディスプレイのオフや、特定のウェブサイト表示などの動作を割り当てることができる。任意のプログラムを設定すれば、ワンタッチで起動する。よく使うブラウザやメールソフトを指定するといい。
15.6インチで重さが3kg近いXPS 15は、据え置きで使うのが基本。それなのに、バッテリがなかなかパワフルなのが興味深い。標準の6セルバッテリは11.1V/56Whと大容量。バッテリ駆動時間計測ソフト「BBench」でベンチマークを取ったところ、電源切れまでの時間は約4.8時間だった。会議室に持ち込んだり、電源のない場所で映画を鑑賞したり、近場なら持ち運んで使える便利さがある。
本体の底面にバッテリのインジケータを搭載しているのも珍しい。ボタンを押すと、バッテリの残量をLEDランプで表示するのだ。PCの電源をオフにしていても動作するので、非常に便利な機能である。
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CPUは、第2世代のインテル Core i5 2410Mを採用している。最上位のCore i7と比べると処理能力は落ちるが、ターボ・ブースト機能で最高2.9GHzまで動作クロックをアップすることができる。OSは、64ビットのWindows 7 Home Premiumなので、4GBの大容量メモリを余すところなく使い切ることができる。グラフィックは、チップセット内蔵の機能に加えてNVIDIA GeForce GT525Mも搭載。1GBのグラフィックメモリを内蔵し、3Dゲームが快適に動作する。
Windows 7の「パフォーマンスの情報とツール」では、基本スコアが4.2と標準的。これは、チップセット内蔵のグラフィック機能が足を引っ張っているためだ。グラフィックの描画性能を求めるソフトでは、GeForce GT525Mを利用すればいい。ソフトごとの動作は、コントロールパネルにある「NVIDIA コントロールパネル」から設定することができる。
ベンチマークソフトを実行するなど、負荷の高い作業を行うと、冷却ファンが回り出す。発熱に伴い回転が上がるのだが、音が少々耳につく。また、左側面の排気口から暖かい風が出てくるので、冷たい飲み物は右側においたほうがいい。作業を止めると、やがて冷却ファンも停止する。
高品質なハイファイスピーカーを搭載しているのは、大きなアドバンテージだ。老舗のJBL製で、出力は4W×2とサブウーファーの12Wで、合計20WとノートPCとしては大きい部類に入る。音楽や映画を再生すれば、臨場感のあるサウンドに驚くはず。低音がしっかりしているうえ、高音域もきちんと再生している。少々音量を上げても、音割れしない。PCで音楽を聴いたり映画を見たりする人には、見逃せないポイントだ。
メインPCとしてエンタテインメントに使える性能で、8万円を切る価格というのが、やはり何といっても驚きだ。ベンチマークで、やや弱かったCPUをCore i7 2630QMにアップグレードし、DVDスーパーマルチドライブを書き込み型BDドライブ、液晶ディスプレイの解像度を1920×1080ドットのフルHDに変更したとしても、価格は10万9735円(6月17日現在)。大画面ノートPCを購入する予定があるなら、有力候補になることは間違いない。(ITライター・柳谷智宣)
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DELLの「XPS 15」
160種類のデザインカバーからお気に入りを選ぶ
「XPS 15」のカバーデザインは、なんと160種類。一般的なPCが数種類のカラーバリエーションしかもたないことを考えると、ダントツだ。「design studio」で美しいカバーを一覧することができるので、ぜひお気に入りを見つけていただきたい。試用機のカバーデザインは「Teal the Cows Come Home by OPI」。ターコイズブルーの有機的なデザインが目を引く。価格はプラス5250円となる。
「design studio」で160種類のカバーデザインをチェック
試用したモデルは、ほぼ最小構成。15.6インチのLED液晶ディスプレイを搭載し、解像度が1366×768ドットと標準的なスペックだ。フルHD液晶を選んだ場合は、価格が1万3650円プラスとなる。液晶パネルは光沢タイプで、映像を鮮やかに表示する。その反面、部屋が明るい場合は映り込みがやや気になることもある。
試用機のカバー「Teal the Cows Come Home by OPI」
液晶上部には200万画素のウェブカメラを搭載し、720Pのハイビジョン映像を撮影することができる。また、「Skype」をプリインストールし、ノートPCで初めてビデオ通話ソフト「Skype」の認証を受けている。すぐにビデオ通話の利用できる。
液晶ディスプレイは光沢タイプで上部にウェブカメラを搭載
液晶のヒンジが端についておらず、本体に載っているような感じ。そのため、左奥に配置したバッテリランプとHDDのアクセスランプが液晶を開くと見えなくなる。キーボード上部にもLEDパネルがあるので、これはまとめてもいいと感じた。
液晶を開くと見えなくなるLEDランプ
2つのUSB3.0端子など、インターフェースが充実
インターフェースは充実している。右側面に備えるUSB2.0端子は「eSATA」と兼用。バックアップなどで、外付けHDDを利用する際に便利だ。「powershare」にも対応しており、PCの電源をオフにしてもUSB端子に給電し続ける。オーディオプレーヤーやスマートフォンなどを充電することができるのだ。
右側面にはUSB2.0・eSATA端子と音声入出力端子、光学ドライブを搭載
最大5Gbpsの高速データ転送速度をもつUSB3.0端子を、左側面と背面に一つずつ備えている。USB3.0の対応機器が据えつつあるいま、2ポート搭載しているのは頼もしいところだ。
左側面にはUSB3.0端子と排気口を備える
