USB3.0にSATA 3.0、3倍のバスパワー、2010年のギガバイトマザーは「3」で勝負!
2010年の自作PCを語るとき、重要な二つのキーワードがある。それが「USB3.0」と「Serial ATA 3.0」という二つの最新インターフェースだ。次世代マザーボードの新たな付加価値として注目している読者の方も多いだろう。そんな最新インターフェースをいち早く採用したのが、ギガバイトのマザーボード「P55A」シリーズだ。その全貌に迫った。
自作PCを趣味とする人にとって、「ギガバイト」の名はなじみ深い。コーポレートカラーのブルーを基調とした美しいマザーボードやグラフィックボードの数々は、自作心を強く喚起する。そんなギガバイトが新たに送り出すマザーボードが、Intel P55チップセットを搭載し、Core iシリーズのCPUに対応する「P55A」シリーズだ。
「P55A」シリーズの最大の特徴は、USB3.0やSerial ATA 3.0といった次世代インターフェースをいち早く採用していること。USB3.0は、現行のUSB2.0の最大転送速度480Mbpsの約10倍となる5Gbpsの転送速度をもち、ハイビジョン時代の大容量マルチメディアファイル転送などに大きな威力を発揮する。またSerial ATA 3.0は、従来のSerial ATA 2.5の2倍となる6Gbpsの転送速度をもつ。いずれも昨年末から今年初旬にかけて、HDDなどのストレージ製品を中心に対応機器が登場しつつあり、今年は一気に普及が進むとみられる。この点だけをとっても、「P55A」シリーズをチョイスする価値は大きい。
「P55A」シリーズのもう一つの特徴は、バスパワー駆動性能だ。USBに独自の電源回路「USBパワー3倍機能」を採用し、USB規格の3倍という驚異の電力を供給する。USB2.0では1500mA、USB3.0では2700mAの電力を供給し、バスパワーで駆動するデバイスの安定性を高めてくれる。例えば昨今増えつつあるUSBポートをコンセント代わりにするバッテリ充電器などの利便性が大幅に向上するし、バスパワー駆動のポータブルHDDを接続するときには、電力不足対策の二股USBケーブルを使用することなく、1ポートだけで安定して駆動する。もちろん、バスパワー駆動の性能が向上したことで、市場に新たなバスパワー機器が増えていくことは確実だ。
ギガバイトでは、これら「USB3.0」「Serial ATA 3.0」「USBパワー3倍機能」という「3」に関連した三つの機能を「333オンボードアクセラレーション」と定義して、次世代マザーボードの新たな付加価値とするとアナウンスしている。この「333オンボードアクセラレーション」が、これからのマザーボード選びの基準になっていくことは間違いない。
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では、さっそく「P55A」シリーズの性能を検証しよう。今回チョイスしたのは、いち早く「333オンボードアクセラレーション」を搭載した「GA-P55A-UD3R」。Core i7に対応したスタンダードタイプのマザーボードで、USB3.0を2ポート、Serial ATA 3.0を2ポートを備える。
低温度化/高効率化技術「Ultra Durable 3技術」を採用し、従来機に比べ信頼性・耐久性やオーバークロック耐性などが向上。「Core i7をチョイスしてハイスペックマシンを狙う」というユーザーはもちろん、「Core i3をチョイスしてリーズナブルで安定感あるマシンを組み上げたい」といったユーザーなど、幅広いニーズを高いレベルで満たしてくれる。
今回使用したそのほかのパーツは、CPUがIntel Core i7ー860(2.8GHz)、メモリがUMAX Cetus DCDDDR3-4GB-1333×4、HDDがWesternDigital WD5000AAKS-22A7B0(500GB)、電源がエバーグリーン パワグリ 500W、ケースがギガバイト GZ-X1SPD-100で、OSはWindows Vista Home Premiumの32ビット版をインストールした。
これらのパーツを使って組み立てたPCで、USB3.0の転送速度を測定した。USB3.0に対応したバッファローの外付けHDD「HD-H1.0TU3」をUSB3.0ポートとUSB2.0ポートに接続し、内蔵HDD内に保存した10GBのテストデータを転送する所要時間を測定する。結果は、USB3.0ポートに接続した場合が2分18秒42、USB2.0ポートに接続した場合が5分44秒97だった。
パフォーマンスは倍以上の差となって現れた。将来、USB3.0に対応したデジタルビデオカメラやデジタルカメラから、フルハイビジョンで記録した大容量データなどを転送するときなどに、大きな威力を発揮してくれることだろう。一日も早いUSB3.0対応機器の充実を望みたい、などと、偉そうなこともいえてしまう。
