2010年6月の携帯電話ランキング、iPhone 4トップ獲得ならず
2010年夏モデルとして、各キャリアから新しい携帯電話が続々と発売されている。なかでも、パソコンのように自由にアプリをインストールし、自分好みにカスタマイズできる「スマートフォン」が話題を集めている。6月24日には、人気のiPhoneの約1年ぶりのモデルチェンジとなる「iPhone 4」と、au初のスマートフォン「IS02」が発売された。「iPhone 4」は発売から2週間ほど経った今も品薄状態が続いている。では、実際の売れ行きはどうだったのか? まずは「BCNランキング」のデータをもとに、スマートフォンを含む携帯電話全体のランキングを紹介しよう。
2010年6月の携帯電話全体の販売台数1位はNTTドコモの「F-06B」、2位は同じくNTTドコモの「Xperia SO-01B」、3位はソフトバンクモバイルの「iPhone 3GS」の16GBモデルだった。前月1位だったAndroid OS搭載のスマートフォン「Xperia SO-01B」は2位にダウンし、連続1位記録は2か月で途切れた。
「iPhone 4」は、32GBモデルこそ8位に入ったものの、16GBモデルは32位にとどまった。ごく一部の店舗を除いて当日販売分がなかったことや、ホワイトモデルの発売が7月後半に延期になったことが響いたようだ。とはいえ、週次データでは、6月第3週(2010年6月21日-6月27日)から直近週まで、3週連続で32GBモデルが1位を獲得しており、十分に好調なスタートを切ったといえるだろう。なお、「BCNランキング」の集計データには、ソフトバンクショップなどの携帯電話専門店や、アップル直営店の「Apple Store」で売れた分は含まれていない。
続いて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年6月の月間トップ10を紹介しよう。
NTTドコモの1位は、携帯電話全体でも1位だった富士通製の防水スライド端末「F-06B」が獲得。トップ10の顔ぶれは、前月5月とはがらりと変わり、今年5月・6月に発売された2010年夏モデルが半数以上を占めた。「amadanaケータイ N-07B」「Francfrancケータイ N-05B」など、有名デザイン・インテリアブランドとのコラボレーションモデルも上位に入っている。
KDDI(au)もドコモ同様、トップ10のうち、2010年夏モデルが4機種と多数を占めた。1位は、2010年5月発売の京セラ製のスライド端末「SA002」。同じく京セラ製の「簡単ケータイ K003」「同 K004」が2位・3位に続いた。4位の「Cyber-shotケータイ S003」を筆頭に、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の端末もトップ10内に3機種入っている。
ちなみに、6月に満を持して投入したau初のスマートフォン2機種のうち、6月24日発売の「dynapocket IS02」は22位、6月30日発売の「IS01」は28位だった。来月以降のランクアップに期待したい。___page___
ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、アップル製のスマートフォン「iPhone」シリーズが1位から3位までを独占。2009年6月発売の「iPhone 3GS」16GBモデルが1位、同32GBモデルが3位、その間に最新モデルの「iPhone 4」の32GBモデルが入った。
過去1年間のiPhone 3GSの累計販売台数から16GBモデルと32GBモデルの比率を集計すると、16GBモデルが49.5%、32GBモデルが50.5%で、比率はほぼ5対5だった。対してiPhone 4では、16GBモデルが27.3%、32GBモデルが72.7%と、32GBモデルに人気が集中。集計期間が異なるため一概には比較できないが、より大容量のモデルが好まれているようだ。
携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、2010年3月の7.0%から「Xperia」の発売をきっかけに4月は17.2%へと大幅に上昇。翌5月は15.4%、6月は15.0%と、ほぼ同水準で推移している。とはいえ、まだまだ新たに購入された携帯電話の8割強は従来タイプの携帯電話。スマートフォンに一気に需要が流れているわけではない。さらに、これまでの累計販売台数を考えると、スマートフォンユーザーはまだ少数派だろう。
NTTドコモは、総務省が6月30日に公表した「SIMロックの解除に関するガイドライン」を受け、2011年春以降に発売する新しい端末には、現行機種にかけているSIMロックを解除する機能を搭載すると発表した。他のキャリアは7月14日現在、SIMロックに関する明確な方針を打ち出していない。
SIMロックの解除は、実質的にスマートフォンユーザーしかメリットがないといわれている。キャリアを変更すると、例えばiモードなど、キャリア独自のサービスが使えなくなると推測されるからだ。こうした動きがスマートフォンの拡大の追い風になるのか? 携帯電話ランキングの常連になったiPhone、Xperia以外のその他のスマートフォンの売れ行きにも注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。
*BCNでは、モバイル専用のOS、キーボード機能を搭載し、ユーザー自身が自由にアプリケーションの追加やカスタマイズできる携帯端末を「スマートフォン」と定義しています。対象製品の見直しにより、スマートフォンの比率はデータ集計時により数値が異なります。
左から、NTTドコモの携帯電話「F-06B」(CYAN)、ソフトバンクモバイルのスマートフォン「iPhone 4」、au初のスマートフォン「IS02」
ドコモは夏モデルが好調 「Xperia」の連続1位記録途切れる
2010年6月の携帯電話全体の販売台数1位はNTTドコモの「F-06B」、2位は同じくNTTドコモの「Xperia SO-01B」、3位はソフトバンクモバイルの「iPhone 3GS」の16GBモデルだった。前月1位だったAndroid OS搭載のスマートフォン「Xperia SO-01B」は2位にダウンし、連続1位記録は2か月で途切れた。
