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アプリで広がるiPadの楽しみ方、ゲームにエンタメ、情報収集など、注目アプリを一挙紹介

レビュー

2010/08/04 10:37

 発売直後にiPadを手に入れた筆者。バッグを持たない時でもiPadだけは手放さずに、喫茶店や会議室、自宅など、あらゆるところで利用している。最初は少なかったiPad用のアプリケーションも日に日に充実してきていて、片っ端からダウンロードしている。9.7型の大画面を存分に生かしたアプリの数々をご紹介しよう。

アプリをダウンロードすることで、自分仕様にカスタマイズできるiPad

ウェブ、地図、メールなど、プリインストールアプリが使いやすい



 iPadがプリインストールしているアプリは、インターネットブラウザのSafari、メール、写真、カレンダー、連絡先、メモ、マップ、ビデオ、YouTubeなど。iPhone 3Gから、電卓や天気、株価などのアプリがなくなっている。iPadは、iPhone用のアプリのほとんどが動作し、表示は2倍に拡大することができるが、プリインストールアプリについてはすべてiPad用にリニューアルしている。

 ブラウザのSafariは、1024×769ドットの大画面になり、一覧性が格段に向上した。このサイズでも見にくいときは、ピンチ操作で拡大すればいい。iPhoneと同じくflashには対応していないが、ほとんどのウェブサイトを表示できる。手の中にウェブページがあるような感覚で、書籍のように読める。ネットサーフィンの時間が、また長くなりそうだ。

 マップは画面が広くなったおかげで、地図帳のように使える。iPhoneでは、目的地や現在位置の近くしか表示できず、広範囲を表示すると細かい道が見えなくなっていた。その点、iPadなら、広範囲を詳細表示できるので、目的地までの道順が一目瞭然だ。マップと航空写真のほか、地形表示もできるようになった。

広い範囲を表示できるマップ

 メールアプリは、iPadを横向きにすれば、分割した画面に、開いたメールの本文と受信ボックスにあるメッセージの両方、さらに、各メッセージの2行のプレビューを表示する。受信件数が多くてもサクサク処理できる。POPはもちろん、IMAPにも対応している。ただし、iPhone 4のように複数アカウントのメールをまとめて扱うことはできない。

手紙のようにメールが読める

 YouTubeは、サムネイルで動画を選べるようになった。動画の情報や関連動画を表示するなど、情報の一覧性が格段に向上している。Wi-Fi接続ならハイビジョン映像も再生できる。カレンダーは、縦向きでは1か月の予定や、1日の詳しいスケジュールの確認、横向きでは、その日の予定のリストと詳細なスケジュールを並べて閲覧できるなど、大画面用にインターフェースを一新。紙の手帳のように使える。

電子書籍リーダーとしても文句なし、コンテンツの早期充実に期待



 iPadは電子書籍専用の端末ではないが、電子書籍リーダーとしての機能もハイレベルだ。フルカラー表示で、動画の表示もできる。動作が速く、すばらしい読書体験が得られる。

 小説は、単行本よりも大きく表示するので閲覧性は上々。端末が680-730gあるので、片手で長時間持ちながら読書するのはつらいが、抱えるようにすれば問題ない。スタンド代わりになるiPadケースを利用すれば、長時間の閲覧も快適だ。

ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の電子書籍版『Alice for the iPad』。
時計が動くのは電子書籍ならでは

 日本では、電子書籍の主導権を得るべく、さまざまな出版社や企業が独自のアプリを投入している。『OZmagazine』のように雑誌タイトルごとにアプリを用意するほか、複数の媒体を扱う書店形式の「ビューン」や「マガストア 電子雑誌書店」のようなアプリもある。京極夏彦の『死ねばいいのに』や井上篤夫の『志高く 孫正義正伝 完全版 HD』のように、書籍を単体のアプリとしてで発売しているケースもある。

『週刊SPA!』などの雑誌を購入できる「マガストア」

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時間を忘れて熱中、秀逸ゲームが目白押し



 iPhoneと同じく、iPadでもたくさんのゲームを楽しめる。iPhoneで人気だったゲームを大画面向けにリニューアルしたアプリのほか、オリジナルのアプリも続々登場している。

 一人で時間をつぶすなら、「Sudoku Tablet」がオススメ。無料でたくさんのパズルをプレイできる。ナンプレ好きのキラーコンテンツともいえるアプリだ。子どもと遊ぶなら、「リアルつみネコ for iPad」が楽しい。バランスよくネコを積み上げて、高さを競うゲームだ。シンプルながら、ハマると盛り上がる。ネコの鳴き声もかわいらしい。

ナンプレ好きにオススメの「Sudoku Tablet」

子どもと遊べる「リアルつみネコ for iPad」

 アクションパズルなら、ボールを反射させてオーブを消していく「Orbital HD」がイチ押し。単純なゲームだがなかなか難しく、ハイスコアを出すのに熱中する。二人で対戦するなら、エアホッケーの「Touch Hockey」がiPadらしくていい感じ。シューティングなら、次々と向かってくる隕石や敵を撃ち落とす「Meteor Bliz」、アクションならゴミをゴミ箱に投げ入れる「Paper Toss」、タワーディフェンスなら「Fieldrunners for iPad」など、完成度の高いゲームが多い。時間つぶし用と思いきや、気がつくと長時間たっている。

iPadならではのエンタメ系アプリで友人と盛り上がる



 iPadをもっていると、友人たちに「何かやってみて」と言われることが多い。そんな時は、エンタテインメント系アプリで楽しませてあげよう。ギターが弾けるなら、画面のアコースティックギターの弦を押さえて演奏するアプリ「Air Guitar HD」が面白い。音にノイズは混じるものの、iPadを楽器として楽しむアプリは友人に受けがいい。

