地デジパソコン夏モデル速攻レビュー 強力な映像処理機能が自慢! 東芝のAVノート「dynabook Qosmio V65/87M」
Windows 7搭載の最新のパソコンは、すぐれたAV性能を備え、エンタテインメントを存分に楽しめる機種が多い。地上デジタル放送が視聴できる「地デジパソコン」もその一つ。ここでは、大手各社の地デジパソコン夏モデルを使いながら、その特徴やメリットを紹介する。第5回は、地上デジタルチューナーやBDドライブを備えた東芝のAVノート「dynabook Qosmio V65/87M」だ。AVノートの最高峰「Qosmio」の名を冠するだけに、映像処理機能の威力に驚く。
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「dynabook Qosmio V65/87M」は、高品質なAVノートとして人気の高い「Qosmio」シリーズの新モデル。地上デジタルチューナーやBDドライブ、1366×768画素の15.6型液晶ディスプレイ、30万画素のウェブカメラを搭載し、実勢価格は18万円前後。「Qosmio」シリーズは、これまで高嶺の花だったが、「dynabook Qosmio V65/87M」は手が出しやすい価格に収まっているのが魅力だ。
ボディはシャイニーレッド。フィルムで醸し出している深みと艶やかさには感嘆する。キーボード面やサイドのブラック、ヒンジ部分の微妙なカーブやサイドに入るシャイニーレッドのラインなど、細部はよく作り込まれている。
キーボードはテンキーを備えたフルキーボードを搭載。標準的な配列で、キーピッチは19mm確保している。入力性は上々だ。ボタンは遊びが大きく、押しやすい。タッチパッドの上に、オン/オフのスイッチを備えているのもいい。長文を入力しているときに、手のひらがあたってカーソルが飛ぶようなことがなくなる。たくさん文章を書く人にはうれしい気配りだ。ACアダプタは、大画面ノートの割にはコンパクトだ。
スピーカーは、harman/kardon社と東芝が共同開発したステレオスピーカーを搭載する。ウーファーがないので低音の迫力には欠けるが、ノートパソコンとしてはトップクラスの音質で、ワイドレンジで高音質を楽しめる。サウンドに広がりをもたせる「ドルビーアドバンスオーディオ」や、登場人物の台詞の音声だけを聞きやすくする「MaxxAudio」などに対応するのもポイント。さらに、iPodなどの携帯オーディオを音声入力端子につなげば、スピーカーから再生できる。パソコンの電源が落ちていてもOKだ。iPodとは比べものにならない高音質で音楽が楽しめる。
USB2.0端子は、eSATAと兼用になっているものを含め計4つ搭載している。内蔵HDDは500GB。地デジを録り貯めるなら、eSATA接続の外付けHDDを活用するといいだろう。外付けHDDにも直接録画できるので、ダビングの手間がかからない。映像出力はRGBに加えて、HDMIも搭載しており、大画面テレビで映像コンテンツを楽しむこともできる。
CPUはCore i5-450Mで、メモリは4GBを搭載。OSはWindows 7 Home Premiumだが、64ビットと32ビットを選べるセレクタブルOSとなっている。Windows 7のベンチマークスコアをチェックしたところ、グラフィックスは4.6と標準的なスコアだったが、ハイビジョン映像の再生には問題ない。
「dynabook Qosmio V65/87M」は、映像専用プロセッサ「SpursEngine」を搭載しているのが売り。CPUとは別に、映像処理専用に搭載しているCELLベースのチップが、膨大なデータを効率的に処理する。面白いのは、映像を解析し、解像感をアップする超解像技術レゾリューションプラスだ。標準画質の映像や「YouTube」などの動画に適用すると、ぼやけているところがくっきりと描写され、ジャギーも軽減される。劇的に変わるわけではないが、フル画面表示してもキレイに見えるのはうれしい。
またSpursEngineが、ウェブカメラに向けた手の動きを高速で解析することで、BD/DVDの再生・停止などの操作ができる「ハンドジェスチャリモコン」や、録画番組の出演者の顔を検索して、見たいシーンをすばやく選べる「顔deナビ」を実現している。好きな俳優が登場するシーンなどをチェックするときなどに便利だ。
動画のエンコードは超高速。HD(ハイビジョン)ビデオカメラなどで撮った動画をBDに書き出したり、地デジを録画する際に長時間モードの「8倍録画」が利用できる。iPhoneやiPod用に動画を変換するのも短時間で済む。ただし、地デジ番組のように著作権保護がかかっている映像は変換できない。
地デジチューナーは1基のみ。mini B-CASカードはバッテリパックを取り外した部分に装着する。視聴ソフトには「Qosmio AV Center」を利用する。起動は10秒以下で、やや遅いがストレスになるほどでもない。チャンネルの切り替えは2-3秒だ。リモコンで操作する時には大きな文字で見やすいインターフェースになり、マウスでの操作時は一覧性が向上するようになっている。
「Qosmio AV Center」でテレビを見ていてチェックしたい情報があったら、「気になるリンク」ボタンをマウスでクリックすると、番組の内容に合わせたキーワードリスト画面が開いて検索できるようになっている。これは、普通のテレビにはない機能だ。操作性がよく考えられており、直感的に操作しても迷わない。そのほか、「地デジ持ち出し機能」で、録画した番組を携帯電話に入れて持ち出すことも可能。この機能で保存した番組をパソコンで再生するには「TOSHIBA SD VIDEO PLAYER」で再生すればいい。
