2010年10月の携帯電話ランキング、iPhone 4の好調続く、メーカー別でもアップルが1位に

特集

2010/11/15 18:59

 2010年10月の携帯電話ランキングは、「iPhone 4」の32GBモデルが前月に続き、トップを獲得。スマートフォンは、「iPhone 4」に加え、10月発売の「GALAXY S」や「Xperia」も好調な売れ行きを示し、携帯電話全体の販売台数に占める比率は、9月の27.8%から33.1%に上昇。ついに3割を突破した。

注目のドコモの新スマートフォン「GALAXY S」は5位、発売日に売れまくる



 「BCNランキング」によると、スマートフォンを含む2010年10月の携帯電話全体の販売台数1位は、ソフトバンクモバイルのアップル製スマートフォン「iPhone 4」の32GBモデル、2位は同じく「iPhone 4」の16GBモデルだった。

 前月2位だったNTTドコモのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のAndroid搭載スマートフォン「Xperia SO-01B」は3位に後退。4位にはドコモの「P-07B」、5位には「GALAXY S SC-02B」が入った。4位の「P-07B」を除き、すべてスマートフォンだ。

2010年10月 携帯電話
販売台数ランキング<全キャリア合算>
順位 キャリア メーカー 品名 型番 タイプ 発売年月
1 SoftBank アップル iPhone 4 32GB iPhone 4 32GB スマートフォン 2010/06
2 SoftBank アップル iPhone 4 16GB iPhone 4 16GB スマートフォン 2010/06
3 NTTドコモ ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ Xperia SO-01B スマートフォン 2010/04
4 NTTドコモ パナソニック モバイルコミュニケーションズ P-07B P-07B - 2010/09
5 NTTドコモ SAMSUNG(サムスン電子) GALAXY S SC-02B スマートフォン 2010/10
6 au 日立コンシューマエレクトロニクス beskey HIY02 - 2010/06
7 auk 京セラ 簡単ケータイ K004 K004 - 2010/02
8 NTTドコモ 富士通 らくらくホン ベーシックII F-07A - 2009/04
9 NTTドコモ NECカシオモバイルコミュニケーションズ N-06B N-06B - 2010/06
10 NTTドコモ NECカシオモバイルコミュニケーションズ 瞬撮ケータイ N-04B - 2010/05
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年10月 月次<最大パネル>

 「GALAXY S SC-02B」は、海外の人気機種を日本向けにカスタマイズしたサムスン電子製のAndroid搭載スマートフォン。マルチタッチに対応する約4.0インチの有機ELディスプレイと最新のAndroid2.2を搭載し、iPhoneでは再生できないFlashコンテンツを再生できる。発売前から予約を積み上げ、発売初日の10月28日1日だけで、10月の総販売台数の58%を売り上げた。

 月間では5位だったが、発売日を含む2010年10月第4週(2010年10月25日-10月31日)の週次集計では、iPhone 4の32GBモデルを抑えて1位を獲得。しかし、予約しないと買えない品薄状態が響いて、翌週11月第1週(11月1日-7日)は5位にダウンした。人気機種は発売前に予約して購入する人が多くなっているが、実機に触ってから決めたい人もいるはず。今後も上位に食い込めるかどうかは、品薄状態の解消と、先行して購入したユーザーの評価にかかっているだろう。

10月28日発売のNTTドコモのスマートフォン「GALAXY S SC-02B」

 続いて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年10月の月間トップ10を紹介しよう。

 NTTドコモは、前月に引き続き、「Xperia」が1位、「P-07B」が2位を獲得。4位の「らくらくホン ベーシックII」以下、10位までは従来タイプの携帯電話が並ぶ。

2010年10月 携帯電話
キャリア別 販売台数ランキング<NTTドコモ>
順位 メーカー 品名 型番 メインカメラの有効画素数(画素) 形状 発売年月
1 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ Xperia SO-01B 約810万 ストレート 2010/04
2 パナソニック モバイルコミュニケーションズ P-07B P-07B 約510万 折りたたみ 2010/09
3 SAMSUNG GALAXY S SC-02B 約500万 ストレート 2010/10
4 富士通 らくらくホン ベーシックII F-07A 約200万 折りたたみ 2009/04
5 NECカシオモバイルコミュニケーションズ N-06B N-06B 約510万 折りたたみ 2010/06
6 NECカシオモバイルコミュニケーションズ 瞬撮ケータイ N-04B 約1220万 回転2軸 2010/05
7 富士通 らくらくホン7 F-09B 約810万 折りたたみ 2010/07
8 富士通 ekubo F-08B 約510万 折りたたみ 2010/06
9 シャープ AQUOS SHOT SH-07B 約1210万 回転2軸 2010/05
10 富士通 F-06B F-06B 約1320万 スライド 2010/06
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年10月 月次<最大パネル>