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映像出力端子は、ミニディスプレイ端子とHDMI端子をダブルで搭載。リビングの大画面テレビにフルHD映像を出力することができる。HDMIで3Dテレビにつなげば、3Dフォトスライドショーの再生も可能。オプションでブルーレイドライブを選択すれば、ブルーレイ3Dも楽しめる。インテルのWiDi(ワイヤレスディスプレイ)機能もサポートし、対応機器ならワイヤレスで映像を出力することもできる。
背面にHDMI端子、有線LAN端子、電源端子、USB3.0端子を備える
フロントにはSDXCメモリカード対応の9in1カードリーダー
使いやすいアイソレーションキーボードと大型タッチパッド
キーボードは飛び石状のアイソレーションタイプで、もちろんキーピッチは19mmのフルサイズ。キーボードにバックライトを内蔵し、暗い部屋でもタイピングしやすい。キートップが板状になっているので、それぞれのキーが浮かんでみえるのも格好いい。タイプ感は、適度な押し応えがあって入力しやすい。タイプ音は静かで、強くタイピングする人でも周囲に迷惑がられることはないだろう。
アイソレーションタイプのキーボード
タッチパッドは101×57mmと大きい。表面が滑らかで操作性も上々。ボタンの奥行きは15mmと大きく押しやすいが、クリック音はややチープ。タイピング中にタッチパッドに手のひらが触れてしまって誤動作することを防ぐのであれば、Fnキー+F3キーでオン/オフを切り替えることができる。タッチパッドが無効になっている状態では、LEDが点灯するので分かりやすい。これは意外に便利だった。
大きく操作しやすいタッチパッド
キーボードの右上には、三つのタッチセンサーを用意。一番左のボタンで、ディスプレイの明るさや音量の調節や、無線LANやBluetoothなどのオン/オフができる「Windows モビリティセンター」が起動する。一番右は、WavesMaxxAudioやAndreaマイクロフォンテクノロジーなどの設定画面を開くセンサーだ。
キーボード上部のタッチセンサー
中央は「Dell Instant Launcher」。ディスプレイのオフや、特定のウェブサイト表示などの動作を割り当てることができる。任意のプログラムを設定すれば、ワンタッチで起動する。よく使うブラウザやメールソフトを指定するといい。
ランチャーボタンの動作を選択
大画面ノートPCながらバッテリもパワフル
15.6インチで重さが3kg近いXPS 15は、据え置きで使うのが基本。それなのに、バッテリがなかなかパワフルなのが興味深い。標準の6セルバッテリは11.1V/56Whと大容量。バッテリ駆動時間計測ソフト「BBench」でベンチマークを取ったところ、電源切れまでの時間は約4.8時間だった。会議室に持ち込んだり、電源のない場所で映画を鑑賞したり、近場なら持ち運んで使える便利さがある。
バッテリのインジケータ
本体の底面にバッテリのインジケータを搭載しているのも珍しい。ボタンを押すと、バッテリの残量をLEDランプで表示するのだ。PCの電源をオフにしていても動作するので、非常に便利な機能である。
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3Dゲームも可能なバランスのいい性能
CPUは、第2世代のインテル Core i5 2410Mを採用している。最上位のCore i7と比べると処理能力は落ちるが、ターボ・ブースト機能で最高2.9GHzまで動作クロックをアップすることができる。OSは、64ビットのWindows 7 Home Premiumなので、4GBの大容量メモリを余すところなく使い切ることができる。グラフィックは、チップセット内蔵の機能に加えてNVIDIA GeForce GT525Mも搭載。1GBのグラフィックメモリを内蔵し、3Dゲームが快適に動作する。
チップセット内蔵のグラフィック機能でベンチマークソフト「FishTank」を起動したら1000匹で30FPSになった
「NVIDIA GeForce GT525M」に切り替えると60FPSになる
Windows 7の「パフォーマンスの情報とツール」では、基本スコアが4.2と標準的。これは、チップセット内蔵のグラフィック機能が足を引っ張っているためだ。グラフィックの描画性能を求めるソフトでは、GeForce GT525Mを利用すればいい。ソフトごとの動作は、コントロールパネルにある「NVIDIA コントロールパネル」から設定することができる。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア
ベンチマークソフトを実行するなど、負荷の高い作業を行うと、冷却ファンが回り出す。発熱に伴い回転が上がるのだが、音が少々耳につく。また、左側面の排気口から暖かい風が出てくるので、冷たい飲み物は右側においたほうがいい。作業を止めると、やがて冷却ファンも停止する。
「CrystalDiskMark」のベンチマーク
JBL製スピーカーの搭載で迫力のサウンドを楽しめる
高品質なハイファイスピーカーを搭載しているのは、大きなアドバンテージだ。老舗のJBL製で、出力は4W×2とサブウーファーの12Wで、合計20WとノートPCとしては大きい部類に入る。音楽や映画を再生すれば、臨場感のあるサウンドに驚くはず。低音がしっかりしているうえ、高音域もきちんと再生している。少々音量を上げても、音割れしない。PCで音楽を聴いたり映画を見たりする人には、見逃せないポイントだ。
JBL製のスピーカーを内蔵
性能×クオリティを考えれば最高のコストパフォーマンス
メインPCとしてエンタテインメントに使える性能で、8万円を切る価格というのが、やはり何といっても驚きだ。ベンチマークで、やや弱かったCPUをCore i7 2630QMにアップグレードし、DVDスーパーマルチドライブを書き込み型BDドライブ、液晶ディスプレイの解像度を1920×1080ドットのフルHDに変更したとしても、価格は10万9735円(6月17日現在)。大画面ノートPCを購入する予定があるなら、有力候補になることは間違いない。(ITライター・柳谷智宣)
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