2010年4月の携帯電話ランキング、ドコモのスマートフォン「Xperia」が1位に
2010年はスマートフォンの本格的普及元年となるのか―。4月1日に発売されたNTTドコモのスマートフォン「Xperia(エクスペリア)」の売れ行きが好調だ。「BCNランキング」によると、携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率は、2010年3月の7.0%から4月は17.1%に急上昇。新規に家電量販店で購入された携帯電話のおよそ5台に1台弱がスマートフォン、という結果になった。
まずは主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年4月の月間トップ10を紹介しよう。あわせて、キャリアを問わず、スマートフォンのみを対象に集計したランキングを紹介する。
NTTドコモの1位は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia SO-01B」。2009年11月から2010年3月まで5か月連続で1位を獲得していた「AQUOS SHOT SH-01B」を追い落とし、トップに輝いた。全キャリア合算のランキングでも1位を獲得している。
「Xperia」や「iPhone」をはじめとする最新スマートフォンと、従来の携帯電話との最大の違いは、パソコンのようにアプリケーションを後からインストールできる点だろう。「Xperia」は、米Googleが提供している携帯電話用OS「Android」を採用し、「Androidマーケット」からアプリケーションをダウンロードすることで、自分仕様の端末にカスタマイズできる。アプリケーションのインストールはとても簡単で、パソコンにソフトをインストールするよりもハードルは低いだろう。
数字キーがなく、タッチパネルやパソコンと同じキー配列のQWERTYキーボードで操作する点も大きな違いだ。「Xperia」はタッチパネル操作のみで、基本的に4.0インチフルワイドVGA液晶を指でなぞって操作する。このほか、直感的な操作で音楽、動画、写真を自由に操る「Mediascape」などの独自のアプリケーションや、顔認識・オートフォーカス対応の810万画素カメラ、IEEE802.11b/g対応の無線LAN(Wi-Fi)を搭載。さながらソニー・エリクソン版「iPhone」、といった印象だ。
iPhone以外のスマートフォンは、かつての電子手帳の延長線上にあるような、ビジネス向けのイメージが強い。「Xperia」の発売直後の売れ行きをみると、ドコモユーザーは、使っていてワクワクするようなエンタテインメント機能が充実したスマートフォンの登場を待ち望んでいたようだ。5月7日時点の都内量販店での販売価格は新規契約、機種変更ともに3万円台後半で、機種変更の方が3000円ほど高かった。MNP利用時は、さらに値引きが適用され、2万円台で購入できる。
2位は、富士通製の「らくらくホン ベーシックII F-07A」が獲得。例年、5月の「母の日」や9月の「敬老の日」前後の時期は、シニア向けのシンプルケータイの販売が上向く。ドコモ以外の他のキャリアでも、カメラの画素数が200万程度のシンプルなモデルがトップ10に何機種か入っており、ハイエンドモデル一辺倒ではない。
KDDI(au)の1位はシャープ製の「SH004」、2位は東芝製の「T003」、3位はカシオ計算機製の「EXILMケータイ CA004」だった。今年発売の最新モデルからは、5位・6位にシャープ製の「SH005」「AQUOS SHOT SH006」、9位にソニー・エリクソン製の「URBANO BARONE SOY03」がランクインしている。
ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、相変わらず、アップルの「iPhone」が根強い人気を誇り、16GBモデルが1位、32GBモデルが2位を獲得した。続いて3位に、シャープ製の「Jelly Beans 840SH」がつけている。
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最後に、SIMロックフリー端末を含め、キャリアを問わずスマートフォンのみを対象に集計したスマートフォンのランキングを紹介しよう。4月の1位は、ドコモの「Xperia」。2位・3位には、ソフトバンクモバイルの「iPhone」が続き、4位はドコモの「HT-03A」、5位はソフトバンクモバイルの「HTC Desire X06HT」だった。「HT-03A」「HTC Desire」はともにHTC製で、OSにAndroidを採用したAndroid端末だ。特に4月発売の「HTC Desire」は、「予約だけで初回出荷分は完売」という報道もあり、なかなか好調のようだ。
「Xperia」も、発売直後から品薄が続き、入荷待ち・予約販売の店舗が多い。「BCNランキング」で、過去半年間の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率をみると、月によって上下はあるが、3月までは、1割に満たない状況だった。しかも、そのほとんどをiPhoneが占めており、スマートフォンというより、「iPhone人気」という側面が強かった。一転、4月はXperiaがスマートフォンの56.6%を占め、iPhoneのシェアは36.1%にダウンした。iPhoneの販売台数は前月とほぼ同水準で、売れ行きが落ちたわけではない。Xperiaの上乗せ分がそのままスマートフォン全体の販売台数を押し上げた格好だ。
ソフトバンクのiPhone、ドコモのXperiaに続き、auからも6月以降、新たにスマートフォンが登場する。特定の端末に人気が偏らず、スマートフォンの比率が4月の17.1%より上昇することがあれば、携帯電話は新たなステージに入ったといえるだろう。総務省は今年4月2日、携帯電話のSIMロックに関する公開ヒアリングを開き、SIMロックを解除する方向で検討していく方針を打ち出した。こうしたサービス面の動きとあわせ、今年は成熟化してきた「ケータイ」に変化が起こる年になりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
「Xperia」は、ドコモユーザー待望のエンタメ系スマートフォン
