2月のマウント別交換レンズランキング、ミラーレス一眼の選択肢広がる
レンズ交換型デジタルカメラ(デジタル一眼カメラ)の魅力の一つ、交換レンズ。2月9-12日に横浜で開催したカメラと写真映像の展示会「CP+2011」では、カメラ/レンズメーカー各社が試作機や新製品を発表し、発売が待ち遠しいユーザーも多いのではないだろうか。新製品を検討する前に、2011年2月の交換レンズの売れ筋をマウント別に「BCNランキング」でチェックしよう。
デジタル一眼カメラは、メーカーによって、カメラとレンズを接続する機構の規格(レンズマウント)が異なる。レンズマウントに応じて、カメラメーカーやレンズメーカーが交換レンズを製品化するわけだ。また、レンズには一般的に、カメラメーカーが製造している「純正レンズ」と、各種マウントの仕様を基づいてレンズメーカーが製造する「サードパーティーレンズ」の2種類がある。
「BCNランキング」でみる交換レンズの市場は、2010年、1-6月は好調に推移し、ピークの4月は前年同月比で販売本数152.6%、販売金額145.4%とおよそ1.5倍の驚異的な伸びをみせた。冬から初夏にかけて市場が好調だったのは、ミラーレス一眼カメラの製品数が増えてユーザー層が拡大したことに加え、各社が発売したデジタル一眼カメラの春モデルの発売が後押ししたと考えられる。しかし、成長は長く続かず、11年2月は販売本数106.0%、販売金額95.9%で、金額では前年割れの状況だ。
今回は、手持ちの一眼カメラ、またはこれから購入する予定の一眼カメラのレンズマウントを基準に購入を検討できるよう、交換レンズの売れ筋をレンズマウント別に「BCNランキング」でみていく。
まずは、キヤノンの「キヤノンEFマウント」の売れ筋から。1位は純正の単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」で、販売本数シェア22.1%。130gと軽量・コンパクトで、単焦点の入門レンズだ。EFマウントの販売本数全体の2割以上を確保しており、人気ぶりがうかがえる。キヤノンマーケティングジャパン広報は「一年を通して売れているロングセラー。価格が1万2000円程度と手頃で初心者が購入しやすい。また、F値1.8と明るいレンズである点もうけている」という。
2位はサードパーティー製で、タムロンの標準ズームレンズ「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD キヤノン用」がシェア6.3%でランクインした。焦点距離28.8-432.0mm相当(35mmフィルムカメラ換算)をカバーし、一本でポートレートや風景など幅広い被写体を撮影できる。タムロンの一眼レフカメラ用交換レンズでは初のAF駆動方式のモーター「PZD(Piezo Drive)」で、AFの高速化と静音化を実現している。
売れ筋トップ10には、キヤノン製が6本、タムロン製が4本入った。レンズのタイプでは、1位の単焦点レンズの占有率が高く、人気を集めている。単焦点レンズは3本で、残り7本はズームレンズだった。
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次はニコンの「ニコンFマウント」レンズ。1位は純正の単焦点レンズ「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」で、シェアは20.5%。Fマウントの販売本数全体の2割を占めるほどの人気ぶりだ。開放F値1.8と明るく、光が少ない室内などでの手持ち撮影に便利だ。ニコンによると、「コンパクトで軽く、明るい単焦点レンズが、3万5000円程度という手頃な価格で手に入る点が人気の理由」(ニコンイメージングジャパンマーケティング部広報宣伝課)だそうだ。
2位も同じくニコン純正。望遠ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」で、シェアは5.7%だった。また、サードパーティの、タムロンの標準ズームレンズ「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD ニコン用」がシェア4.7%で3位に入った。「キヤノンEFマウント」で2位に入ったレンズのニコン用モデルだ。
ニコンFマウントは、純正が売れている。売れ筋トップ10中、サードパーティはタムロンの1本だけで、ほかはすべてニコン製だった。レンズのタイプは、ズームレンズが7本、単焦点レンズが3本だった。数としてはズームレンズが多いが、シェアで2割を確保する1位の単焦点モデルに人気が集中している。
HOYAの「PENTAX」ブランドの交換レンズはどうだろうか。PENTAXのマウントは「ペンタックスKマウント」だ。1位はタムロンの標準ズームレンズ「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro ペンタックス用」で、シェア13.6%だった。35mmフィルムカメラ換算で28-300mm相当をカバーする10.7倍ズームだ。持ち運びのときにレンズが飛び出てくるのを防ぐロック機構を備える。
2位は、HOYAの純正望遠ズームレンズ「DA55-300mmF4-5.8ED」でシェア5.9%。焦点距離は35mmフィルムカメラ換算で84.5-460mm相当。レンズの前面に汚れが付きにくいコーティングを施している。