 KDDI(au)も、前月に続き、「beskey HIY02」が1位を獲得。11月の新機種発表前の端境期に当たったため、トップ10の顔ぶれは前月とほとんど変わらなかった。前月10位だったシャープ製のAndroid搭載スマートフォン「IS01」は、5位にランクアップ。auは、今後、スマートフォンに力を入れていくと発表しており、11月以降は大きく順位が動きそうだ。

2010年10月 携帯電話
キャリア別 販売台数ランキング<au>
順位 メーカー 品名 型番 メインカメラの有効画素数(画素) 形状 発売年月
1 日立コンシューマエレクトロニクス beskey HIY02 808万 折りたたみ 2010/06
2 京セラ 簡単ケータイ K004 K004 197万 折りたたみ 2010/02
3 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ URBANO BARONE SOY03 514万 折りたたみ 2010/02
4 京セラ K002 K002 320万 折りたたみ 2009/05
5 シャープ IS01 IS01 527万 折りたたみ 2010/06
6 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ Cyber-shotケータイ S003 S003 1209万 スライド 2010/05
7 東芝 T003 T003 322万 折りたたみ 2009/11
8 シャープ SOLAR PHONE SH007 SH007 800万 折りたたみ 2010/06
9 京セラ 簡単ケータイ K005 K005 331万 折りたたみ 2010/06
10 京セラ SA002 SA002 808万 スライド 2010/05
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年10月 月次<最大パネル>

アップルが全キャリア合算メーカー別販売台数シェアで初のトップに



 ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、1位から4位まで、すべて前月と同じ。7月から4か月連続で「iPhone 4」の32GBモデル、16GBモデルが1位・2位を占めている。ちなみに、ソフトバンクモバイルは、電気通信事業者協会(TCA)が集計しているキャリア別純増数(新規契約から解約を差し引いた数)で、7か月連続トップを記録。10月は32万4200の純増と、NTTドコモの5万7700、auの5万8400を大きく引き離している。

2010年10月 携帯電話
キャリア別 販売台数ランキング<SoftBank>
順位 メーカー 品名 型番 メインカメラの有効画素数(画素) 形状 発売年月
1 アップル iPhone 4 32GB iPhone 4 32GB 500万 ストレート 2010/06
2 アップル iPhone 4 16GB iPhone 4 16GB 500万 ストレート 2010/06
3 パナソニック モバイルコミュニケーションズ COLOR LIFE 840P 840P 200万 折りたたみ 2009/12
4 シャープ Jelly Beans 840SH 840SH 200万 折りたたみ 2010/02
5 SAMSUNG 740SC 740SC 200万 折りたたみ 2009/10
6 シャープ AQUOS SHOT 945SH 945SH 1210万 回転2軸 2010/07
7 シャープ THE PREMIUM6 WATERPROOF 841SH 320万 折りたたみ 2010/06
8 シャープ AQUOSケータイ 943SH 943SH 800万 折りたたみ 2010/03
9 シャープ THE PREMIUM5 942SH 800万 折りたたみ 2010/02
10 SAMSUNG AQUA STYLE 840SC 840SC 314万 折りたたみ 2010/06
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年10月 月次<最大パネル>

 2010年10月の携帯電話全体の販売台数に占める、32GBモデルと16GBモデルを合算した「iPhone 4」のシェアは21.1%。あくまでも「BCNランキング」の集計対象の量販店に限った話だが、1か月間に売れた携帯電話のおよそ5台に1台が「iPhone 4」という計算になる。

人気が衰えない「iPhone 4」

 携帯電話全体のメーカー別販売台数でも、10月はアップルがシェア21.2%で初のトップに立った。前月1位だったシャープは、1位と6.8ポイント差の14.4%で2位に後退。以下、3位はパナソニック モバイルコミュニケーションズ(11.9%)、4位は富士通(9.61%)、5位はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(9.60%)だった。他の端末メーカーとは異なり、アップルのラインアップは実質「iPhone 4」1機種だけ。驚異的な数字といえる。

 好調が続く「iPhone 4」「Xperia」に「GALAXY S」が加わったことで、10月の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、過去最大の33.1%に達した。ただ、キャリアによってスマートフォンの比率は異なり、「iPhone 4」を販売するソフトバンクモバイルは71.9%と、非常に高い。対して、NTTドコモは23.6%、auはわずか6.3%にとどまっている。10月の時点では、auの出遅れは明らかだ。 


 各キャリアとも、今月11月から来春にかけて、多くの新しいスマートフォンを発売すると発表している。果たしてauは挽回できるのか? また、「iPhone 4」は独走状態を保てるのか? 今後の販売動向次第では、キャリアの勢力図まで塗り変わりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


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