DVD-ROMドライブが急成長、ネットブックで高まるポータブル型の需要

特集

2010/01/25 19:27

 読み込み専用のDVD-ROMドライブ市場が好調だ。2009年6月までは販売台数・金額ともに前年割れだったが、7月以降、急激な右肩上がりを続け、12月には対前年同月比で台数327.9%、金額では666.8%と驚異的な数字を叩き出した。この変化は、光学ドライブ非搭載のネットブックが普及し、その外付けドライブとしてのニーズが背景にある。


 市場の成長を後押ししたのは、09年7月にポータブルタイプのDVD-ROMドライブに参入したロジテックと、ブルーレイディスク(BD)ドライブで定評のあるLITEONの台頭だ。とりわけロジテックは、7月に販売台数シェア66.8%と全体の7割に迫る勢いで首位を獲得。12月でも69.1%と高いシェアを確保した。また、LITEONは09年半ばまでは20%前後で推移していたが、9月から伸びはじめ、12月は30.3%で2位につけている。


 ロジテック広報担当者は、「ネットブックの光学ドライブ非搭載モデルに着目し、潜在的な需要があると見込んだ」と市場に参入した理由を明らかにした。さらに、「書き込み対応のドライブと比べると、DVD-ROMドライブは数千円程度しか安くない。しかし、『少しでも安いものが欲しい』『書き込みの機能はいらない』というユーザーのニーズに合致した」(同)。これが、機能を絞ったDVD-ROMドライブに人気が集まった理由だろう。また、ロジテック製品の12月の税別平均価格は4300円程度で、全体の4800円よりも低いということも利いている。

ロジテックの「LDV-P8U2LBK」、LITEONの「iHOS104-06」

 ここで、09年12月の売れ筋モデルをチェックしよう。1位はロジテックのポータブルタイプ「LDV-P8U2LBK」で、34.8%と高いシェアを獲得した。厚さ15mm、重さ250gという薄型でコンパクトなボディが特徴。また、USBバスパワーで駆動するので、外出先でネットブックと一緒に使いやすい点も魅力だ。市場推定価格は5000円。2位はLITEONの内蔵タイプ「iHOS104-06」が26%だった。BDの再生に対応した光学ドライブの中では、比較的低価格なのが選ばれた理由だろう。市場推定価格は7800円。

DVD-ROMドライブ シリーズ別販売台数シェア トップ5
順位 メーカー シリーズ 対応メディア タイプ 販売台数シェア(%)
1 ロジテック LDV-P8U2LBK DVD-ROM 外付けポータブル 34.8
2 LITEON iHOS104-06 BD-ROM 内蔵 26.0
3 ロジテック LDV-P8U2LSV DVD-ROM 外付けポータブル 18.5
4 ロジテック LDV-P8U2LRD DVD-ROM 外付けポータブル 15.7
5 LITEON iHOS104-27 BD-ROM 内蔵 2.2
「BCNランキング」09年12月 月次 <最大パネル>

 ちなみに12月現在、BD対応モデルを扱っているのはLITEONのみ。他社と比べて技術面では一歩リードしているといえるだろう。市場全体でのBD対応モデルの構成比は台数で28.2%、金額で37.1%と一定の規模を確保している。今後、BD対応モデルは参入メーカーが増えると予想され、その際には市場全体の構造に再び変化が生じそうだ。(BCN・井上真希子)


*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。

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