ペンタックスKマウントでは、サードパーティー製が人気を集め、1位のモデルはタムロンだった。タムロンは売れ筋トップ10中2本しか入っていないが、堂々の1位を獲得した。なお、残りの8本はすべてHOYA製だった。レンズのタイプでみると、単焦点レンズが6本、ズームレンズが4本だった。
ソニーはデジタル一眼カメラ「α」で、「Aマウント」と「Eマウント」の2種類のマウント規格をもつ。「Aマウント」は一般的な一眼カメラに、小型の「Eマウント」はミラーレス一眼「NEX-5」「NEX-3」が採用している。「Eマウント」は、現在ソニーが発売している純正レンズ3本しかないので今回は割愛し、「Aマウント」の売れ筋をチェックする。
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「Aマウント」で1位を獲得したのは、ソニー純正の望遠ズームレンズ「75-300mm F4.5-5.6」。シェアは23.8%だった。焦点距離は112.5-450mm相当(35mmフィルムカメラ換算)で、一本でイベントやポートレートなどさまざまなシーンで活躍する。2位は同じく純正で、単焦点レンズ「DT35mm F1.8 SAM」。シェアは10.8%だ。
サードパーティ製では、3位にタムロンの標準ズームレンズ「SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] ソニー用」が入った。シェアは8.3%。35mmフィルムカメラ換算の焦点距離は26-78mm相当。広角撮影のほか、最短27cmの接写が楽しめる。
売れ筋トップ10(10位は同位で2本)をみると、メーカー別では純正が人気を集めていて、ソニー製が5本入っている。次いで、タムロン製が4本、シグマ製が2本だった。レンズのタイプでは、ズームレンズが売れていて、8本。単焦点レンズは3本だけだった。
なお、今回割愛した「Eマウント」は、4月1日、レンズ/マウントアダプタメーカーであるカールツァイス、コシナ、シグマ、タムロンに、ソニーが基本仕様を無償開示する。これによって、今後、サードバーティのレンズやマウントアダプタの発売が予想される。
オリンパスやパナソニックが提供している「フォーサーズマウント」をみていこう。フォーサーズマウントは、デジタル一眼カメラ向けのシステムとして、2002年にオリンパスと米イーストマン・コダックが発表した規格だ。
4/3型の撮像素子を使用することで、高画質化と小型化を追求した。特定のメーカーに縛られないオープンなフォーマットなので、現在、オリンパスとパナソニックのほか、三洋電機、シグマ、コシナなど11社が賛同している。
フォーサーズマウントの1位は、オリンパスの望遠ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」でシェア13.1%。焦点距離140-600mm相当(35mmフィルムカメラ換算)の幅広い画角をカバーする。
パナソニックの製品では、7位に単焦点レンズ「LEICA D SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.」が入った。シェアは6.5%。開放F値1.4と明るいレンズ。最短38cmまで被写体に近づいて撮影できる。
フォーサーズマウントは、トップ10中、パナソニック製の1本だけ入り、そのほかはすべてオリンパス製だった。これはもともと、パナソニックが提供している製品数が少ないという背景にある。一方、レンズのタイプでは、ズームレンズが7本、単焦点レンズが3本入った。1位がズームレンズということもあり、ズームがより売れている。
最後に、オリンパスとパナソニックがミラーレス一眼で採用している小型の「マイクロフォーサーズマウント」をチェックしよう。マイクロフォーサーズは、フォーサーズマウントの拡張規格。レンズを取り付ける面から撮像素子の距離であるフランジバックをフォーサーズの約1/2に短くし、小型・軽量化を実現した。
また、捉えた画像をリアルタイムでモニタに映し出すライブビューに対応し、内部にミラーボックスをもたない構造をもつ。これが、「ミラーレス一眼」と呼ばれている理由だ。また、フォーサーズと比べてマウント径を小さくしている。マイクロフォーサーズマウントの交換レンズは、オリンパス「OLYMPUS PEN」やパナソニック「LUMIX Gシリーズ」などで使用できる。
売れ筋の1位は、パナソニックの単焦点レンズ「LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.」でシェア20.4%。軽量・薄型のパンケーキタイプのレンズだ。
一方、オリンパスの製品は、望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 シルバー」がシェア5.2%で5位にランクインしている。焦点距離80-300mm相当(35mmフィルムカメラ換算)の広い画角を、重さわずか190gのボディで実現している。
売れ筋トップ10では、パナソニック製が6本、オリンパス製が4本だった。また、レンズのタイプは、単焦点レンズが2本、ズームレンズが8本。1位と2位がそれぞれ単焦点とズームなので、どちらも人気を集めているようだ。
