2011年4月のデジタル一眼ランキング、最後の栄冠? 「EOS Kiss X4」が10回目の1位獲得
モデルチェンジまでの期間が他のデジタル製品に比べて長いデジタル一眼カメラ。メーカーが生産を終了して、店頭から在庫がなくならない限り、人気があるモデルなら、かなり前に発売された機種でも売れ続ける。3~4月は、ちょうどキヤノンの「EOS Kiss」シリーズのモデルチェンジ期にあたり、ランキング上位は新旧入り混じる結果となった。量販店の実売データを集計した「BCNランキング」に基づいて、2011年4月の月間ランキングを紹介しよう。
ボディカラーや付属レンズの違いを合算したレンズ交換式デジタルカメラ(デジタル一眼カメラ)の4月のシリーズ別販売台数1位は、シェア11.4%でキヤノンのデジタル一眼レフ「EOS Kiss X4」だった。月間1位獲得は、昨年2月の発売以来、通算10回目で、2011年は1月、2月に続いて3回目だ。
2位は、前月1位だったニコンのデジタル一眼レフ「D3100」、3位はソニーのミラーレス一眼「NEX-5」、4位はニコンのデジタル一眼レフ「D90」だった。そして、5位には今年3月発売の「EOS Kiss X4」の後継機「EOS Kiss X5」が顔を出している。
1位の「EOS Kiss X4」と5位の「EOS Kiss X5」のシェア差は4.8ポイント。平均単価は、EOS Kissシリーズで初めて横開きのバリアングル液晶モニタを採用した「EOS Kiss X5」に比べ、「EOS Kiss X4」は2万円ほど安く、その差が販売台数の差につながったのだろう。それでも、5月1日~18日の途中集計では「EOS Kiss X5」が「EOS Kiss X4」を上回っており、5月は新旧交代の月になりそうだ。
「EOS Kiss X5」と同時発表で、通常の液晶モニタを搭載した「EOS Kiss X50」は、シェア1.5%で19位にとどまっている。「EOS Kiss X50」は、キヤノンのデジタル一眼レフのなかで、最も価格の安いエントリーモデルの位置づけだが、今のところ一ランク上の「EOS Kiss X5」に人気が集まっている。
もう一つのトピックはニコンの「D90」。2008年9月の発売以来、何と2年半以上もランキングのトップ10内に入り続けている。2010年11月は、「EOS Kiss X4」を抑え、5か月ぶりに1位を獲得したほどだ。スペックに対して値頃感のある価格が要因とはいえ、衰えぬ人気には本当に驚かされる。
デジタル一眼の魅力の一つであり、コンパクトデジタルカメラとの最大の違いは、撮影シーンや目的に合わせてレンズを交換できること。従来の重厚なデジタル「一眼レフ」カメラより、軽量・コンパクトな「ミラーレス一眼」は、コンパクトデジタルカメラのような感覚で使えることから、一定の人気を確保している。
デジタル一眼カメラ全体の販売台数に占めるミラーレス一眼の割合は、昨年6月、初めて3割を突破した後、いったん20%台後半に下がったが、再び上昇。2010年11月以降、30%台で推移している。これまでの最高値は、2010年12月の36.7%だ。
デジタル一眼の平均単価は全体的に下落傾向にあり、特にミラーレス一眼は、5万円台前半まで下がっている。4月の税別平均単価は、デジタル一眼レフが8万1593円、ミラーレスが5万2368円。デジタル一眼全体では7万2543円で、コンパクトデジタルカメラの平均単価1万7426円より高いとはいえ、エントリーモデルでも10万円を超えていた4、5年前に比べると、本当に安くなった。
デジタル一眼とコンパクトは、もはや価格で選ぶ時代を脱して、撮影対象や撮影スタイルで選ぶ時代に入っている。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
4月の1位は「EOS Kiss X4」、5月は後継機「EOS Kiss X5」に入れ替わるか
ボディカラーや付属レンズの違いを合算したレンズ交換式デジタルカメラ(デジタル一眼カメラ)の4月のシリーズ別販売台数1位は、シェア11.4%でキヤノンのデジタル一眼レフ「EOS Kiss X4」だった。月間1位獲得は、昨年2月の発売以来、通算10回目で、2011年は1月、2月に続いて3回目だ。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 対応マウント | 画素数 (万画素) | 販売台数 シェア(%) | 発売年月 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | キヤノン | EOS Kiss X4 | キヤノンEF | 1,800 | 11.4 | 2010/02 |
2 | ニコン | D3100 | ニコンF | 1,420 | 10.8 | 2010/09 |