録画番組の画質は、高画質のTSモードから長時間モードのEPモードまで、5段階の設定を用意している。2層書き込み対応のBDなら、LPモードで18時間記録できるので、ドラマなどの1クール(12話分)が1枚に収まる。SpursEngineのおかげで、変換処理が負担にならないので、気軽に利用できる。もちろんダビング10に対応しており、録画番組はDVDやBDメディアに書き出せる。
ホームネットワークで映像を活用するソフトウェアも搭載している。「TOSHIBA Media Controller」は、パソコンに入っている映像や音楽、写真などのコンテンツを対応の東芝の液晶テレビ「レグザ」に映し出せる。無線LANも使えるので、別の部屋にパソコンを置いていてもリビングでコンテンツを楽しめるのだ。「TOSHIBA Media Control Plug-in」を使えば、パソコンで見ているYouTubeの動画もテレビに出力することが可能。そのほか、LAN経由でHDDレコーダーに録画した番組をパソコンで見ることもできる。
「dynabook Qosmio V65/87M」は、「Qosmio」の名を冠するだけあって、搭載するハードウェアとソフトウェアのクオリティが高い。各機能の使い勝手がよく、画質や音質もすばらしいのだ。唯一残念なのが、地デジチューナーが一つだけなので、裏番組の録画やダブル録画などができない点。しかし、それくらいしかネックが見つからなかったということだ。SpursEngineの強力な処理能力を活かした映像処理機能は、一見の価値あり。番組を録画することが多いなら、その威力に驚くことだろう。(アバンギャルド・柳谷智宣)
【dynabook Qosmio V65/87Mの主なスペック】
CPU:Core i5-450M(2.40GHz)
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット
メモリ:4GB
HDD:500GB
ディスプレイ:15.6型ワイドClear SuperView LED(1366×768ドット)
重さ:約3.0kg
サイズ:幅387.6×奥行き266.8×高さ29.1-34.8mm
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従来の上位モデルよりも手が出しやすい価格
「dynabook Qosmio V65/87M」は、高品質なAVノートとして人気の高い「Qosmio」シリーズの新モデル。地上デジタルチューナーやBDドライブ、1366×768画素の15.6型液晶ディスプレイ、30万画素のウェブカメラを搭載し、実勢価格は18万円前後。「Qosmio」シリーズは、これまで高嶺の花だったが、「dynabook Qosmio V65/87M」は手が出しやすい価格に収まっているのが魅力だ。
「dynabook Qosmio V65/87M」。艶やかなシャイニーレッドが目を引く
ボディはシャイニーレッド。フィルムで醸し出している深みと艶やかさには感嘆する。キーボード面やサイドのブラック、ヒンジ部分の微妙なカーブやサイドに入るシャイニーレッドのラインなど、細部はよく作り込まれている。
使いやすい配列のキーボード
キーボードはテンキーを備えたフルキーボードを搭載。標準的な配列で、キーピッチは19mm確保している。入力性は上々だ。ボタンは遊びが大きく、押しやすい。タッチパッドの上に、オン/オフのスイッチを備えているのもいい。長文を入力しているときに、手のひらがあたってカーソルが飛ぶようなことがなくなる。たくさん文章を書く人にはうれしい気配りだ。ACアダプタは、大画面ノートの割にはコンパクトだ。
大画面ノートの割にはコンパクトなACアダプタ
スピーカーは、harman/kardon社と東芝が共同開発したステレオスピーカーを搭載する。ウーファーがないので低音の迫力には欠けるが、ノートパソコンとしてはトップクラスの音質で、ワイドレンジで高音質を楽しめる。サウンドに広がりをもたせる「ドルビーアドバンスオーディオ」や、登場人物の台詞の音声だけを聞きやすくする「MaxxAudio」などに対応するのもポイント。さらに、iPodなどの携帯オーディオを音声入力端子につなげば、スピーカーから再生できる。パソコンの電源が落ちていてもOKだ。iPodとは比べものにならない高音質で音楽が楽しめる。
キーボード上部に内蔵のステレオスピーカー
インターフェースが豊富、外付けHDDに直接録画も
USB2.0端子は、eSATAと兼用になっているものを含め計4つ搭載している。内蔵HDDは500GB。地デジを録り貯めるなら、eSATA接続の外付けHDDを活用するといいだろう。外付けHDDにも直接録画できるので、ダビングの手間がかからない。映像出力はRGBに加えて、HDMIも搭載しており、大画面テレビで映像コンテンツを楽しむこともできる。
計4つのUSB2.0端子を搭載
___page___CPUはCore i5-450Mで、メモリは4GBを搭載。OSはWindows 7 Home Premiumだが、64ビットと32ビットを選べるセレクタブルOSとなっている。Windows 7のベンチマークスコアをチェックしたところ、グラフィックスは4.6と標準的なスコアだったが、ハイビジョン映像の再生には問題ない。
Windows 7のベンチマークスコア