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そのほかのコンポーネントにも目を向けよう。コネクタは、USB3.0を2ポート以外にUSB2.0を10ポートを備える。HDDインターフェースはSerial ATA 3.0を2ポート、Serial ATA 2.5を6ポート、eSATA(Serial ATA 2.5)を2ポート、そしてUltra ATA/133のパラレルコネクタが1基と必要十分。拡張スロットはPCI Express 2.0x16を1スロット、PCI Express 2.0x4を1スロット、PCI Express 2.0x1を2スロット、PCIを3スロット備え、長期を見据えた拡張計画にも余裕をもって対応できる。
USB3.0やSerial ATA 3.0などの最新インターフェースに対応したポートの存在もさることながら、USB2.0を10ポート、Serial ATA 2.5を6ポートも備えていることは非常に大きな利便性をもたらしてくれることだろう。このマザーボードを使う限りは、まずインターフェース不足に悩む心配はない。
余談だが、パネルコネクタは接続端子ごとに色分けされていて、マニュアルに頼らずに対応コネクタを接続することができた。筆者は目が悪いこともあって、毎回ここで苦労するのだ。小さなことだが、組み立てるときの労力を確実に減らしてくれる。このあたりは、さすがに自作を知り尽くしたメーカーだけはある。
Core iシリーズのCPUが充実したことで、自作熱が再び高まりをみせているが、今回の「GA-P55A-UD3R」は、そんなCore iシリーズのパフォーマンスを余すとこなく引き出してくれるとともに、「333オンボードアクセラレーション」によって、これまでにない利便性をもたらしてくれるオススメのマザーボードだ。次世代マザーの標準的スペックをすべて備え、これから続々と市場に登場するUSB3.0対応機器や新たなバスパワー機器などとも高い親和性をもつ「GA-P55A-UD3R」。「マザーボード選びで迷う」という人は、ぜひ注目だ。(ITジャーナリスト・市川昭彦)
次世代マザーのスペックをすべて備えるギガバイトの「GA-P55A-UD3R」
次世代インターフェースを万全装備
自作PCを趣味とする人にとって、「ギガバイト」の名はなじみ深い。コーポレートカラーのブルーを基調とした美しいマザーボードやグラフィックボードの数々は、自作心を強く喚起する。そんなギガバイトが新たに送り出すマザーボードが、Intel P55チップセットを搭載し、Core iシリーズのCPUに対応する「P55A」シリーズだ。
「P55A」シリーズの最大の特徴は、USB3.0やSerial ATA 3.0といった次世代インターフェースをいち早く採用していること。USB3.0は、現行のUSB2.0の最大転送速度480Mbpsの約10倍となる5Gbpsの転送速度をもち、ハイビジョン時代の大容量マルチメディアファイル転送などに大きな威力を発揮する。またSerial ATA 3.0は、従来のSerial ATA 2.5の2倍となる6Gbpsの転送速度をもつ。いずれも昨年末から今年初旬にかけて、HDDなどのストレージ製品を中心に対応機器が登場しつつあり、今年は一気に普及が進むとみられる。この点だけをとっても、「P55A」シリーズをチョイスする価値は大きい。
対応機器を変える? 驚異のバスパワー駆動
「P55A」シリーズのもう一つの特徴は、バスパワー駆動性能だ。USBに独自の電源回路「USBパワー3倍機能」を採用し、USB規格の3倍という驚異の電力を供給する。USB2.0では1500mA、USB3.0では2700mAの電力を供給し、バスパワーで駆動するデバイスの安定性を高めてくれる。例えば昨今増えつつあるUSBポートをコンセント代わりにするバッテリ充電器などの利便性が大幅に向上するし、バスパワー駆動のポータブルHDDを接続するときには、電力不足対策の二股USBケーブルを使用することなく、1ポートだけで安定して駆動する。もちろん、バスパワー駆動の性能が向上したことで、市場に新たなバスパワー機器が増えていくことは確実だ。
規格の3倍の電力を供給するUSBポート(青い端子がUSB3.0)
ギガバイトでは、これら「USB3.0」「Serial ATA 3.0」「USBパワー3倍機能」という「3」に関連した三つの機能を「333オンボードアクセラレーション」と定義して、次世代マザーボードの新たな付加価値とするとアナウンスしている。この「333オンボードアクセラレーション」が、これからのマザーボード選びの基準になっていくことは間違いない。