順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | タイプ | 発売年月 |
1 | NTTドコモ | 富士通 | F-06B | F-06B | - | 2010/06 |
2 | NTTドコモ | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia | SO-01B | スマートフォン | 2010/04 |
3 | SoftBank | アップル | iPhone 3GS 16GB | iPhone 3GS 16GB | スマートフォン | 2009/06 |
4 | NTTドコモ | シャープ | AQUOS SHOT | SH-07B | - | 2010/05 |
5 | NTTドコモ | シャープ | SH-08B | SH-08B | - | 2010/06 |
6 | NTTドコモ | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | N-06B | N-06B | - | 2010/06 |
7 | au | 京セラ | SA002 | SA002 | - | 2010/05 |
8 | SoftBank | アップル | iPhone 4 32GB | iPhone 4 32GB | スマートフォン | 2010/06 |
9 | au | 京セラ | 簡単ケータイ K003 | K003 | - | 2009/08 |
10 | NTTドコモ | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | VIERAケータイ | P-04B | - | 2010/05 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年6月 月次<最大パネル>
「iPhone 4」は、32GBモデルこそ8位に入ったものの、16GBモデルは32位にとどまった。ごく一部の店舗を除いて当日販売分がなかったことや、ホワイトモデルの発売が7月後半に延期になったことが響いたようだ。とはいえ、週次データでは、6月第3週(2010年6月21日-6月27日)から直近週まで、3週連続で32GBモデルが1位を獲得しており、十分に好調なスタートを切ったといえるだろう。なお、「BCNランキング」の集計データには、ソフトバンクショップなどの携帯電話専門店や、アップル直営店の「Apple Store」で売れた分は含まれていない。
続いて、主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年6月の月間トップ10を紹介しよう。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | 富士通 | F-06B | F-06B | 約1320万 | スライド | 2010/06 |
2 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia | SO-01B | 約810万 | ストレート | 2010/04 |
3 | シャープ | AQUOS SHOT | SH-07B | 約1210万 | 回転2軸 | 2010/05 |
4 | シャープ | SH-08B | SH-08B | 約800万 | 折りたたみ | 2010/06 |
5 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | N-06B | N-06B | 約510万 | 折りたたみ | 2010/06 |
6 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | VIERAケータイ | P-04B | 約1320万 | 折りたたみ | 2010/05 |
7 | 富士通 | らくらくホン ベーシックII | F-07A | 約200万 | 折りたたみ | 2009/04 |
8 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | amadanaケータイ | N-07B | 約510万 | スライド | 2010/06 |
9 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | 瞬撮ケータイ | N-04B | 約1220万 | 回転2軸 | 2010/05 |
10 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | Francfrancケータイ | N-05B | 約810万 | 折りたたみ | 2010/06 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年6月 月次<最大パネル>
NTTドコモの1位は、携帯電話全体でも1位だった富士通製の防水スライド端末「F-06B」が獲得。トップ10の顔ぶれは、前月5月とはがらりと変わり、今年5月・6月に発売された2010年夏モデルが半数以上を占めた。「amadanaケータイ N-07B」「Francfrancケータイ N-05B」など、有名デザイン・インテリアブランドとのコラボレーションモデルも上位に入っている。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | 京セラ | SA002 | SA002 | 808万 | スライド | 2010/05 |
2 | 京セラ | 簡単ケータイ K003 | K003 | 197万 | 折りたたみ | 2009/08 |
3 | 京セラ | 簡単ケータイ K004 | K004 | 197万 | 折りたたみ | 2010/02 |
4 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Cyber-shotケータイ S003 | S003 | 1209万 | スライド | 2010/05 |