「SpursEngine」でiPod用の動画変換も短時間
「dynabook Qosmio V65/87M」は、映像専用プロセッサ「SpursEngine」を搭載しているのが売り。CPUとは別に、映像処理専用に搭載しているCELLベースのチップが、膨大なデータを効率的に処理する。面白いのは、映像を解析し、解像感をアップする超解像技術レゾリューションプラスだ。標準画質の映像や「YouTube」などの動画に適用すると、ぼやけているところがくっきりと描写され、ジャギーも軽減される。劇的に変わるわけではないが、フル画面表示してもキレイに見えるのはうれしい。
超解像技術で標準画質がくっきりに
またSpursEngineが、ウェブカメラに向けた手の動きを高速で解析することで、BD/DVDの再生・停止などの操作ができる「ハンドジェスチャリモコン」や、録画番組の出演者の顔を検索して、見たいシーンをすばやく選べる「顔deナビ」を実現している。好きな俳優が登場するシーンなどをチェックするときなどに便利だ。
リアルタイムにエンコードしながら録画できる
動画のエンコードは超高速。HD(ハイビジョン)ビデオカメラなどで撮った動画をBDに書き出したり、地デジを録画する際に長時間モードの「8倍録画」が利用できる。iPhoneやiPod用に動画を変換するのも短時間で済む。ただし、地デジ番組のように著作権保護がかかっている映像は変換できない。
「顔deナビ」でシーンを選択
完成度の高いテレビ視聴ソフト
地デジチューナーは1基のみ。mini B-CASカードはバッテリパックを取り外した部分に装着する。視聴ソフトには「Qosmio AV Center」を利用する。起動は10秒以下で、やや遅いがストレスになるほどでもない。チャンネルの切り替えは2-3秒だ。リモコンで操作する時には大きな文字で見やすいインターフェースになり、マウスでの操作時は一覧性が向上するようになっている。
視聴ソフトは「Qosmio AV Center」を利用する
___page___「Qosmio AV Center」でテレビを見ていてチェックしたい情報があったら、「気になるリンク」ボタンをマウスでクリックすると、番組の内容に合わせたキーワードリスト画面が開いて検索できるようになっている。これは、普通のテレビにはない機能だ。操作性がよく考えられており、直感的に操作しても迷わない。そのほか、「地デジ持ち出し機能」で、録画した番組を携帯電話に入れて持ち出すことも可能。この機能で保存した番組をパソコンで再生するには「TOSHIBA SD VIDEO PLAYER」で再生すればいい。
「Qosmio AV Center」をマウスで操作すると一覧性が向上する
録画番組の画質は5段階で設定可能、SpursEngineで変換処理の負担軽減
録画番組の画質は、高画質のTSモードから長時間モードのEPモードまで、5段階の設定を用意している。2層書き込み対応のBDなら、LPモードで18時間記録できるので、ドラマなどの1クール(12話分)が1枚に収まる。SpursEngineのおかげで、変換処理が負担にならないので、気軽に利用できる。もちろんダビング10に対応しており、録画番組はDVDやBDメディアに書き出せる。
ネットワーク経由でコンテンツを再生できる
ホームネットワークで映像を活用するソフトウェアも搭載している。「TOSHIBA Media Controller」は、パソコンに入っている映像や音楽、写真などのコンテンツを対応の東芝の液晶テレビ「レグザ」に映し出せる。無線LANも使えるので、別の部屋にパソコンを置いていてもリビングでコンテンツを楽しめるのだ。「TOSHIBA Media Control Plug-in」を使えば、パソコンで見ているYouTubeの動画もテレビに出力することが可能。そのほか、LAN経由でHDDレコーダーに録画した番組をパソコンで見ることもできる。
映像処理機能は一見の価値あり
「dynabook Qosmio V65/87M」は、「Qosmio」の名を冠するだけあって、搭載するハードウェアとソフトウェアのクオリティが高い。各機能の使い勝手がよく、画質や音質もすばらしいのだ。唯一残念なのが、地デジチューナーが一つだけなので、裏番組の録画やダブル録画などができない点。しかし、それくらいしかネックが見つからなかったということだ。SpursEngineの強力な処理能力を活かした映像処理機能は、一見の価値あり。番組を録画することが多いなら、その威力に驚くことだろう。(アバンギャルド・柳谷智宣)
【dynabook Qosmio V65/87Mの主なスペック】
CPU:Core i5-450M(2.40GHz)
OS:Windows 7 Home Premium 64ビット
メモリ:4GB
HDD:500GB
ディスプレイ:15.6型ワイドClear SuperView LED(1366×768ドット)
重さ:約3.0kg
サイズ:幅387.6×奥行き266.8×高さ29.1-34.8mm
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主要メーカーの最新パソコンのレビューを順次公開予定!
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