最も売れたノートPCはどれ? 2009年の市場を振り返る
今年はWindows 7の発売に沸いたPC市場。このタイミングで新しいPCを手に入れようと考えている人も多いだろう。ノートPCに限って見てみても、後述する「CULV」搭載ノートという新しいカテゴリが登場し、来年も盛り上がりそうな雰囲気だ。そこで、まずは年納めということで、この一年を振り返って最も売れた機種を、「BCNランキング」をもとに紹介しよう。
今回のランキングの集計期間は09年1月1日から12月27日まで。なお、集計時には製品のカラーバリエーションは合算するとともに、ネットブックは除外している。ネットブックのランキングは別記事を用意しているので、順位が気になる方はそちらをご覧いただきたい。
上位20製品を見ると、ほぼ富士通、NEC、東芝の3社が独占。わずかにソニー製品が1機種ランクインしているほかは、すべて3社いずれかの製品だ。1位を獲得したのは富士通の「FMVNFD50」。15.6型ワイド液晶を搭載したスタンダードモデルで、09年4月に発売された製品。新生活需要を取り込んで売り上げを伸ばしたことが、1位獲得の要因といえそうだ。
また、2位に入ったのは同じく富士通の「FMVNFC50」。こちらは08年12月発売の製品で、1位「FMVNFD50」の一代前のモデルにあたる。2製品とも、同社の一般ユーザー向け主力製品であるFMV-BIBLO NFシリーズ。最新モデルの「FMVNFE50」も13位にランクインしており、安定した支持を集めた。
トップ3最後は、NECの「LL550/TG」。こちらは09年4月発売のモデルと、やはり集計期間が有利にはたらくのか、昨年末もしくは今春発売のモデルが目立つ。
メーカー別で見ると、上位20製品のうち、富士通が5製品、NECが6製品、東芝が最多の8製品、ソニーが1製品という結果になった。いずれの製品も、15-16型の液晶ディスプレイを搭載し、据え置きでの使用を想定しているスタンダードサイズだ。また、搭載OSで比較すると、最新のWindows 7を搭載した製品は、OS自体が10月発売だったこともあり、上述の富士通「FMVNFE50」のほかには19位の東芝「PAEX35KLT」の2製品のみだった。
今年のノートPC市場は、新製品が出るたびにCPUが高性能になるのはもちろん、メモリやHDDの大容量化も進行。ハイビジョン映像を編集したり、地デジを録画したりといったユーザーニーズの多様化に応える高機能化が進んだ一年だった。
そして、今年のPC市場の最大のトピックといえるのがWindows 7の発売。先述のように09年の年間機種ランキングにWindows 7搭載PCは2機種しかランクインしていないが、Windows 7搭載ノートPCの発売以降、市場には新たな変化が現れている。それが「CULV」といわれる超低電圧CPUを搭載したノートPCの登場だ。
「CULV」とは「Consumer Ultra Low Voltage」の頭文字をとったもので、直訳すると「消費者向け超低電圧」ということになる。CULVプロセッサは、主にモバイルノートPCでの利用を想定したCPUで、低電圧・低消費電力で、PCの小型化に加えて長寿命化を図ることができるのが特徴だ。また、CULVプロセッサにはデュアルコアのものもあり、ネットブック向けのAtomと比較すると性能はワンランク上といえる。
このCULVプロセッサを搭載したノートPCの発売が、今年の秋以降、相次いでいる。富士通の「LOOX C」、NECの「LaVie M」、東芝の「dynabook MX」などをはじめとして、各社ともネットブックとスタンダードノートの隙間を埋める製品として、ネットブックでは性能が少し物足りない、もしくは仕事でも使えるモバイルPCがほしいといったユーザーに向けて売り出している。08年のネットブック、09年のWindows 7に続き、2010年はCULVノートがPC市場をにぎわしてくれることに期待したい。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
今回のランキングの集計期間は09年1月1日から12月27日まで。なお、集計時には製品のカラーバリエーションは合算するとともに、ネットブックは除外している。ネットブックのランキングは別記事を用意しているので、順位が気になる方はそちらをご覧いただきたい。
順位 | メーカー名 | シリーズ名 | 型番 | 販売台数シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | 富士通 | FMV-BIBLO NF | FMVNFD50 | 4.7 |
