初心者に浸透するHDDケース、一番「売れた」のはこれだ! 2.5/3.5両対応が旬
使わなくなった内蔵HDDを入れて外付けHDDとして再利用できるようにする外箱「HDDケース」。とってもエコなアイテムとして人気を博している。PCの自作ユーザーが利用するものと思われがちだが、最近ではHDDをネジなどの工具不要で簡単に組み込めるもの、2.5/3.5インチのHDD両対応のものやネーミングが面白いものなど、初心者でも手に取りやすい製品が増えてきた。2009年に一番売れた製品は何だったのか。「BCNランキング」で09年のHDDケースのトレンドを探った。
HDDケースは、内蔵用HDDのインターフェイス変換し、外付けHDDにするための「外箱」だ。HDD容量を増やしたいが内蔵HDDの増設をしたくないユーザーや、ディスクでは不足する大容量ファイルを外へ持ち出す際に使う用途で、利用が拡大している。
新たなユーザー層を生みだしているHDDケースの09年1年間の販売数量シェアをみると、機種別でトップを獲得したのはセンチュリーの「シンプルBOX(CSS35U2)」で3.3%だった。名前の通り、3.5インチのSATA-HDDを1台組み込むことができ、PCとはUSBで接続する非常に「シンプル」な製品だ。
このように、商品名が製品の特徴を的確に表現していることがセンチュリー製品の面白いところ。代表的なのは、HDDを裸(バルク)のまま使用することに特化したHDDケース「裸族」シリーズだろう。HDDケースを知らない人でも「何それ!」と興味をそそられるネーミングだ。
この「裸族」シリーズの中でも人気なのは、シェア1.9%で7位の「裸族のお立ち台 eSATAプラス(CROSEU2)」。クレードル(スタンド型の拡張機器)方式を採用し、SATA-HDDを縦に差し込むだけでセットできる。HDDが裸のまま、お立ち台の「外箱」に立った姿になることから「裸族のお立ち台」というワケ。ネーミングもさることながら、これなら初めてのユーザーでも簡単にHDDを増設できる。
PCとの接続方式はUSBのほか、より高速にデータを転送できるeSATA接続も選べる。2.5/3.5インチのSATA-HDDと両対応なのも便利だ。09年12月のHDDケース全体に占める2.5/3.5インチHDD両対応の製品の割合は15.0%とまだめずらしいが、使い勝手の良さから今後は主流に躍り出る可能性が高い。
機種別の2位はタイムリーの「SATA2-CASE3.5BK」で3.0%だった。こちらもネジなどを使わず、簡単に組み立てられるのが特徴だ。きょう体には、放熱性能の高いアルミニウムを採用した。3.5インチのSATA-HDD対応で、PCとはUSBで接続する。
そのほか、2.3%で5位に入ったアオテックの「HDST-U1」も、クレードル方式を採用。2.5インチと3.5インチのSATA-HDD両方に対応し、PCとはUSBまたはeSATAで接続する。
シェア上位の製品をみると、クレードル方式に代表されるように、HDDを簡単に組み込める製品が増え、「外付けHDDの自作」はより敷居が低くなってきた。また、2.5/3.5インチHDD両対応の製品の09年の販売数量は、前年比44.2%増。これには、センチュリーの「裸族のお立ち台」シリーズが人気を博したことが大きく影響しているようだ。
続いて、メーカー別の販売数量シェアもチェックしておこう。BCNは2010年1月14日、「BCN AWARD 2010」で各部門の最優秀賞企業を発表した。ドライブケース部門では、年間販売数量シェア20.6%を獲得してセンチュリーが2年連続で1位に輝いた。2位はシー・エフ・デー販売で19.3%、3位はタイムリーで15.2%という結果だった。製品の特徴をわかりやすく表現したユニークでインパクトのあるネーミングや、2.5/3.5インチのHDD両対応などの付加価値が、同社のトップシェア獲得を後押ししたことは言うまでもない。
「外付けHDD」と「内蔵用HDD+HDDケース」は実質的に同じ。両者を選ぶとすれば、後者の方にさまざま利点がある。外付けHDDはメーカー品しかなく価格が割り増しになる。しかし、HDDケースを利用する場合は、大量にバルクで販売しているHDDが使える等々。内蔵HDDを有効利用し、安価にHDD環境をつくりたいという気持ちで外付けHDDづくりに挑んでみてはどうだろうか。難なく「PCパーツ」の面白さを体感できるだろう。(BCN・武井美野里)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
09年も「裸族」人気は健在、裸のHDD立てるだけで初心者にも簡単利用
HDDケースは、内蔵用HDDのインターフェイス変換し、外付けHDDにするための「外箱」だ。HDD容量を増やしたいが内蔵HDDの増設をしたくないユーザーや、ディスクでは不足する大容量ファイルを外へ持ち出す際に使う用途で、利用が拡大している。
順位 | メーカー | 型番 | 対応HDD | 販売数量シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | センチュリー | CSS35U2 | 3.5インチ SATA | 3.3 |
