新製品ぞくぞく発表、勢いづくデジタル一眼の売れ筋ランキング2010年8月
8月は、ニコンの初心者向け「D3100」、透過ミラーを採用するソニーの「α55」「α33」、キヤノンの中級機「EOS 60D」と、次々にデジタル一眼の新製品が発表された。発売を待ちわびながら、2010年8月のデジタル一眼の売れ筋ランキングトップ10をチェックしていこう。カラーバリエーションや付属レンズなどの違いは合算して集計した。
1位は、販売台数シェア18.5%でキヤノン「EOS Kiss X4」が獲得した。先月に引き続き18%台と、安定して高いシェアを維持している。2位には、根強い人気を誇るニコン「D90」がランクイン。シェアは14.2%だった。
3位は、フルハイビジョン(フルHD)動画を撮影できるソニーのミラーレス一眼「NEX-5」で、シェアは9.7%。今年6月の発売以来、3位以上をキープしている。MP4動画の「NEX-3」も8位にランクイン。「NEX」シリーズは市場に定着しつつあるようだ。
「NEX」シリーズの売れ行きが好調のソニーは、9月10日にデジタル一眼として光を通す透過ミラーを世界で初めて採用したAマウントの普及機「α55」と「α33」を発売した。
デジタル一眼の一般的なミラーの代わりにレンズからの光を常にCMOSセンサとAFセンサに当てる透過ミラーを採用し、被写体に瞬時にフォーカス。シャッター時のミラーのアップダウンがなくなることで、「α55」は1秒間に最高10コマ、「α33」は最高7コマの高速連写を実現した。動画撮影でも高速AFが働き、動きの速い被写体でもピントを合わせ続ける。ソニーはこれらを「スピード一眼」と位置づけた。
ソニーは6月の「NEX」発売以降、急速に販売台数シェアを伸ばし、3か月連続で3位につけている。「α55」と「α33」の発売で、さらにキヤノン、ニコンの2強に迫ることができるのか、注目したい。
8月は、キヤノンとニコンも新製品を発表した。キヤノンは中級機「EOS 60D」。バリアングル式液晶を採用し、多彩な撮影スタイルに対応する。有効画素数を「EOS 50D」の約1510万画素から約1800万画素に向上したほか、ISOは常用で100-3200から100-6400まで高めた。フルHD動画撮影にも対応。EOSシリーズとして初めてRAWで撮影した画像のカメラ内現像を実現した。9月中旬の発売予定だ。
ニコンは、ニコンDXフォーマットのエントリーモデル「D3100」を9月16日に発売する。新開発の有効1420万画素のCMOSセンサと新画像処理エンジン「EXPEED 2」を搭載。静止画も動画も、鮮やかな色彩で忠実に再現する。
「ガイドモード」を前モデル「D3000」に引き続き搭載。「夜景をバックに人物を撮る」「背景をぼかして撮る」など、デジタル一眼初心者にとっては難しい撮影も、液晶モニタに表示するガイドに従って操作するだけで、簡単に思い通りの写真を撮影できる。
8月のデジタル一眼市場は、ミラーレス陣の健闘もあって、対前年同月比が販売台数で161.8%、金額で137.2%と、好調を維持した。また、デジタルカメラ全体に占めるデジタル一眼の販売台数構成比は、2010年1月は10.4%だったが、ソニーの「NEX」シリーズが登場した6月は15.3%、8月も12.0%と、拡大している。9月に新製品が続々と登場することで、デジタル一眼市場はさらに勢いを増すだろう。(BCN・武井美野里)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 画素数(万画素) | 販売台数シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | キヤノン | EOS Kiss X4 | 1800 | 18.5 |
2 | ニコン | D90 | 1230 | 14.2 |
3 | ソニー | NEX-5 | 1420 | 9.7 |
4 | ニコン | D5000 | 1230 | 7.7 |
5 | オリンパス | OLYMPUS PEN Lite E-PL1 | 1230 | 7.0 |
6 | キヤノン | EOS Kiss X3 | 1510 | 6.8 |
7 | HOYA | PENTAX K-x | 1240 | 4.4 |
8 | ソニー | NEX-3 | 1420 | 4.3 |
9 | ニコン | D3000 | 1020 | 4.1 |
10 | パナソニック | LUMIX GF1 | 1210 | 3.6 |
「BCNランキング」 2010年8月月次 <最大パネル>
1位は、販売台数シェア18.5%でキヤノン「EOS Kiss X4」が獲得した。先月に引き続き18%台と、安定して高いシェアを維持している。2位には、根強い人気を誇るニコン「D90」がランクイン。シェアは14.2%だった。
EOS Kiss X4
3位は、フルハイビジョン(フルHD)動画を撮影できるソニーのミラーレス一眼「NEX-5」で、シェアは9.7%。今年6月の発売以来、3位以上をキープしている。MP4動画の「NEX-3」も8位にランクイン。「NEX」シリーズは市場に定着しつつあるようだ。
「NEX-5」と「NEX-3」
「NEX」シリーズの売れ行きが好調のソニーは、9月10日にデジタル一眼として光を通す透過ミラーを世界で初めて採用したAマウントの普及機「α55」と「α33」を発売した。
「α55」と「α33」
デジタル一眼の一般的なミラーの代わりにレンズからの光を常にCMOSセンサとAFセンサに当てる透過ミラーを採用し、被写体に瞬時にフォーカス。シャッター時のミラーのアップダウンがなくなることで、「α55」は1秒間に最高10コマ、「α33」は最高7コマの高速連写を実現した。動画撮影でも高速AFが働き、動きの速い被写体でもピントを合わせ続ける。ソニーはこれらを「スピード一眼」と位置づけた。
ソニーは6月の「NEX」発売以降、急速に販売台数シェアを伸ばし、3か月連続で3位につけている。「α55」と「α33」の発売で、さらにキヤノン、ニコンの2強に迫ることができるのか、注目したい。
8月は、キヤノンとニコンも新製品を発表した。キヤノンは中級機「EOS 60D」。バリアングル式液晶を採用し、多彩な撮影スタイルに対応する。有効画素数を「EOS 50D」の約1510万画素から約1800万画素に向上したほか、ISOは常用で100-3200から100-6400まで高めた。フルHD動画撮影にも対応。EOSシリーズとして初めてRAWで撮影した画像のカメラ内現像を実現した。9月中旬の発売予定だ。
EOS 60D
ニコンは、ニコンDXフォーマットのエントリーモデル「D3100」を9月16日に発売する。新開発の有効1420万画素のCMOSセンサと新画像処理エンジン「EXPEED 2」を搭載。静止画も動画も、鮮やかな色彩で忠実に再現する。
D3100
「ガイドモード」を前モデル「D3000」に引き続き搭載。「夜景をバックに人物を撮る」「背景をぼかして撮る」など、デジタル一眼初心者にとっては難しい撮影も、液晶モニタに表示するガイドに従って操作するだけで、簡単に思い通りの写真を撮影できる。
8月のデジタル一眼市場は、ミラーレス陣の健闘もあって、対前年同月比が販売台数で161.8%、金額で137.2%と、好調を維持した。また、デジタルカメラ全体に占めるデジタル一眼の販売台数構成比は、2010年1月は10.4%だったが、ソニーの「NEX」シリーズが登場した6月は15.3%、8月も12.0%と、拡大している。9月に新製品が続々と登場することで、デジタル一眼市場はさらに勢いを増すだろう。(BCN・武井美野里)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。