「マイクロフォーサーズマウント」は、サードパーティ製として光学機器メーカーコシナのほか、2月には独カールツァイス、独シュナイダー、駒村商会が賛同しており、今後、各社から同規格に準拠した交換レンズやアクセサリの発売が期待できる。
交換レンズの売れ行きは、デジタル一眼カメラの市場に左右される。現在、デジタル一眼カメラのユーザーは、中・上級者だけでなく、女性や若者をはじめとした初級者に広がっている。しかし、エントリーユーザーは、一眼カメラのレンズキットに付属する交換レンズで満足し、後から別途レンズを購入しないケースが多いのが実情だろう。
前述したとおり、この春以降、ソニー「Eマウント」やオリンパスとパナソニックの「マイクロフォーサーズマウント」にサードパーティー製が加わることとで、ミラーレス一眼の交換レンズの選択肢の広がりに期待できそうだ。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
デジタル一眼カメラは、メーカーによって、カメラとレンズを接続する機構の規格(レンズマウント)が異なる。レンズマウントに応じて、カメラメーカーやレンズメーカーが交換レンズを製品化するわけだ。また、レンズには一般的に、カメラメーカーが製造している「純正レンズ」と、各種マウントの仕様を基づいてレンズメーカーが製造する「サードパーティーレンズ」の2種類がある。
「BCNランキング」でみる交換レンズの市場は、2010年、1-6月は好調に推移し、ピークの4月は前年同月比で販売本数152.6%、販売金額145.4%とおよそ1.5倍の驚異的な伸びをみせた。冬から初夏にかけて市場が好調だったのは、ミラーレス一眼カメラの製品数が増えてユーザー層が拡大したことに加え、各社が発売したデジタル一眼カメラの春モデルの発売が後押ししたと考えられる。しかし、成長は長く続かず、11年2月は販売本数106.0%、販売金額95.9%で、金額では前年割れの状況だ。
今回は、手持ちの一眼カメラ、またはこれから購入する予定の一眼カメラのレンズマウントを基準に購入を検討できるよう、交換レンズの売れ筋をレンズマウント別に「BCNランキング」でみていく。
キヤノンのEF50mm F1.8 II(左)とタムロンのAF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD キヤノン用
まずは、キヤノンの「キヤノンEFマウント」の売れ筋から。1位は純正の単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」で、販売本数シェア22.1%。130gと軽量・コンパクトで、単焦点の入門レンズだ。EFマウントの販売本数全体の2割以上を確保しており、人気ぶりがうかがえる。キヤノンマーケティングジャパン広報は「一年を通して売れているロングセラー。価格が1万2000円程度と手頃で初心者が購入しやすい。また、F値1.8と明るいレンズである点もうけている」という。
2位はサードパーティー製で、タムロンの標準ズームレンズ「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD キヤノン用」がシェア6.3%でランクインした。焦点距離28.8-432.0mm相当(35mmフィルムカメラ換算)をカバーし、一本でポートレートや風景など幅広い被写体を撮影できる。タムロンの一眼レフカメラ用交換レンズでは初のAF駆動方式のモーター「PZD(Piezo Drive)」で、AFの高速化と静音化を実現している。
順位 | メーカー | 製品名 | 用途 | タイプ | 販売本数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | キヤノン | EF50mm F1.8 II | デジタル/フイルム用 | 単焦点 | 22.1 |
2 | タムロン | AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD キヤノン用 | デジタル専用 | ズーム | 6.3 |
3 | キヤノン | EF100mm F2.8L マクロ IS USM | デジタル/フイルム用 | 単焦点 | 4.7 |
4 | タムロン | SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD キヤノン用 | デジタル/フイルム用 | ズーム | 4.1 |
5 | タムロン | AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro キヤノン用 | デジタル専用 | ズーム | 3.8 |
6 | キヤノン | EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM | デジタル専用 | ズーム | 3.5 |
7 | キヤノン | EF70-200mm F2.8L IS II USM | デジタル/フイルム用 | ズーム | 2.9 |
8 | キヤノン | EF70-300mm F4-5.6L IS USM | デジタル/フイルム用 | ズーム | 2.5 |
9 | タムロン | SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] キヤノン用 | デジタル専用 | ズーム | 2.4 |