まずは主要3キャリア、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクモバイルについて、それぞれ2010年4月の月間トップ10を紹介しよう。あわせて、キャリアを問わず、スマートフォンのみを対象に集計したランキングを紹介する。
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売年月 |
1 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia | SO-01B | 約810万 | ストレート | 2010/04 |
2 | 富士通 | らくらくホン ベーシックII | F-07A | 約200万 | 折りたたみ | 2009/04 |
3 | シャープ | AQUOS SHOT | SH-01B | 約1210万 | 回転2軸 | 2009/11 |
4 | NEC | N-01B | N-01B | 約810万 | 折りたたみ | 2009/12 |
5 | 富士通 | F-04B | F-04B | 約1210万 | スライド(セパレート) | 2010/03 |
6 | 富士通 | らくらくホン6 | F-10A | 約320万 | 折りたたみ | 2009/08 |
7 | 富士通 | F-02B | F-02B | 約810万 | 折りたたみ | 2009/11 |
8 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | VIERAケータイ | P-02B | 約810万 | スライド | 2010/02 |
9 | シャープ | AQUOSケータイ SH-03B | SH-03B | 約530万 | スライド | 2010/02 |
10 | シャープ | SH-06B | SH-06B | 約530万 | 折りたたみ | 2010/04 |
「BCNランキング」2010年4月 月次<最大パネル>
NTTドコモの1位は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia SO-01B」。2009年11月から2010年3月まで5か月連続で1位を獲得していた「AQUOS SHOT SH-01B」を追い落とし、トップに輝いた。全キャリア合算のランキングでも1位を獲得している。
Xperia SO-01B(左からSensuous Black、Luster White)
「Xperia」や「iPhone」をはじめとする最新スマートフォンと、従来の携帯電話との最大の違いは、パソコンのようにアプリケーションを後からインストールできる点だろう。「Xperia」は、米Googleが提供している携帯電話用OS「Android」を採用し、「Androidマーケット」からアプリケーションをダウンロードすることで、自分仕様の端末にカスタマイズできる。アプリケーションのインストールはとても簡単で、パソコンにソフトをインストールするよりもハードルは低いだろう。
数字キーがなく、タッチパネルやパソコンと同じキー配列のQWERTYキーボードで操作する点も大きな違いだ。「Xperia」はタッチパネル操作のみで、基本的に4.0インチフルワイドVGA液晶を指でなぞって操作する。このほか、直感的な操作で音楽、動画、写真を自由に操る「Mediascape」などの独自のアプリケーションや、顔認識・オートフォーカス対応の810万画素カメラ、IEEE802.11b/g対応の無線LAN(Wi-Fi)を搭載。さながらソニー・エリクソン版「iPhone」、といった印象だ。
iPhone以外のスマートフォンは、かつての電子手帳の延長線上にあるような、ビジネス向けのイメージが強い。「Xperia」の発売直後の売れ行きをみると、ドコモユーザーは、使っていてワクワクするようなエンタテインメント機能が充実したスマートフォンの登場を待ち望んでいたようだ。5月7日時点の都内量販店での販売価格は新規契約、機種変更ともに3万円台後半で、機種変更の方が3000円ほど高かった。MNP利用時は、さらに値引きが適用され、2万円台で購入できる。
2位は、富士通製の「らくらくホン ベーシックII F-07A」が獲得。例年、5月の「母の日」や9月の「敬老の日」前後の時期は、シニア向けのシンプルケータイの販売が上向く。ドコモ以外の他のキャリアでも、カメラの画素数が200万程度のシンプルなモデルがトップ10に何機種か入っており、ハイエンドモデル一辺倒ではない。
らくらくホン ベーシックII F-07A(ロゼ)、AQUOS SHOT SH-01B(Black)
___page___順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売月 |
1 | シャープ | SH004 | SH004 | 800万 | 回転2軸 | 2009/11 |
2 | 東芝 | T003 | T003 | 322万 | 折りたたみ | 2009/11 |
3 | カシオ計算機 | EXILIMケータイ | CA004 | 809万 | 回転2軸 | 2009/11 |
4 | 京セラ | K002 | K002 | 320万 | 折りたたみ | 2009/05 |
5 | シャープ | SH005 | SH005 | 527万 | 折りたたみ | 2010/01 |
6 | シャープ | AQUOS SHOT SH006 | SH006 | 1210万 | 回転2軸 | 2010/03 |
7 | 京セラ | 簡単ケータイ K003 | K003 | 197万 | 折りたたみ | 2009/08 |
8 | 京セラ | SA001 | SA001 | 321万 | スライド | 2009/10 |
9 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | URBANO BARONE | SOY03 | 514万 | 折りたたみ | 2010/02 |
10 | カシオ計算機 | EXILIMケータイ | CA003 | 1217万 | 回転2軸 | 2009/11 |
「BCNランキング」2010年4月 月次<最大パネル>