Air Guitar HD

 絵心があるなら、「Draw for iPad」を試してみよう。鉛筆を選択し、キャンパスに絵を描くだけのアプリだが、意外と面白い。機能はシンプルだが、アンドゥ・リドゥもできるなど使い勝手は○。子どもの落書き帳に最適だ。

Draw for iPad

 静止画が動いているように見えたり、あり得ない建築物がそれらしく描かれていたりと、トリックアートをまとめたのが「Eye Illusions HD」。デジタルが苦手な人に見せるときに、写真集のように使える。

Eye Illusions HD

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テレビ番組やグルメ、辞書など、マルチな情報収集ができる



 ウェブで検索もいいが、レファレンス系のアプリで情報を収集する手もある。専用アプリなら、最適なインターフェースで検索・閲覧できるので、効率がいい。iPadを情報収集端末として活用しよう。例えば、テレビ番組なら「Bangumi HD」で、1週間分の番組表を一覧できる。旅行先では、地域を変更して、その場の番組をチェックできる。

電子番組表「Bangumi HD」

 キッチンでもiPadは活躍する。「ネスレレシピ for iPad」は、1600以上のレシピがあるアプリ。食材や調理時間から料理を検索でき、カロリーもわかる。iPadの画面サイズなら、料理をしながらでも見やすい。キッチンタイマーまで付いているなど、いたれりつくせりで、料金は無料。料理をするなら、必ずインストールしておきたい。

料理のお供に「ネスレレシピ for iPad」

 つい最近、iPadにも大規模掲示板「2ちゃんねる」の専用ビューワー「2tch」が公開された。「2tch」は、ブックマークや履歴、検索機能などを搭載し、お気に入りのスレッドを巡回できる。インターフェースはシンプルだが、書き込みが急増しているスレッドをチェックする機能もある。ウェブページよりも、格段に見やすい。

現在唯一の2ちゃんねるビューワー「2tch」

 Wikipediaで調べ物をするときも、ウェブサイトよりは専用アプリのほうがレスポンスが早く、読みやすい。複数のクライアントが公開されているが、無料で完成度が高い「Wikipanion」は要チェック。閲覧中に、今後読みたいページをキューに追加する機能をもった有料版もあるが、無料版でも十分に高機能だ。調べ物のお供に。

検索やブックマーク、履歴、リンク送信などの機能を備えるWikipediaリーダー「Wikipanion」

 Twitterアプリも多数公開されている。画面に表示する情報量は通常のウェブサイトよりも段違いに多いので、次々と投稿をチェックできる。無料なら「Twitterrific for Twitter」がオススメ。有料アプリと比べると機能は少ないが、基本機能は押さえている。

使いやすいTwitterクライアント「Twitterrific for Twitter」

クラウドサービスをiPadのストレージとして活用



 iPadのメモリは16-64GB。アプリや音楽だけなら足りるが、電子書籍や動画を保存しはじめると、心もとない。そこで、大量のファイルを保存できるウェブストレージなどのクラウドサービスを利用しよう。iPad用のクライアントアプリは、無料で公開されている。最低限の容量は無料で、それ以上の容量を利用する場合に月額料金が発生する。まずは無料で使ってみて、必要に応じて増やしていけばいい。

 PDFファイルや音楽・動画ファイルを保存するなら、「Dropbox」が便利だ。PCにクライアントソフトをインストールすると、マイドキュメントフォルダの中に、「My Dropbox」というフォルダを作成。フォルダ内のデータをiPadに同期する。iPadでアクセスすれば、自由にファイルを表示・再生できる。無料で利用できる容量は2GBで、月額9.99ドルで50GB、月額19.99ドルで100GBに増量できる。

メディアファイルの保存に向いている「Dropbox」

 最近人気の「Evernote」は、メモや日記、写真、音声などをまとめて記録するクラウドサービス。すべての情報を一元化し、検索して活用できるのが特徴だ。Evernoteは、最大容量は無制限で、1か月にアップロードできるデータの容量に制限がある。無料のスタンダードでは40MB、月額5ドルのプレミアムでは500MBとなる。iPadアプリはインターフェースが使いやすくオススメだ。

タグやフォルダ分け、検索機能などが充実する「Evernote」

 App Storeには、すでに1万本を超えるiPad用アプリが公開されていて、ランキングに入ったアプリをチェックするだけでもひと苦労だ。今回紹介したアプリは、ごくごく一部。ファイナンスやメディカルなどのお堅いアプリから、健康&フィットネス、ソーシャルネットワーキングなどの生活系アプリもたくさんある。今後アプリが増え続けるにつれ、iPadの使い方も無限に広がっていくだろう。(アバンギャルド・柳谷智宣)