10 | キヤノン | EF50mm F1.4 USM | デジタル/フイルム用 | 単焦点 | 2.2 |
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
売れ筋トップ10には、キヤノン製が6本、タムロン製が4本入った。レンズのタイプでは、1位の単焦点レンズの占有率が高く、人気を集めている。単焦点レンズは3本で、残り7本はズームレンズだった。
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次はニコンの「ニコンFマウント」レンズ。1位は純正の単焦点レンズ「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」で、シェアは20.5%。Fマウントの販売本数全体の2割を占めるほどの人気ぶりだ。開放F値1.8と明るく、光が少ない室内などでの手持ち撮影に便利だ。ニコンによると、「コンパクトで軽く、明るい単焦点レンズが、3万5000円程度という手頃な価格で手に入る点が人気の理由」(ニコンイメージングジャパンマーケティング部広報宣伝課)だそうだ。
ニコンのAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G(左)とタムロンのAF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD ニコン用
2位も同じくニコン純正。望遠ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」で、シェアは5.7%だった。また、サードパーティの、タムロンの標準ズームレンズ「AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD ニコン用」がシェア4.7%で3位に入った。「キヤノンEFマウント」で2位に入ったレンズのニコン用モデルだ。
順位 | メーカー | 製品名 | 用途 | タイプ | 販売本数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | ニコン | AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G | デジタル専用 | 単焦点 | 20.5 |
2 | ニコン | AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR | デジタル専用 | ズーム | 5.7 |
3 | タムロン | AF18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD ニコン用 | デジタル専用 | ズーム | 4.7 |
4 | ニコン | AF-S DX NIKKOR 16-85mm F3.5-5.6G ED VR | デジタル専用 | ズーム | 4.3 |
5 | ニコン | AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR | デジタル/フイルム用 | ズーム | 4.0 |
6 | ニコン | AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II | デジタル専用 | ズーム | 3.7 |
7 | ニコン | AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF) | デジタル/フイルム用 | ズーム | 3.0 |
8 | ニコン | AF-S Micro-NIKKOR 60mm F2.8G ED | デジタル/フイルム用 | 単焦点 | 2.9 |
9 | ニコン | AF-S NIKKOR 50mm F1.4G | デジタル/フイルム用 | 単焦点 | 2.8 |
10 | ニコン | AF-S DX NIKKOR 10-24mm F3.5-4.5G ED | デジタル専用 | ズーム | 2.5 |
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
ニコンFマウントは、純正が売れている。売れ筋トップ10中、サードパーティはタムロンの1本だけで、ほかはすべてニコン製だった。レンズのタイプは、ズームレンズが7本、単焦点レンズが3本だった。数としてはズームレンズが多いが、シェアで2割を確保する1位の単焦点モデルに人気が集中している。
HOYAの「PENTAX」ブランドの交換レンズはどうだろうか。PENTAXのマウントは「ペンタックスKマウント」だ。1位はタムロンの標準ズームレンズ「AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro ペンタックス用」で、シェア13.6%だった。35mmフィルムカメラ換算で28-300mm相当をカバーする10.7倍ズームだ。持ち運びのときにレンズが飛び出てくるのを防ぐロック機構を備える。
タムロンのAF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro ペンタックス用(左)とHOYAのDA55-300mmF4-5.8ED