5 | 東芝 | T003 | T003 | 322万 | 折りたたみ | 2009/11 |
6 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | BRAVIA Phone U1 | SOY02 | 514万 | 回転2軸 | 2009/12 |
7 | シャープ | SH004 | SH004 | 800万 | 回転2軸 | 2009/11 |
8 | 日立コンシューマエレクトロニクス | beskey | HIY02 | 808万 | 折りたたみ | 2010/06 |
9 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | BRAVIA Phone S004 | S004 | 808万 | 折りたたみ | 2010/05 |
10 | シャープ | SH005 | SH005 | 527万 | 折りたたみ | 2010/01 |
「BCNランキング」2010年6月 月次<最大パネル>
KDDI(au)もドコモ同様、トップ10のうち、2010年夏モデルが4機種と多数を占めた。1位は、2010年5月発売の京セラ製のスライド端末「SA002」。同じく京セラ製の「簡単ケータイ K003」「同 K004」が2位・3位に続いた。4位の「Cyber-shotケータイ S003」を筆頭に、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の端末もトップ10内に3機種入っている。
ちなみに、6月に満を持して投入したau初のスマートフォン2機種のうち、6月24日発売の「dynapocket IS02」は22位、6月30日発売の「IS01」は28位だった。来月以降のランクアップに期待したい。___page___
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | アップル | iPhone 3GS 16GB | iPhone 3GS 16GB | 300万 | ストレート | 2009/06 |
2 | アップル | iPhone 4 32GB | iPhone 4 32GB | 500万 | ストレート | 2010/06 |
3 | アップル | iPhone 3GS 32GB | iPhone 3GS 32GB | 300万 | ストレート | 2009/06 |
4 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 840P | 840P | 200万 | 折りたたみ | 2009/12 |
5 | シャープ | Jelly Beans 840SH | 840SH | 200万 | 折りたたみ | 2010/02 |
6 | アップル | iPhone 4 16GB | iPhone 4 16GB | 500万 | ストレート | 2010/06 |
7 | シャープ | THE PREMIUM6 WATERPROOF | 841SH | 320万 | 折りたたみ | 2010/06 |
8 | シャープ | mirumo2 | 944SH | 800万 | 折りたたみ | 2010/06 |
9 | シャープ | THE PREMIUM5 | 942SH | 800万 | 折りたたみ | 2010/02 |
10 | HTC | HTC Desire | X06HT | 500万 | ストレート | 2010/04 |
※太字はスマートフォン
「BCNランキング」2010年6月 月次<最大パネル>
ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、アップル製のスマートフォン「iPhone」シリーズが1位から3位までを独占。2009年6月発売の「iPhone 3GS」16GBモデルが1位、同32GBモデルが3位、その間に最新モデルの「iPhone 4」の32GBモデルが入った。
過去1年間のiPhone 3GSの累計販売台数から16GBモデルと32GBモデルの比率を集計すると、16GBモデルが49.5%、32GBモデルが50.5%で、比率はほぼ5対5だった。対してiPhone 4では、16GBモデルが27.3%、32GBモデルが72.7%と、32GBモデルに人気が集中。集計期間が異なるため一概には比較できないが、より大容量のモデルが好まれているようだ。
携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、2010年3月の7.0%から「Xperia」の発売をきっかけに4月は17.2%へと大幅に上昇。翌5月は15.4%、6月は15.0%と、ほぼ同水準で推移している。とはいえ、まだまだ新たに購入された携帯電話の8割強は従来タイプの携帯電話。スマートフォンに一気に需要が流れているわけではない。さらに、これまでの累計販売台数を考えると、スマートフォンユーザーはまだ少数派だろう。
NTTドコモは、総務省が6月30日に公表した「SIMロックの解除に関するガイドライン」を受け、2011年春以降に発売する新しい端末には、現行機種にかけているSIMロックを解除する機能を搭載すると発表した。他のキャリアは7月14日現在、SIMロックに関する明確な方針を打ち出していない。
SIMロックの解除は、実質的にスマートフォンユーザーしかメリットがないといわれている。キャリアを変更すると、例えばiモードなど、キャリア独自のサービスが使えなくなると推測されるからだ。こうした動きがスマートフォンの拡大の追い風になるのか? 携帯電話ランキングの常連になったiPhone、Xperia以外のその他のスマートフォンの売れ行きにも注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。
*BCNでは、モバイル専用のOS、キーボード機能を搭載し、ユーザー自身が自由にアプリケーションの追加やカスタマイズできる携帯端末を「スマートフォン」と定義しています。対象製品の見直しにより、スマートフォンの比率はデータ集計時により数値が異なります。