BCN、ミラーレス一眼が3割近くまで急成長、ソニー参入で市場に勢い

特集

2010/06/15 16:44

 BCNは、6月9日、3D対応テレビやiPadが市場に与えるインパクトをテーマにした記者発表会を行った。全国の家電量販店から薄型テレビやPCなどのデジタル家電の実売データを集計した「BCNランキング」で市況を分析したもの。

 コンパクトデジタルカメラ(レンズ一体型デジタルカメラ)は、2010年4月から対前年比で販売台数・金額ともにプラスに転じ、前年割れから脱した。5月は台数120.4%、金額102.7%だった。税別の平均単価は年々下がる傾向にあるものの、今年に入ってから2万円前後で推移している。


 レンズ一体型カメラで目立つのは、高画素モデルの増加だ。画素数別の販売台数構成比では、今年に入って1400万画素以上1500万画素未満が増え始め、2月は10.5%だったのが5月には38%まで拡大。画素数競争が再燃している。


 ズーム倍率も進化。昨年までは3倍程度が中心だったが、より高倍率のモデルが増えており、5月の「倍率5倍以上」を合算すると63%に達している。さらに、プールや川などの水辺で使える防水モデルも存在感を示しており、同月は6.2%だった。「防水」は一つのジャンルとして立ちつつある。

 一眼レフやミラーレス一眼、レンジファインダー式、ユニット交換式を合算した「レンズ交換型デジタルカメラ」の市場も好調だ。5月の対前年同月比で販売台数134.9%、金額126.3%だった。


 トレンドの一つ、ミラーレス一眼の動きをみると、パナソニックやオリンパスに加え、ソニーが6月から市場に参入したことで、製品発売日を含む5月最終週(5月31日-6月6日)は盛り上がりをみせた。同週のミラーレス一眼の構成比は、販売台数29.9%、金額で27.1%まで跳ね上がった。この勢いをある程度維持できるどうかが、ミラーレス一眼市場が確立するかどうかの目安となるだろう。



*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで128品目を対象としています。