2010年9月の携帯電話ランキング、iPhone 4 32GBがトップ獲得も2位とは僅差
2010年7月・8月の携帯電話ランキングでは、2位以下を大きく引き離してダントツのトップだった「iPhone 4」の32GBモデル。9月もトップを維持したものの、2位の「Xperia」とはわずか0.1ポイント差だった。携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、8月の20.2%から過去最大の27.8%に上昇。トップ3は、「iPhone 4」と「Xperia」が独占した。
「BCNランキング」によると、スマートフォンを含む、2010年9月の携帯電話全体の販売台数1位はソフトバンクモバイルのアップル製スマートフォン「iPhone 4」の32GBモデル、2位はNTTドコモのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のAndroid搭載スマートフォン「Xperia SO-01B」、3位は1位と同じ「iPhone 4」の16GBモデルだった。
「Xperia」の月間販売台数は、発売直後の4月をピークに減少傾向にあったが、9月は前月から大幅に増加した。iモードと同じメールアドレスが使えるスマートフォン向けISP「spモード」が9月1日からスタートし、スマートフォンの大きな弱点だった「今まで使っていたメールアドレスが使えない」という問題を解消したことが最大の要因だろう。
もちろん、「iPhone 4」の32GBモデルと16GBモデルを合算すれば、7月・8月同様、ダントツの1位であることには変わりはない。しかし、これまで32GBモデルに集中していた「iPhone 4」の人気が分散してきたことと、ドコモのスマートフォン向けサービスの強化が重なり、「iPhone 4」の32GBモデルのシェア9.3%に対し、「Xperia」が9.2%と、わずか0.1ポイント差まで接近した。9月1日~9月28日までの途中集計では「Xperia」がトップに立ったほど、差は小さい。
続いて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年9月の月間トップ10を紹介しよう。
NTTドコモは、前月に引き続き、「Xperia」が1位を獲得。2位には9月発売のパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P-07B」、3位には富士通製のシニア向け携帯電話「らくらくホン7」が入った。
KDDI(au)は、6月発売の「beskey HIY02」が前月10位から大幅ランクアップで1位を獲得。また、シャープ製のAndroid搭載スマートフォン「IS01」がトップ10内に再登場した。7月は9位、8月は16位だったが、9月は10位と、再び順位を上げてきた。スマートフォン向けキャンペーン「ISデビュー割」(キャンペーン期間の延長に伴い、現在は「IS01/02割」に名称を変更)の効果が出たようだ。
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ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、トップ10の顔ぶれにほとんど変動はなかった。「iPhone 4」の32GBモデル、16GBモデルが1位・2位を占め、3位以下はシャープ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の従来タイプの携帯電話が並ぶ。
注目は、10位に入った「ガンプラケータイ 945SH G Ver.GP30th」。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』ではなく、ガンダムのプラモデル「ガンプラ」の30周年を記念した特別仕様モデルで、2007年発売の「シャア専用ケータイ」ほど話題になっていないようにみえたが、やはりガンダム人気は根強かった。数量限定販売だが、ソフトバンクモバイルのオンラインショップでは、10月8日現在、まだ購入することができる。
携帯電話業界では、10月に入って、いくつかトピックスがあった。一つには、富士通と東芝の携帯電話事業の統合と新会社の発足。もう一つが、au、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルから、Android搭載スマートフォンが相次いで発表されたことだ。
特に11月下旬発売予定のauのシャープ製Android搭載マートフォン「IS03」は、おサイフケータイやワンセグ、赤外線通信などに対応し、従来の携帯電話とスマートフォンのイイとこ取りの1台。auのスマートフォンに対する意気込みがうかがえる(詳しくは「auスマートフォン第3弾、おサイフケータイ対応の「IS03」、カラーはオレンジも」を参照)。ドコモは、SAMSUNG電子製の「GALAXY S」を発表、さらに11月には、追加で5機種のスマートフォンを発表する予定という。
2010年9月の携帯電話全体のメーカー別販売台数1位は、主要3キャリアすべてに端末を供給するシャープが獲得。シェアは16.7%だった。2位は「iPhone」のアップルで、シェアは16%。以下、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(13.2%)、NECカシオモバイルコミュニケーションズ※(12.6%)、富士通(11.7%)、パナソニック モバイルコミュニケーションズ(11.7%)、京セラ(9.8%)と続く。富士通と事業統合する東芝はシェア4.1%で8位だった。
※NECカシオモバイルコミュニケーションズの数値は、事業統合後に発売した製品と、事業統合前に個々のメーカーが発売した製品の販売台数を合算して集計
この上位7社に限って、過去1年間のシェアの推移をみると、2010年4月以降、1位のシャープのシェアがダウンし、7月以降は、アップルが大きく伸びている。その他のメーカーは月によってかなり上下している。2008年に「D」の略称で知られた三菱電機が撤退、2010年6月には、NECとカシオ、日立の携帯電話事業を統合し、新たにNECカシオモバイルコミュニケーションズが発足するなど、国内の携帯電話メーカーの再編が進む。その一方で、ここ数か月のアップルの躍進には目覚ましいものがある。
2010年9月の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、過去最大の27.8%を記録し、1か月間に新たに販売された携帯電話の3割近くに達した。新サービス「spモード」のスタートが最大の要因と思われる「Xperia」の9月の好調ぶりをみると、手持ちの携帯電話からスマートフォンへの乗り換えの条件として、「従来の携帯電話のアドレスが使えること」に対するニーズはかなり高そうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。
spモード開始で「Xperia」人気復活、1位に0.1ポイント差まで迫る