2 | タイムリー | SATAII-CASE3.5BK | 3.5インチ SATA | 3.0 |
3 | タイムリー | IDE-CASE3.5BK | 3.5インチ IDE | 2.5 |
4 | シー・エフ・デー販売 | GW2.5AI-SU2 | 2.5インチ SATA | 2.3 |
5 | アオテック | HDST-U1 | 2.5/3.5インチ SATA | 4.5 |
6 | タイムリー | SATAII-CASE3.5SL | 3.5インチ SATA | 1.93 |
7 | センチュリー | CROSEU2 | 2.5/3.5インチ SATA | 1.88 |
8 | シー・エフ・デー販売 | GW3.5AA-SU2/MB | 3.5インチ SATA | 1.79 |
9 | タイムリー | IDE-CASE3.5SL | 3.5インチ IDE | 1.76 |
10 | シー・エフ・デー販売 | GW3.5AA-SU2 | 3.5インチ SATA | 1.7 |
「BCNランキング」09年1月-12月 月次 <最大パネル>
新たなユーザー層を生みだしているHDDケースの09年1年間の販売数量シェアをみると、機種別でトップを獲得したのはセンチュリーの「シンプルBOX(CSS35U2)」で3.3%だった。名前の通り、3.5インチのSATA-HDDを1台組み込むことができ、PCとはUSBで接続する非常に「シンプル」な製品だ。
シンプルBOX(CSS35U2)
このように、商品名が製品の特徴を的確に表現していることがセンチュリー製品の面白いところ。代表的なのは、HDDを裸(バルク)のまま使用することに特化したHDDケース「裸族」シリーズだろう。HDDケースを知らない人でも「何それ!」と興味をそそられるネーミングだ。
この「裸族」シリーズの中でも人気なのは、シェア1.9%で7位の「裸族のお立ち台 eSATAプラス(CROSEU2)」。クレードル(スタンド型の拡張機器)方式を採用し、SATA-HDDを縦に差し込むだけでセットできる。HDDが裸のまま、お立ち台の「外箱」に立った姿になることから「裸族のお立ち台」というワケ。ネーミングもさることながら、これなら初めてのユーザーでも簡単にHDDを増設できる。
「裸族のお立ち台 eSATAプラス(CROSEU2)」(左が2.5、右が3.5インチHDD接続時)
PCとの接続方式はUSBのほか、より高速にデータを転送できるeSATA接続も選べる。2.5/3.5インチのSATA-HDDと両対応なのも便利だ。09年12月のHDDケース全体に占める2.5/3.5インチHDD両対応の製品の割合は15.0%とまだめずらしいが、使い勝手の良さから今後は主流に躍り出る可能性が高い。
機種別の2位はタイムリーの「SATA2-CASE3.5BK」で3.0%だった。こちらもネジなどを使わず、簡単に組み立てられるのが特徴だ。きょう体には、放熱性能の高いアルミニウムを採用した。3.5インチのSATA-HDD対応で、PCとはUSBで接続する。
SATA2-CASE3.5BK
そのほか、2.3%で5位に入ったアオテックの「HDST-U1」も、クレードル方式を採用。2.5インチと3.5インチのSATA-HDD両方に対応し、PCとはUSBまたはeSATAで接続する。
HDST-U1
シェア上位の製品をみると、クレードル方式に代表されるように、HDDを簡単に組み込める製品が増え、「外付けHDDの自作」はより敷居が低くなってきた。また、2.5/3.5インチHDD両対応の製品の09年の販売数量は、前年比44.2%増。これには、センチュリーの「裸族のお立ち台」シリーズが人気を博したことが大きく影響しているようだ。
メーカー別は「自作心」をくすぐるセンチュリーが2年連続の1位
続いて、メーカー別の販売数量シェアもチェックしておこう。BCNは2010年1月14日、「BCN AWARD 2010」で各部門の最優秀賞企業を発表した。ドライブケース部門では、年間販売数量シェア20.6%を獲得してセンチュリーが2年連続で1位に輝いた。2位はシー・エフ・デー販売で19.3%、3位はタイムリーで15.2%という結果だった。製品の特徴をわかりやすく表現したユニークでインパクトのあるネーミングや、2.5/3.5インチのHDD両対応などの付加価値が、同社のトップシェア獲得を後押ししたことは言うまでもない。
「外付けHDD」と「内蔵用HDD+HDDケース」は実質的に同じ。両者を選ぶとすれば、後者の方にさまざま利点がある。外付けHDDはメーカー品しかなく価格が割り増しになる。しかし、HDDケースを利用する場合は、大量にバルクで販売しているHDDが使える等々。内蔵HDDを有効利用し、安価にHDD環境をつくりたいという気持ちで外付けHDDづくりに挑んでみてはどうだろうか。難なく「PCパーツ」の面白さを体感できるだろう。(BCN・武井美野里)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。