2位は、HOYAの純正望遠ズームレンズ「DA55-300mmF4-5.8ED」でシェア5.9%。焦点距離は35mmフィルムカメラ換算で84.5-460mm相当。レンズの前面に汚れが付きにくいコーティングを施している。
順位 | メーカー | 製品名 | 用途 | タイプ | 販売本数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | タムロン | AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro ペンタックス用 | デジタル専用 | ズーム | 13.6 |
2 | HOYA | DA55-300mmF4-5.8ED | デジタル専用 | ズーム | 5.9 |
3 | タムロン | SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] PENTAX | デジタル専用 | ズーム | 5.5 |
4 | HOYA | DA35mmF2.8 Macro Limited | デジタル専用 | 単焦点 | 4.2 |
5 | HOYA | DA35mmF2.4AL ブラック | デジタル専用 | 単焦点 | 3.7 |
5 | HOYA | D FA MACRO 100mmF2.8 WR | デジタル/フイルム用 | 単焦点 | 3.7 |
7 | HOYA | DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR | デジタル専用 | ズーム | 3.4 |
8 | HOYA | DA21mmF3.2AL Limited | デジタル専用 | 単焦点 | 3.4 |
9 | HOYA | DA40mmF2.8 Limited | デジタル専用 | 単焦点 | 3.3 |
10 | HOYA | DA35mmF2.4AL ホワイト | デジタル専用 | 単焦点 | 3.0 |
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
ペンタックスKマウントでは、サードパーティー製が人気を集め、1位のモデルはタムロンだった。タムロンは売れ筋トップ10中2本しか入っていないが、堂々の1位を獲得した。なお、残りの8本はすべてHOYA製だった。レンズのタイプでみると、単焦点レンズが6本、ズームレンズが4本だった。
ソニーはデジタル一眼カメラ「α」で、「Aマウント」と「Eマウント」の2種類のマウント規格をもつ。「Aマウント」は一般的な一眼カメラに、小型の「Eマウント」はミラーレス一眼「NEX-5」「NEX-3」が採用している。「Eマウント」は、現在ソニーが発売している純正レンズ3本しかないので今回は割愛し、「Aマウント」の売れ筋をチェックする。
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「Aマウント」で1位を獲得したのは、ソニー純正の望遠ズームレンズ「75-300mm F4.5-5.6」。シェアは23.8%だった。焦点距離は112.5-450mm相当(35mmフィルムカメラ換算)で、一本でイベントやポートレートなどさまざまなシーンで活躍する。2位は同じく純正で、単焦点レンズ「DT35mm F1.8 SAM」。シェアは10.8%だ。
ソニーの75-300mm F4.5-5.6(左)とタムロンのSP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] ソニー用
サードパーティ製では、3位にタムロンの標準ズームレンズ「SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] ソニー用」が入った。シェアは8.3%。35mmフィルムカメラ換算の焦点距離は26-78mm相当。広角撮影のほか、最短27cmの接写が楽しめる。
順位 | メーカー | 製品名 | 用途 | タイプ | 販売本数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | ソニー | 75-300mm F4.5-5.6 | デジタル/フイルム用 | ズーム | 23.8 |
2 | ソニー | DT35mm F1.8 SAM | デジタル専用 | 単焦点 | 10.8 |
3 | タムロン | SP AF17-50mm F/2.8 XR DiII LD Aspherical [IF] ソニー用 | デジタル専用 | ズーム | 8.3 |
4 | タムロン | AF18-200mm F/3.5-6.3 XR DiII LD Aspherical[IF]Macro ソニー用 | デジタル専用 | ズーム | 8.0 |
5 | シグマ | 70-300mm F4-5.6 DG MACRO ソニー用 | デジタル/フイルム用 | ズーム | 4.0 |
6 | ソニー | DT 50mm F1.8 SAM | デジタル専用 | 単焦点 | 3.1 |
7 | ソニー | DT 30mm F2.8 Macro SAM | デジタル専用 | 単焦点 | 3.0 |
8 | シグマ | APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO ソニー用 | デジタル/フイルム用 | ズーム | 2.7 |