「BCNランキング」によると、スマートフォンを含む、2010年9月の携帯電話全体の販売台数1位はソフトバンクモバイルのアップル製スマートフォン「iPhone 4」の32GBモデル、2位はNTTドコモのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のAndroid搭載スマートフォン「Xperia SO-01B」、3位は1位と同じ「iPhone 4」の16GBモデルだった。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | タイプ | 発売年月 |
1 | SoftBank | アップル | iPhone 4 32GB | iPhone 4 32GB | スマートフォン | 2010/06 |
2 | NTTドコモ | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia | SO-01B | スマートフォン | 2010/04 |
3 | SoftBank | アップル | iPhone 4 16GB | iPhone 4 16GB | スマートフォン | 2010/06 |
4 | au | 日立コンシューマエレクトロニクス | beskey | HIY02 | - | 2010/06 |
5 | au | 京セラ | 簡単ケータイ K004 | K004 | - | 2010/02 |
6 | NTTドコモ | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-07B | P-07B | - | 2010/09 |
7 | NTTドコモ | 富士通 | らくらくホン7 | F-09B | - | 2010/07 |
8 | au | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | URBANO BARONE | SOY03 | - | 2010/02 |
9 | NTTドコモ | 富士通 | F-06B | F-06B | - | 2010/06 |
10 | NTTドコモ | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | N-06B | N-06B | - | 2010/06 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年9月 月次<最大パネル>
「Xperia」の月間販売台数は、発売直後の4月をピークに減少傾向にあったが、9月は前月から大幅に増加した。iモードと同じメールアドレスが使えるスマートフォン向けISP「spモード」が9月1日からスタートし、スマートフォンの大きな弱点だった「今まで使っていたメールアドレスが使えない」という問題を解消したことが最大の要因だろう。
「spモード」の開始とともに大きく販売台数が伸びた「Xperia」
もちろん、「iPhone 4」の32GBモデルと16GBモデルを合算すれば、7月・8月同様、ダントツの1位であることには変わりはない。しかし、これまで32GBモデルに集中していた「iPhone 4」の人気が分散してきたことと、ドコモのスマートフォン向けサービスの強化が重なり、「iPhone 4」の32GBモデルのシェア9.3%に対し、「Xperia」が9.2%と、わずか0.1ポイント差まで接近した。9月1日~9月28日までの途中集計では「Xperia」がトップに立ったほど、差は小さい。
メモリ容量が異なる32GBモデルと16GBモデルをラインアップする「iPhone 4」
続いて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年9月の月間トップ10を紹介しよう。
NTTドコモは、前月に引き続き、「Xperia」が1位を獲得。2位には9月発売のパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P-07B」、3位には富士通製のシニア向け携帯電話「らくらくホン7」が入った。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia | SO-01B | 約810万 | ストレート | 2010/04 |
2 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | P-07B | P-07B | 約510万 | 折りたたみ | 2010/09 |
3 | 富士通 | らくらくホン7 | F-09B | 約810万 | 折りたたみ | 2010/07 |
4 | 富士通 | F-06B | F-06B | 約1320万 | スライド | 2010/06 |
5 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | N-06B | N-06B | 約510万 | 折りたたみ | 2010/06 |
6 | 富士通 | らくらくホン ベーシックII | F-07A | 約200万 | 折りたたみ | 2009/04 |
7 | 富士通 | ekubo | F-08B | 約510万 | 折りたたみ | 2010/06 |
8 | 富士通 | F-07B | F-07B | 約1220万 | 回転2軸 | 2010/05 |
9 | シャープ | AQUOS SHOT | SH-07B | 約1210万 | 回転2軸 | 2010/05 |
10 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | VIERAケータイ | P-06B | 約1320万 | 回転2軸 | 2010/07 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年9月 月次<最大パネル>
KDDI(au)は、6月発売の「beskey HIY02」が前月10位から大幅ランクアップで1位を獲得。また、シャープ製のAndroid搭載スマートフォン「IS01」がトップ10内に再登場した。7月は9位、8月は16位だったが、9月は10位と、再び順位を上げてきた。スマートフォン向けキャンペーン「ISデビュー割」(キャンペーン期間の延長に伴い、現在は「IS01/02割」に名称を変更)の効果が出たようだ。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | 日立コンシューマエレクトロニクス | beskey | HIY02 | 808万 | 折りたたみ | 2010/06 |
2 | 京セラ | 簡単ケータイ K004 | K004 | 197万 | 折りたたみ | 2010/02 |
3 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | URBANO BARONE | SOY03 | 514万 | 折りたたみ | 2010/02 |
