富士通研究所、カラー電子ペーパーを開発、明るさが約1.3倍に

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2010/05/10 12:33

 富士通研究所は、明るさやコントラスト比を向上したカラー電子ペーパーを開発した。製品の製造・販売は富士通フロンテックが担当する。

カラー電子ペーパー(左が開発品、右が従来品)

 コレステリック液晶方式を採用し、赤・緑・青の特定波長の光を各色の層ごとに反射する液晶の特性を利用してカラーを表示。一般的な液晶ディスプレイなどが採用する3色のカラーフィルタを用いる方式と比べて、明るく表示する。

 具体的には、光を多く反射する新しい液晶材料と、光のロスを少なくする表示パネルの開口率(有効反射領域)の拡大によって、従来製品と比べて明るさが約1.3倍に増加した。また、黒を表示するときの入射光の散乱による余分な反射を抑える構造で、コントラスト比7対1を実現。新開発の駆動制御法で、画面の書き替え速度が従来比で約2倍速くなった。

 富士通研究所は、2007年、世界初のカラー電子ペーパーを搭載した携帯情報端末「FLEPia(フレッピア)」を富士通フロンテックから製品化。他社に先駆けてカラー電子ペーパーの開発・実用化に取り組んできた。今回開発したカラー電子ペーパーは、電子書籍や携帯情報端末などの各種アプリケーションに応用していく。