カシオ計算機は、2月4日、コンパクトデジタルカメラ「EXILIM」の新製品として、可動式のフレームとモニタが付属し、多彩な撮影スタイルが楽しめる「EX-TR100」を4月に発売すると発表した。価格はオープンで、実勢価格は4万円の前後見込み。

　360度回転するフレームと、270度角度が調節できるモニタを採用。通常のコンパクトデジタルカメラでは撮影できないような持ち方で、さまざまな画角の写真を撮影することができる。例えば、フレーム部分を持ったハイ・ローアングル撮影や、フレームを使ってカメラを自立させ、卓上に置いて自分撮りができる。また、壁の上部にフレーム引っかけて、パーティーなどで大人数を撮影することができる。

　モニタはタッチパネル式3.0型液晶で、シャッター操作やメニュー画面操作などが直感的にできる。撮像素子は有効1210万画素の裏面照射型1/2.3型CMOS、レンズは焦点距離が約21mm（35mmフィルムカメラ換算）の単焦点レンズを搭載する。高画質エンジン「EXILIM ENGINE HS」を備え、高画質と画像データの高速処理を実現した。

　このほか、芸術的な作品が作り出せる「HDRアート」機能を搭載。ワンシャッターで露出の異なる画像を連写で撮影し、一枚の写真に合成することでコントラストや彩度の強弱を付けた作品を作ることができる。アート効果は3段階から選択する。

　1920×1080ピクセルのフルハイビジョン動画撮影に対応し、ムービーカメラとして活用することもできる。外部メモリはSD/SDHC/SDXCカードで、約34.8MBの内蔵メモリを備える。電源はリチウムイオン充電池。サイズは幅122.8×高さ59.0×奥行き14.9mm、重さは約155g。カラーはホワイトとブラック。

　「EX-TR100」のデザインを担当した長山洋介デザインセンタープロダクトデザイン部第一デザイン室長は「コンパクトデジタルカメラの要素であるレンズ、モニタ、ボディを分解して考えた。ボディとしてフレームを採用することで、ユーザー自身で自由な撮影方法を生み出せる」とメリットを述べた。

　また、中山仁執行役員QV事業部長は、「『写真革命』というキーワードの下、従来の既成概念にとらわれることなく、新しい製品を投入していく」と意気込みを語った。今後の製品戦略については、「（EX-TR100のような）高単価な製品が売れる土壌を築いていきたい」とした。