KDDI(au)の1位はシャープ製の「SH004」、2位は東芝製の「T003」、3位はカシオ計算機製の「EXILMケータイ CA004」だった。今年発売の最新モデルからは、5位・6位にシャープ製の「SH005」「AQUOS SHOT SH006」、9位にソニー・エリクソン製の「URBANO BARONE SOY03」がランクインしている。
SH004(ミントブルー)、T003(シトラスグリーン)
順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数(画素) | 形状 | 発売月 |
1 | アップル | iPhone 3GS 16GB | iPhone 3GS 16GB | 300万 | ストレート | 2009/06 |
2 | アップル | iPhone 3GS 32GB | iPhone 3GS 32GB | 300万 | ストレート | 2009/06 |
3 | シャープ | Jelly Beans 840SH | 840SH | 200万 | 折りたたみ | 2010/02 |
4 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 840P | 840P | 200万 | 折りたたみ | 2009/12 |
5 | シャープ | AQUOS SHOT 940SH | 940SH | 1210万 | 回転2軸 | 2009/11 |
6 | シャープ | AQUOSケータイ 943SH | 943SH | 800万 | 折りたたみ | 2010/03 |
7 | シャープ | THE PREMIUM5 | 942SH | 800万 | 折りたたみ | 2010/02 |
8 | SAMSUNG | 740SC | 740SC | 200万 | 折りたたみ | 2009/10 |
9 | シャープ | 830CA | 830CA | 520万 | 折りたたみ | 2008/11 |
10 | HTC | HTC Desire | X06HT | 500万 | ストレート | 2010/04 |
「BCNランキング」2010年4月 月次<最大パネル>
ソフトバンクモバイル(SoftBank)は、相変わらず、アップルの「iPhone」が根強い人気を誇り、16GBモデルが1位、32GBモデルが2位を獲得した。続いて3位に、シャープ製の「Jelly Beans 840SH」がつけている。
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順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | OS | タッチパネル |
1 | NTTドコモ | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | Xperia | SO-01B | Android | ○ |
2 | SoftBank | アップル | iPhone 3GS 16GB | iPhone 3GS 16GB | iPhone OS | ○ |
3 | SoftBank | アップル | iPhone 3GS 32GB | iPhone 3GS 32GB | iPhone OS | ○ |
4 | NTTドコモ | HTC | HT-03A | HT-03A | Android | ○ |
5 | SoftBank | HTC | HTC Desire | X06HT | Android | ○ |
「BCNランキング」2010年4月 月次<最大パネル>
最後に、SIMロックフリー端末を含め、キャリアを問わずスマートフォンのみを対象に集計したスマートフォンのランキングを紹介しよう。4月の1位は、ドコモの「Xperia」。2位・3位には、ソフトバンクモバイルの「iPhone」が続き、4位はドコモの「HT-03A」、5位はソフトバンクモバイルの「HTC Desire X06HT」だった。「HT-03A」「HTC Desire」はともにHTC製で、OSにAndroidを採用したAndroid端末だ。特に4月発売の「HTC Desire」は、「予約だけで初回出荷分は完売」という報道もあり、なかなか好調のようだ。
HTC Desire(左)、iPhone(右)
人気端末「iPhone」「Xperia」が牽引するスマートフォン市場
「Xperia」も、発売直後から品薄が続き、入荷待ち・予約販売の店舗が多い。「BCNランキング」で、過去半年間の携帯電話全体の販売台数に占めるスマートフォンの比率をみると、月によって上下はあるが、3月までは、1割に満たない状況だった。しかも、そのほとんどをiPhoneが占めており、スマートフォンというより、「iPhone人気」という側面が強かった。一転、4月はXperiaがスマートフォンの56.6%を占め、iPhoneのシェアは36.1%にダウンした。iPhoneの販売台数は前月とほぼ同水準で、売れ行きが落ちたわけではない。Xperiaの上乗せ分がそのままスマートフォン全体の販売台数を押し上げた格好だ。
[お詫びと訂正]
当初掲載していたグラフに誤りがあり、正しいものに差し替えました(5/11)。訂正してお詫びいたします(当初のグラフでは、「スマートフォンの総販売台数に占めるiPhoneの比率」が「携帯電話の総販売台数に占めるスマートフォンの比率」を示していました)
当初掲載していたグラフに誤りがあり、正しいものに差し替えました(5/11)。訂正してお詫びいたします(当初のグラフでは、「スマートフォンの総販売台数に占めるiPhoneの比率」が「携帯電話の総販売台数に占めるスマートフォンの比率」を示していました)
ソフトバンクのiPhone、ドコモのXperiaに続き、auからも6月以降、新たにスマートフォンが登場する。特定の端末に人気が偏らず、スマートフォンの比率が4月の17.1%より上昇することがあれば、携帯電話は新たなステージに入ったといえるだろう。総務省は今年4月2日、携帯電話のSIMロックに関する公開ヒアリングを開き、SIMロックを解除する方向で検討していく方針を打ち出した。こうしたサービス面の動きとあわせ、今年は成熟化してきた「ケータイ」に変化が起こる年になりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。