3 | ソニー | NEX-5 | ソニーE | 1,420 | 8.1 | 2010/06 |
4 | ニコン | D90 | ニコンF | 1,230 | 7.7 | 2008/09 |
5 | キヤノン | EOS Kiss X5 | キヤノンEF | 1,800 | 6.6 | 2011/03 |
6 | パナソニック | LUMIX DMC-GF2 | マイクロフォーサーズ | 1,210 | 5.5 | 2010/12 |
7 | キヤノン | EOS 60D | キヤノンEF | 1,800 | 4.9 | 2010/09 |
8 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL2 | マイクロフォーサーズ | 1,230 | 4.4 | 2011/01 |
9 | ニコン | D7000 | ニコンF | 1,620 | 4.1 | 2010/10 |
10 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1 | マイクロフォーサーズ | 1,230 | 3.9 | 2010/03 |
※カラーバリエーション・付属レンズの違いなどは合算して集計
「BCNランキング」2011年4月 月次<最大パネル>
2位は、前月1位だったニコンのデジタル一眼レフ「D3100」、3位はソニーのミラーレス一眼「NEX-5」、4位はニコンのデジタル一眼レフ「D90」だった。そして、5位には今年3月発売の「EOS Kiss X4」の後継機「EOS Kiss X5」が顔を出している。
EOS Kiss X4 ダブルズームキット
1位の「EOS Kiss X4」と5位の「EOS Kiss X5」のシェア差は4.8ポイント。平均単価は、EOS Kissシリーズで初めて横開きのバリアングル液晶モニタを採用した「EOS Kiss X5」に比べ、「EOS Kiss X4」は2万円ほど安く、その差が販売台数の差につながったのだろう。それでも、5月1日~18日の途中集計では「EOS Kiss X5」が「EOS Kiss X4」を上回っており、5月は新旧交代の月になりそうだ。
左から、EOS Kiss X5、EOS Kiss X50のレッドモデル
(ともにEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II装着時)
(ともにEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II装着時)
「EOS Kiss X5」と同時発表で、通常の液晶モニタを搭載した「EOS Kiss X50」は、シェア1.5%で19位にとどまっている。「EOS Kiss X50」は、キヤノンのデジタル一眼レフのなかで、最も価格の安いエントリーモデルの位置づけだが、今のところ一ランク上の「EOS Kiss X5」に人気が集まっている。
もう一つのトピックはニコンの「D90」。2008年9月の発売以来、何と2年半以上もランキングのトップ10内に入り続けている。2010年11月は、「EOS Kiss X4」を抑え、5か月ぶりに1位を獲得したほどだ。スペックに対して値頃感のある価格が要因とはいえ、衰えぬ人気には本当に驚かされる。
D90(AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR装着時)
価格低下が進むミラーレス機 平均単価は5万円台前半に
デジタル一眼の魅力の一つであり、コンパクトデジタルカメラとの最大の違いは、撮影シーンや目的に合わせてレンズを交換できること。従来の重厚なデジタル「一眼レフ」カメラより、軽量・コンパクトな「ミラーレス一眼」は、コンパクトデジタルカメラのような感覚で使えることから、一定の人気を確保している。
デジタル一眼カメラ全体の販売台数に占めるミラーレス一眼の割合は、昨年6月、初めて3割を突破した後、いったん20%台後半に下がったが、再び上昇。2010年11月以降、30%台で推移している。これまでの最高値は、2010年12月の36.7%だ。
デジタル一眼の平均単価は全体的に下落傾向にあり、特にミラーレス一眼は、5万円台前半まで下がっている。4月の税別平均単価は、デジタル一眼レフが8万1593円、ミラーレスが5万2368円。デジタル一眼全体では7万2543円で、コンパクトデジタルカメラの平均単価1万7426円より高いとはいえ、エントリーモデルでも10万円を超えていた4、5年前に比べると、本当に安くなった。
デジタル一眼とコンパクトは、もはや価格で選ぶ時代を脱して、撮影対象や撮影スタイルで選ぶ時代に入っている。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。