9 | タムロン | SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO ソニー用 | デジタル/フイルム用 | ズーム | 1.9 |
10 | タムロン | AF70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2 ソニー用 | デジタル/フイルム用 | ズーム | 1.7 |
10 | ソニー | 70-300mm F4.5-5.6 G SSM | デジタル/フイルム用 | ズーム | 1.7 |
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
売れ筋トップ10(10位は同位で2本)をみると、メーカー別では純正が人気を集めていて、ソニー製が5本入っている。次いで、タムロン製が4本、シグマ製が2本だった。レンズのタイプでは、ズームレンズが売れていて、8本。単焦点レンズは3本だけだった。
なお、今回割愛した「Eマウント」は、4月1日、レンズ/マウントアダプタメーカーであるカールツァイス、コシナ、シグマ、タムロンに、ソニーが基本仕様を無償開示する。これによって、今後、サードバーティのレンズやマウントアダプタの発売が予想される。
オリンパスやパナソニックが提供している「フォーサーズマウント」をみていこう。フォーサーズマウントは、デジタル一眼カメラ向けのシステムとして、2002年にオリンパスと米イーストマン・コダックが発表した規格だ。
4/3型の撮像素子を使用することで、高画質化と小型化を追求した。特定のメーカーに縛られないオープンなフォーマットなので、現在、オリンパスとパナソニックのほか、三洋電機、シグマ、コシナなど11社が賛同している。
オリンパスのZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6(左)とパナソニックのLEICA D SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
フォーサーズマウントの1位は、オリンパスの望遠ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6」でシェア13.1%。焦点距離140-600mm相当(35mmフィルムカメラ換算)の幅広い画角をカバーする。
パナソニックの製品では、7位に単焦点レンズ「LEICA D SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.」が入った。シェアは6.5%。開放F値1.4と明るいレンズ。最短38cmまで被写体に近づいて撮影できる。
順位 | メーカー | 製品名 | 用途 | タイプ | 販売本数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6 | デジタル専用 | ズーム | 13.1 |
2 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8 | デジタル専用 | 単焦点 | 8.9 |
3 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro | デジタル専用 | 単焦点 | 7.9 |
3 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD | デジタル専用 | ズーム | 7.9 |
5 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 | デジタル専用 | ズーム | 7.0 |
5 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD | デジタル専用 | ズーム | 7.0 |
7 | パナソニック | LEICA D SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. | デジタル専用 | 単焦点 | 6.5 |
7 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5 II | デジタル専用 | ズーム | 6.5 |
9 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 18-180mm F3.5-6.3 | デジタル専用 | ズーム | 5.1 |
10 | オリンパス | ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 | デジタル専用 | ズーム | 3.7 |
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
___page___フォーサーズマウントは、トップ10中、パナソニック製の1本だけ入り、そのほかはすべてオリンパス製だった。これはもともと、パナソニックが提供している製品数が少ないという背景にある。一方、レンズのタイプでは、ズームレンズが7本、単焦点レンズが3本入った。1位がズームレンズということもあり、ズームがより売れている。
最後に、オリンパスとパナソニックがミラーレス一眼で採用している小型の「マイクロフォーサーズマウント」をチェックしよう。マイクロフォーサーズは、フォーサーズマウントの拡張規格。レンズを取り付ける面から撮像素子の距離であるフランジバックをフォーサーズの約1/2に短くし、小型・軽量化を実現した。