4 | 京セラ | SA002 | SA002 | 808万 | スライド | 2010/05 |
5 | 京セラ | K002 | K002 | 320万 | 折りたたみ | 2009/05 |
6 | シャープ | AQUOS SHOT SH008 | SH008 | 1210万 | 回転2軸 | 2010/06 |
7 | 京セラ | 簡単ケータイ K005 | K005 | 331万 | 折りたたみ | 2010/06 |
8 | 東芝 | T003 | T003 | 322万 | 折りたたみ | 2009/11 |
9 | シャープ | SOLAR PHONE SH007 | SH007 | 800万 | 折りたたみ | 2010/06 |
10 | シャープ | IS01 | IS01 | 527万 | 折りたたみ | 2010/06 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年9月 月次<最大パネル>
大幅ランクアップで1位を獲得した「beskey」
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ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、トップ10の顔ぶれにほとんど変動はなかった。「iPhone 4」の32GBモデル、16GBモデルが1位・2位を占め、3位以下はシャープ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の従来タイプの携帯電話が並ぶ。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | アップル | iPhone 4 32GB | iPhone 4 32GB | 500万 | ストレート | 2010/06 |
2 | アップル | iPhone 4 16GB | iPhone 4 16GB | 500万 | ストレート | 2010/06 |
3 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 840P | 840P | 200万 | 折りたたみ | 2009/12 |
4 | シャープ | Jelly Beans 840SH | 840SH | 200万 | 折りたたみ | 2010/02 |
5 | シャープ | THE PREMIUM6 WATERPROOF | 841SH | 320万 | 折りたたみ | 2010/06 |
6 | シャープ | AQUOS SHOT 945SH | 945SH | 1210万 | 回転2軸 | 2010/07 |
7 | シャープ | THE PREMIUM5 | 942SH | 800万 | 折りたたみ | 2010/02 |
8 | SAMSUNG | AQUA STYLE 840SC | 840SC | 314万 | 折りたたみ | 2010/06 |
9 | シャープ | かんたん携帯 | 843SH | 320万 | 折りたたみ | 2010/08 |
10 | シャープ | ガンプラケータイ 945SH G Ver.GP30th | 945SH G | 1210万 | 回転2軸 | 2010/09 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年9月 月次<最大パネル>
注目は、10位に入った「ガンプラケータイ 945SH G Ver.GP30th」。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』ではなく、ガンダムのプラモデル「ガンプラ」の30周年を記念した特別仕様モデルで、2007年発売の「シャア専用ケータイ」ほど話題になっていないようにみえたが、やはりガンダム人気は根強かった。数量限定販売だが、ソフトバンクモバイルのオンラインショップでは、10月8日現在、まだ購入することができる。
携帯電話のメーカー別シェア、シャープはダウンでアップルが伸びる
携帯電話業界では、10月に入って、いくつかトピックスがあった。一つには、富士通と東芝の携帯電話事業の統合と新会社の発足。もう一つが、au、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルから、Android搭載スマートフォンが相次いで発表されたことだ。
特に11月下旬発売予定のauのシャープ製Android搭載マートフォン「IS03」は、おサイフケータイやワンセグ、赤外線通信などに対応し、従来の携帯電話とスマートフォンのイイとこ取りの1台。auのスマートフォンに対する意気込みがうかがえる(詳しくは「auスマートフォン第3弾、おサイフケータイ対応の「IS03」、カラーはオレンジも」を参照)。ドコモは、SAMSUNG電子製の「GALAXY S」を発表、さらに11月には、追加で5機種のスマートフォンを発表する予定という。
2010年9月の携帯電話全体のメーカー別販売台数1位は、主要3キャリアすべてに端末を供給するシャープが獲得。シェアは16.7%だった。2位は「iPhone」のアップルで、シェアは16%。以下、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(13.2%)、NECカシオモバイルコミュニケーションズ※(12.6%)、富士通(11.7%)、パナソニック モバイルコミュニケーションズ(11.7%)、京セラ(9.8%)と続く。富士通と事業統合する東芝はシェア4.1%で8位だった。
※NECカシオモバイルコミュニケーションズの数値は、事業統合後に発売した製品と、事業統合前に個々のメーカーが発売した製品の販売台数を合算して集計
この上位7社に限って、過去1年間のシェアの推移をみると、2010年4月以降、1位のシャープのシェアがダウンし、7月以降は、アップルが大きく伸びている。その他のメーカーは月によってかなり上下している。2008年に「D」の略称で知られた三菱電機が撤退、2010年6月には、NECとカシオ、日立の携帯電話事業を統合し、新たにNECカシオモバイルコミュニケーションズが発足するなど、国内の携帯電話メーカーの再編が進む。その一方で、ここ数か月のアップルの躍進には目覚ましいものがある。
2010年9月の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、過去最大の27.8%を記録し、1か月間に新たに販売された携帯電話の3割近くに達した。新サービス「spモード」のスタートが最大の要因と思われる「Xperia」の9月の好調ぶりをみると、手持ちの携帯電話からスマートフォンへの乗り換えの条件として、「従来の携帯電話のアドレスが使えること」に対するニーズはかなり高そうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。