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2.0をはるかに凌駕するUSB3.0のパフォーマンス
では、さっそく「P55A」シリーズの性能を検証しよう。今回チョイスしたのは、いち早く「333オンボードアクセラレーション」を搭載した「GA-P55A-UD3R」。Core i7に対応したスタンダードタイプのマザーボードで、USB3.0を2ポート、Serial ATA 3.0を2ポートを備える。
話題のSerial ATA 3.0を2ポート備える
低温度化/高効率化技術「Ultra Durable 3技術」を採用し、従来機に比べ信頼性・耐久性やオーバークロック耐性などが向上。「Core i7をチョイスしてハイスペックマシンを狙う」というユーザーはもちろん、「Core i3をチョイスしてリーズナブルで安定感あるマシンを組み上げたい」といったユーザーなど、幅広いニーズを高いレベルで満たしてくれる。
今回使用したそのほかのパーツは、CPUがIntel Core i7ー860(2.8GHz)、メモリがUMAX Cetus DCDDDR3-4GB-1333×4、HDDがWesternDigital WD5000AAKS-22A7B0(500GB)、電源がエバーグリーン パワグリ 500W、ケースがギガバイト GZ-X1SPD-100で、OSはWindows Vista Home Premiumの32ビット版をインストールした。
これらのパーツを使って組み立てたPCで、USB3.0の転送速度を測定した。USB3.0に対応したバッファローの外付けHDD「HD-H1.0TU3」をUSB3.0ポートとUSB2.0ポートに接続し、内蔵HDD内に保存した10GBのテストデータを転送する所要時間を測定する。結果は、USB3.0ポートに接続した場合が2分18秒42、USB2.0ポートに接続した場合が5分44秒97だった。
USB3.0対応のHDDを外付けして、データの転送速度を測定
パフォーマンスは倍以上の差となって現れた。将来、USB3.0に対応したデジタルビデオカメラやデジタルカメラから、フルハイビジョンで記録した大容量データなどを転送するときなどに、大きな威力を発揮してくれることだろう。一日も早いUSB3.0対応機器の充実を望みたい、などと、偉そうなこともいえてしまう。
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インターフェース不足のイライラよ、さらば!
そのほかのコンポーネントにも目を向けよう。コネクタは、USB3.0を2ポート以外にUSB2.0を10ポートを備える。HDDインターフェースはSerial ATA 3.0を2ポート、Serial ATA 2.5を6ポート、eSATA(Serial ATA 2.5)を2ポート、そしてUltra ATA/133のパラレルコネクタが1基と必要十分。拡張スロットはPCI Express 2.0x16を1スロット、PCI Express 2.0x4を1スロット、PCI Express 2.0x1を2スロット、PCIを3スロット備え、長期を見据えた拡張計画にも余裕をもって対応できる。
USB3.0やSerial ATA 3.0などの最新インターフェースに対応したポートの存在もさることながら、USB2.0を10ポート、Serial ATA 2.5を6ポートも備えていることは非常に大きな利便性をもたらしてくれることだろう。このマザーボードを使う限りは、まずインターフェース不足に悩む心配はない。
充実のコネクタ。これだけあればインターフェース不足で悩む心配はない
拡張スロットも充実。将来的にカード類を拡張するときも安心
余談だが、パネルコネクタは接続端子ごとに色分けされていて、マニュアルに頼らずに対応コネクタを接続することができた。筆者は目が悪いこともあって、毎回ここで苦労するのだ。小さなことだが、組み立てるときの労力を確実に減らしてくれる。このあたりは、さすがに自作を知り尽くしたメーカーだけはある。
対応端子ごとに色分けされたパネルコネクタ。自作のツボがわかるギガバイトならではの配慮
Core iシリーズのCPUが充実したことで、自作熱が再び高まりをみせているが、今回の「GA-P55A-UD3R」は、そんなCore iシリーズのパフォーマンスを余すとこなく引き出してくれるとともに、「333オンボードアクセラレーション」によって、これまでにない利便性をもたらしてくれるオススメのマザーボードだ。次世代マザーの標準的スペックをすべて備え、これから続々と市場に登場するUSB3.0対応機器や新たなバスパワー機器などとも高い親和性をもつ「GA-P55A-UD3R」。「マザーボード選びで迷う」という人は、ぜひ注目だ。(ITジャーナリスト・市川昭彦)