ビデオカメラでパナソニックが初の首位に、2月にソニーを抜く
デジタルビデオカメラのメーカーシェアで、今年2月、パナソニックが初めて首位に立った。「BCNランキング」の集計を開始した2005年1月以来、初めて1位を獲得した。販売台数シェアは27.1%。一方、これまでトップを維持していたソニーは4位に転落した。
パナソニックが躍進した理由について、広報は「10年7月に発売した女性向けの『HDC-TM35』が継続して人気を集めているのに加え、11年2月発売の春モデル『HDC-TM45』の立ち上がりが好調だった」とする。
事実、機種のカラーバリエーションを合算した2011年2月の「BCNランキング」のシリーズ別販売台数シェアでは、「HDC-TM35」は12.9%で1位に、「HDC-TM45」は4.0%で7位に入っている。パナソニックの既存製品と新製品、ともにユーザーが評価したことが、メーカーシェアを押し上げた。
直近3年間(08年2月-11年2月)の「BCNランキング」メーカーシェアの推移をみると、1位はソニーで、販売台数20-40%程度で常にトップを走っていた。一方、パナソニックは09年1月に2位に浮上。それ以降も2位をキープし、3位以下の日本ビクターやキヤノンを引き離した状態だった。
しかし、今年2月になると、ソニーは急激にシェアを下げ、販売台数19.2%と4位まで転落。パナソニックが27.1%で1位になり、2位は日本ビクターで20.6%、3位はキヤノンで19.4%となった。
ソニー広報はシェア急落の理由を「2月25日という月末を新製品の発売日にしたので、2月の実績に結び付かなかった。また、ちょうど新旧製品の切り替え時期に当たった」と分析する。新製品の立ち上がりが鈍かったことが、ソニーがシェアを落とした原因だろう。
デジタルビデオカメラの春商戦は3月がピーク。前年同月比をみると、2月は販売台数で103.1%、販売金額で86.8%と、昨年から勢いは衰えている。現在、3D対応モデルや高画質を追求したモデル、軽量・コンパクトなムービーカメラ、女性向けモデルなど、各社さまざま切り口で製品を展開している。この春の新製品の売れ行きによって、メーカーの勢力図が再び変化するかもしれない。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
パナソニックの「HDC-TM45」
パナソニックが躍進した理由について、広報は「10年7月に発売した女性向けの『HDC-TM35』が継続して人気を集めているのに加え、11年2月発売の春モデル『HDC-TM45』の立ち上がりが好調だった」とする。
事実、機種のカラーバリエーションを合算した2011年2月の「BCNランキング」のシリーズ別販売台数シェアでは、「HDC-TM35」は12.9%で1位に、「HDC-TM45」は4.0%で7位に入っている。パナソニックの既存製品と新製品、ともにユーザーが評価したことが、メーカーシェアを押し上げた。
順位 | メーカー | シリーズ | 販売台数 シェア(%) |
1 | パナソニック | HDC-TM35 | 12.9 |
---|---|---|---|
2 | キヤノン | IVISHFM32 | 9.0 |
3 | キヤノン | IVISHFR11 | 6.6 |
4 | ソニー | HDR-CX370V | 5.0 |
5 | 日本ビクター | GZ-HM670 | 4.6 |
6 | 三洋電機 | DMX-CA100 | 4.3 |
7 | パナソニック | HDC-TM45 | 4.0 |
8 | 日本ビクター | GZ-HM450 | 3.9 |
9 | 日本ビクター | GZ-HM350 | 3.2 |
10 | ソニー | HDR-CX170 | 3.1 |
※カラーバリエーションは合算して集計
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
直近3年間(08年2月-11年2月)の「BCNランキング」メーカーシェアの推移をみると、1位はソニーで、販売台数20-40%程度で常にトップを走っていた。一方、パナソニックは09年1月に2位に浮上。それ以降も2位をキープし、3位以下の日本ビクターやキヤノンを引き離した状態だった。
しかし、今年2月になると、ソニーは急激にシェアを下げ、販売台数19.2%と4位まで転落。パナソニックが27.1%で1位になり、2位は日本ビクターで20.6%、3位はキヤノンで19.4%となった。
ソニー広報はシェア急落の理由を「2月25日という月末を新製品の発売日にしたので、2月の実績に結び付かなかった。また、ちょうど新旧製品の切り替え時期に当たった」と分析する。新製品の立ち上がりが鈍かったことが、ソニーがシェアを落とした原因だろう。
デジタルビデオカメラの春商戦は3月がピーク。前年同月比をみると、2月は販売台数で103.1%、販売金額で86.8%と、昨年から勢いは衰えている。現在、3D対応モデルや高画質を追求したモデル、軽量・コンパクトなムービーカメラ、女性向けモデルなど、各社さまざま切り口で製品を展開している。この春の新製品の売れ行きによって、メーカーの勢力図が再び変化するかもしれない。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。