風景から超望遠、室内だってOK、あらゆるシーンで頼りになるリコー「CX3」を体感
GWに旅行の計画を立てている方も多いことだろう。神社仏閣巡りからビーチリゾート、高原でのハイキング、ローカル線の旅と、バカンスのかたちは人それぞれ。旅に向けて新しいカメラを買うなら、あらゆるシーンに対応する頼りになる一台がほしい。そこでオススメしたいのが、今回紹介するリコーのコンパクトデジタルカメラ「CX3」だ。
「CX3」の一番のポイントは、ソニーの「サイバーショット DSC-TX7」やカシオ「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」などと同じく、今話題の感度の高い裏面照射型CMOSセンサーを採用し、夜や室内など暗いシーンに強いということ。強力なノイズリダクション機能との相乗効果によって普通ならノイズでザラザラとした絵になってしまうISO800や1600といった高感度域でも、解像感を保ったままザラつきの少ない一枚が得られる。夜の町並みや薄暗いレストランなどの室内、ライトアップされた観光名所などの撮影に心強い。
光学10.7倍の広角・高倍率ズームレンズを備えるのも、CX3の大きな特徴の一つ。35mmフィルムカメラ換算で28mmという広角域から、300mmという「超」が付く望遠域までをカバーする高倍率のズームレンズによって、広大な風景や被写体との距離がとれない室内のワイド撮影から、肉眼では捉えきれない遥か彼方の被写体を狙う望遠撮影まで、幅広く対応する。
これだけの光学高倍率ズームレンズを備えると、必然的にボディも相応のサイズになるもの。しかし、CX3はレンズの一部を振り子のようにスイングすることで、小さなスペースにレンズを収納するリコー独自の「リトラクティングレンズシステム」によって、薄さ29.4mmのスリムボディに仕上げている。標準的なコンパクトデジタルカメラと同等のサイズで、これだけの高倍率ズームを搭載することは、旅の相棒として非常に頼もしい。また、イメージセンサーシフト方式の手ブレ補正機構は、手持ちの望遠域での撮影や低シャッタースピード下での撮影を強力にアシストしてくれる。
リコーのカメラは全般的にマクロ撮影に強く、CX3も広角端で1cm、望遠端で28cmまで被写体に近づくことができる。これが優れた高感度特性と相まって、薄暗いレストラン内で料理を撮影するときなどに威力を発揮する。マクロモードへの移行はボタン一つでOK。だれでも簡単に高度なマクロ撮影を楽しめる。
このほか、最大記録画素数で約5コマ/秒の連写性能や、同社の高級コンパクトデジカメ「GR Digital」シリーズと同じ電子水準器を備えていること、4:3、3:2といった標準的なアスペクト比に加え、1:1や16:9といったマニアックなアスペクト比をサポートするのも特徴だ。この点はブログユーザーなどには特にうれしいポイントだろう。
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ここからは、CX3の性能を検証しよう。まずは28-300mmの広角・高倍率ズームを試すため、光学ズームの倍率を28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、200mm、300mm相当の8段階に固定できるステップズーム機構を使って、それぞれの焦点距離で撮影した。
一台のカメラでこれだけ幅広い焦点距離をカバーすることに、改めて驚く。肉眼では点にしか見えない遥か沖合の船をここまでクローズアップする。4.8倍デジタルズームを併用すれば、画質は荒くなるものの、さらに拡大できる。
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続いて裏面照射型CMOSセンサーの威力を確かめようと、室内撮影にもトライした。ISO400までであれば、ほとんどノイズは気にならない。ISO1600ではさすがにノイズが目立つものの、解像感はしっかりと残っていて、十分実用に耐えるクオリティだ。
CX3は、露出の違う2枚の静止画を高速で連続撮影し、それぞれの適正露出部分をカメラ内で合成することで、明暗差の大きいシーンでの黒トビ、白トビを抑えて階調感ある写真に仕上げる「ダイナミックレンジダブルショット」を備えている。
プログラムAEで撮影した場合は、陰の部分が黒くつぶれた印象になってしまうが、ダイナミックレンジダブルショット機能を利用した場合は、陰の部分がもち上がり、明暗差がなだらかになる印象。逆光での撮影や、イルミネーションの光が多い夜景撮影時などに威力を発揮する。
CX3は、遠景や夜景、スポーツ、ペットなど、さまざまな撮影シーンに合った13種類のシーンモードを備えている。なかでもユニークなのが、現実の風景をミニチュアのように見せる「ミニチュアライズ」モード。通常は高価なシフトレンズのティルト機構を用いる撮影表現だが、CX3では撮影範囲の天地部分をぼかすことで、これと似た効果を出している。
強力なズームレンズと、優れた高感度特性をもつCX3。これだけの性能を備えつつも、持ち歩くことが苦にならないコンパクトなボディは、バカンスで強い味方になることはもちろん、日常の撮影でも活躍するだろう。ボディの質感も高く、シックで機能美を感じさせるデザインは、ファッション感度の高い人にも強く響くに違いない。この一台がバカンスを、そして毎日を楽しく彩ってくれる。(ITジャーナリスト・市川昭彦)
裏面照射型CMOSセンサーで室内や夜景に強い。ワイドから超望遠に対応
「CX3」の一番のポイントは、ソニーの「サイバーショット DSC-TX7」やカシオ「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」などと同じく、今話題の感度の高い裏面照射型CMOSセンサーを採用し、夜や室内など暗いシーンに強いということ。強力なノイズリダクション機能との相乗効果によって普通ならノイズでザラザラとした絵になってしまうISO800や1600といった高感度域でも、解像感を保ったままザラつきの少ない一枚が得られる。夜の町並みや薄暗いレストランなどの室内、ライトアップされた観光名所などの撮影に心強い。
CX3(すみれ)