また、捉えた画像をリアルタイムでモニタに映し出すライブビューに対応し、内部にミラーボックスをもたない構造をもつ。これが、「ミラーレス一眼」と呼ばれている理由だ。また、フォーサーズと比べてマウント径を小さくしている。マイクロフォーサーズマウントの交換レンズは、オリンパス「OLYMPUS PEN」やパナソニック「LUMIX Gシリーズ」などで使用できる。
パナソニックのLUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.(左)とオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 シルバー
売れ筋の1位は、パナソニックの単焦点レンズ「LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.」でシェア20.4%。軽量・薄型のパンケーキタイプのレンズだ。
一方、オリンパスの製品は、望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 シルバー」がシェア5.2%で5位にランクインしている。焦点距離80-300mm相当(35mmフィルムカメラ換算)の広い画角を、重さわずか190gのボディで実現している。
売れ筋トップ10では、パナソニック製が6本、オリンパス製が4本だった。また、レンズのタイプは、単焦点レンズが2本、ズームレンズが8本。1位と2位がそれぞれ単焦点とズームなので、どちらも人気を集めているようだ。
順位 | メーカー | 製品名 | 用途 | タイプ | 販売本数 シェア(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | パナソニック | LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. | デジタル専用 | 単焦点 | 20.4 |
2 | パナソニック | LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S. | デジタル専用 | ズーム | 17.2 |
3 | パナソニック | LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S. | デジタル専用 | ズーム | 8.1 |
4 | パナソニック | LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S | デジタル専用 | ズーム | 7.6 |
5 | オリンパス | M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 シルバー | デジタル専用 | ズーム | 5.2 |
6 | パナソニック | LUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH. | デジタル専用 | ズーム | 4.8 |
6 | オリンパス | M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 | デジタル専用 | ズーム | 4.8 |
8 | パナソニック | LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. | デジタル専用 | 単焦点 | 4.3 |
9 | オリンパス | M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 ブラック | デジタル専用 | ズーム | 3.6 |
10 | オリンパス | M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II シルバー | デジタル専用 | ズーム | 3.3 |
「BCNランキング」2011年2月 月次 <最大パネル>
「マイクロフォーサーズマウント」は、サードパーティ製として光学機器メーカーコシナのほか、2月には独カールツァイス、独シュナイダー、駒村商会が賛同しており、今後、各社から同規格に準拠した交換レンズやアクセサリの発売が期待できる。
交換レンズの売れ行きは、デジタル一眼カメラの市場に左右される。現在、デジタル一眼カメラのユーザーは、中・上級者だけでなく、女性や若者をはじめとした初級者に広がっている。しかし、エントリーユーザーは、一眼カメラのレンズキットに付属する交換レンズで満足し、後から別途レンズを購入しないケースが多いのが実情だろう。
前述したとおり、この春以降、ソニー「Eマウント」やオリンパスとパナソニックの「マイクロフォーサーズマウント」にサードパーティー製が加わることとで、ミラーレス一眼の交換レンズの選択肢の広がりに期待できそうだ。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。