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富士フイルム、世界初の「ハイブリッドビューファインダー」搭載「FinePix X100」などデジタルカメラ6機種

ニュース

2011/02/08 20:28

 富士フイルムは、2月8日、光学ファインダーと電子ビューファインダーの切り替えが可能な世界初の「ハイブリッドビューファインダー」を搭載した「FinePix X100」など、デジタルカメラの新製品6機種を、2月26日から順次発売すると発表した。

 新製品の目玉は、新たに投入する高級機「FinePix X100」。クリアな視野でのフレーミングを可能にしながら、シャッタースピードや絞り値などの多彩な撮影情報をデジタル表示する独自の光学ファインダー(OVF)と、144万ドットの高精細液晶パネルを使った電子ビューファインダー(EVF)を切り替えて使える世界初の「ハイブリッドビューファインダー」を搭載した。また、35mmフィルム換算で35mmの単焦点・F2.0フジノンレンズと、レンズの性能を最大限に生かすための1230万画素のAPS-CサイズCMOSセンサ、信号処理能力を高速化した新画像処理エンジン「EXRプロセッサー」を備える。

新たに投入する高級コンデジ「FinePix X100」。別売のレザーケースを装着(上)

 ボディには、天面軍艦部と底面パーツにマグネシウムダイキャストを採用したほか、操作感やシャッター音など、細部までこだわった。実勢価格は13万円前後の見込み。最高級機種に位置付ける。

高級機「FinePix X100」に自信を示す樋口武・取締役常務執行役員電子映像事業部長

 発表会で、樋口武取締役常務執行役員電子映像事業部長は、「FinePix X100」について、「レンズ交換式一眼レフやミラーレスなどの他社製品とは異なる」と説明。「独自技術を生かしたコンパクトカメラの最高級機種で、新しい市場をつくっていきたい」と、自信を示した。国内生産であることも付加価値として打ち出し、3月5日に国内で発売。プロやハイアマチュアなど、本物志向のこだわり派をターゲットに、初年度10万台の販売を目指す。今後は「FinePix X100」をシリーズ展開していく方針で、国内での発売後は海外市場にも投入する。

左から「FinePix HS20EXR」「FinePix F550EXR」(レッド)

 「FinePix HS20EXR」と「FinePix F550EXR」にも、新開発の1600万画素「EXR CMOSセンサー」と画像処理エンジン「EXRプロセッサー」を採用。明るいシーンから暗いシーン、明暗差があるシーンなどが最適な画質で撮影できる。暗いシーンでの撮影では、EXR独自の画素混合と受光効率がすぐれた裏面照射型CMOSセンサーのメリットを組み合わせ、静止画のノイズ量を最大約8分の1に低減する。フルハイビジョン(HD)動画は、従来機種に比べて40%明るく撮影できる。

 「FinePix HS20EXR」は、35mmフィルム換算で広角24mmからの光学式30倍マニュアルズームレンズを搭載。「FinePix F550EXR」は広角24mmからの光学式15倍ズームレンズを搭載する。カラーは、シャンパンゴールド、ブラック、ホワイト、レッドの4色を揃える。

「FinePix XP30」(ブルー)

 そのほかコンパクトモデルで、5m防水・1.5m耐衝撃構造・-10度耐寒・防塵など、アウトドアシーンに適した「FinePix XP30」、予備バッテリ付きで旅行などに適した10倍ズームレンズ搭載「FinePix T300」、5倍ズームレンズ搭載のエントリーモデル「FinePix JX400」を発表した。

左から「FinePix T300」(ガンメタル)、「FinePix JX400」(ピンク)

 「FinePix F550EXR」と「FinePix XP30」は、FinePixシリーズとして初めてGPS機能を搭載。世界の都市やランドマークの名称と位置情報、約50万件のデータベースを内蔵し、撮影画像を再生すると場所や名称を表示する。さらに、現在地からその地点までの距離と方角を表示する「フォトコンパス」機能を備える。

 実勢価格と発売日は、「FinePix HS20EXR」が5万円前後で3月5日発売、「FinePix F550EXR」が4万円前後で2月26日発売、「FinePix XP30」が2万5000円前後で3月12日発売、「FinePix T300」が2万5000円前後で3月中旬発売、「FinePix JX400」が1万5000円で3月5日発売。

四宮啓司コンシューマ営業本部長

 富士フイルムの今年度(2011年3月期)第1四半期から第3四半期までのワールドワイドでのデジタルカメラの販売状況は、前年同期比24%増の890万台で、新興国向けの販売拡大が貢献し、前年を大きく上回った。通期では1200万台の見込み。「毎年20%増の成長を目指す」(樋口取締役)としている。

 国内販売の状況について、四宮啓司コンシューマ営業本部長は「市場全体は、台数ベースでは前年比8.5%増の1057万台と前年を上回ったが、金額では95.4%に減少した。コモディティ化と低価格化が進んでいるが、当社は、Z700EXR、Z800EXR、F300EXRを中心に順調に推移した」と振り返った。今後は、「撮影から出力まで提供する総合映像メーカーとして、2011年はさらに差異化を図っていく」と語った。