光学10.7倍の広角・高倍率ズームレンズを備えるのも、CX3の大きな特徴の一つ。35mmフィルムカメラ換算で28mmという広角域から、300mmという「超」が付く望遠域までをカバーする高倍率のズームレンズによって、広大な風景や被写体との距離がとれない室内のワイド撮影から、肉眼では捉えきれない遥か彼方の被写体を狙う望遠撮影まで、幅広く対応する。
これだけの光学高倍率ズームレンズを備えると、必然的にボディも相応のサイズになるもの。しかし、CX3はレンズの一部を振り子のようにスイングすることで、小さなスペースにレンズを収納するリコー独自の「リトラクティングレンズシステム」によって、薄さ29.4mmのスリムボディに仕上げている。標準的なコンパクトデジタルカメラと同等のサイズで、これだけの高倍率ズームを搭載することは、旅の相棒として非常に頼もしい。また、イメージセンサーシフト方式の手ブレ補正機構は、手持ちの望遠域での撮影や低シャッタースピード下での撮影を強力にアシストしてくれる。
広角端1cmまで寄れるマクロ撮影。多彩なアスペクト比を楽しめる
リコーのカメラは全般的にマクロ撮影に強く、CX3も広角端で1cm、望遠端で28cmまで被写体に近づくことができる。これが優れた高感度特性と相まって、薄暗いレストラン内で料理を撮影するときなどに威力を発揮する。マクロモードへの移行はボタン一つでOK。だれでも簡単に高度なマクロ撮影を楽しめる。
このほか、最大記録画素数で約5コマ/秒の連写性能や、同社の高級コンパクトデジカメ「GR Digital」シリーズと同じ電子水準器を備えていること、4:3、3:2といった標準的なアスペクト比に加え、1:1や16:9といったマニアックなアスペクト比をサポートするのも特徴だ。この点はブログユーザーなどには特にうれしいポイントだろう。
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広角・高倍率ズーム、裏面照射型CMOSセンサーの威力を体感
ここからは、CX3の性能を検証しよう。まずは28-300mmの広角・高倍率ズームを試すため、光学ズームの倍率を28mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mm、200mm、300mm相当の8段階に固定できるステップズーム機構を使って、それぞれの焦点距離で撮影した。
28mm
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35mm
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50mm
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85mm
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135mm
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200mm
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300mm
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一台のカメラでこれだけ幅広い焦点距離をカバーすることに、改めて驚く。肉眼では点にしか見えない遥か沖合の船をここまでクローズアップする。4.8倍デジタルズームを併用すれば、画質は荒くなるものの、さらに拡大できる。
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続いて裏面照射型CMOSセンサーの威力を確かめようと、室内撮影にもトライした。ISO400までであれば、ほとんどノイズは気にならない。ISO1600ではさすがにノイズが目立つものの、解像感はしっかりと残っていて、十分実用に耐えるクオリティだ。
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いずれもISO400で撮影
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ISO1600で撮影
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撮って楽しいミニチュアモード、明暗差の激しいシーンもおまかせ
CX3は、露出の違う2枚の静止画を高速で連続撮影し、それぞれの適正露出部分をカメラ内で合成することで、明暗差の大きいシーンでの黒トビ、白トビを抑えて階調感ある写真に仕上げる「ダイナミックレンジダブルショット」を備えている。
プログラムAEで撮影した場合は、陰の部分が黒くつぶれた印象になってしまうが、ダイナミックレンジダブルショット機能を利用した場合は、陰の部分がもち上がり、明暗差がなだらかになる印象。逆光での撮影や、イルミネーションの光が多い夜景撮影時などに威力を発揮する。
ノーマル(プログラムAEで撮影)
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「ダイナミックレンジダブルショット」で撮影
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CX3は、遠景や夜景、スポーツ、ペットなど、さまざまな撮影シーンに合った13種類のシーンモードを備えている。なかでもユニークなのが、現実の風景をミニチュアのように見せる「ミニチュアライズ」モード。通常は高価なシフトレンズのティルト機構を用いる撮影表現だが、CX3では撮影範囲の天地部分をぼかすことで、これと似た効果を出している。
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すべて「ミニチュアライズ」モードで撮影
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強力なズームレンズと、優れた高感度特性をもつCX3。これだけの性能を備えつつも、持ち歩くことが苦にならないコンパクトなボディは、バカンスで強い味方になることはもちろん、日常の撮影でも活躍するだろう。ボディの質感も高く、シックで機能美を感じさせるデザインは、ファッション感度の高い人にも強く響くに違いない。この一台がバカンスを、そして毎日を楽しく彩ってくれる。(ITジャーナリスト・市川昭彦)