2 | 富士通 | FMV-BIBLO NF | FMVNFC50 | 3.8 |
3 | NEC | LaVie L | LL550/TG | 3.5 |
4 | 東芝 | dynabook TX | PATX66HLP | 2.51 |
5 | NEC | LaVie L | LL750/SG | 2.50 |
6 | NEC | LaVie L | LL550/SG | 2.3 |
7 | 東芝 | dynabook AX | PAAX53JLP | 2.2 |
8 | NEC | LaVie L | LL700/TG | 2.0 |
9 | 富士通 | FMV-BIBLO NF | FMVNFD70 | 1.84 |
10 | 富士通 | FMV-BIBLO NF | FMVNFC70 | 1.78 |
11 | 東芝 | dynabook TX | PATX65HLP | 1.76 |
12 | 富士通 | FMV-BIBLO NF | FMVNFE50 | 1.73 |
13 | ソニー | VAIO type N | VGN-NS52JB | 1.6 |
14 | 東芝 | dynabook EX | PAEX35KLT | 1.43 |
15 | NEC | LaVie L | LL730/TG | 1.39 |
16 | 東芝 | dynabook TX | PATX65JLP | 1.323 |
17 | NEC | LaVie L | LL370/SG | 1.319 |
18 | 東芝 | dynabook EX | PAEX33JLP | 1.30 |
19 | 東芝 | dynabook EX | PAEX33HLP | 1.24 |
20 | 東芝 | dynabook TX | PATX66J2LP | 1.18 |
「BCNランキング」 09年1月1日-12月27日 日次合算<最大パネル>
※ネットブックは除外して集計
上位20製品を見ると、ほぼ富士通、NEC、東芝の3社が独占。わずかにソニー製品が1機種ランクインしているほかは、すべて3社いずれかの製品だ。1位を獲得したのは富士通の「FMVNFD50」。15.6型ワイド液晶を搭載したスタンダードモデルで、09年4月に発売された製品。新生活需要を取り込んで売り上げを伸ばしたことが、1位獲得の要因といえそうだ。
富士通「FMVNFD50」
また、2位に入ったのは同じく富士通の「FMVNFC50」。こちらは08年12月発売の製品で、1位「FMVNFD50」の一代前のモデルにあたる。2製品とも、同社の一般ユーザー向け主力製品であるFMV-BIBLO NFシリーズ。最新モデルの「FMVNFE50」も13位にランクインしており、安定した支持を集めた。
FMV-BIBLO NFシリーズの最新モデル「FMVNFE50」
トップ3最後は、NECの「LL550/TG」。こちらは09年4月発売のモデルと、やはり集計期間が有利にはたらくのか、昨年末もしくは今春発売のモデルが目立つ。
NEC「LL550/TG」
メーカー別で見ると、上位20製品のうち、富士通が5製品、NECが6製品、東芝が最多の8製品、ソニーが1製品という結果になった。いずれの製品も、15-16型の液晶ディスプレイを搭載し、据え置きでの使用を想定しているスタンダードサイズだ。また、搭載OSで比較すると、最新のWindows 7を搭載した製品は、OS自体が10月発売だったこともあり、上述の富士通「FMVNFE50」のほかには19位の東芝「PAEX35KLT」の2製品のみだった。
今年のノートPC市場は、新製品が出るたびにCPUが高性能になるのはもちろん、メモリやHDDの大容量化も進行。ハイビジョン映像を編集したり、地デジを録画したりといったユーザーニーズの多様化に応える高機能化が進んだ一年だった。
Windows 7
そして、今年のPC市場の最大のトピックといえるのがWindows 7の発売。先述のように09年の年間機種ランキングにWindows 7搭載PCは2機種しかランクインしていないが、Windows 7搭載ノートPCの発売以降、市場には新たな変化が現れている。それが「CULV」といわれる超低電圧CPUを搭載したノートPCの登場だ。
「CULV」とは「Consumer Ultra Low Voltage」の頭文字をとったもので、直訳すると「消費者向け超低電圧」ということになる。CULVプロセッサは、主にモバイルノートPCでの利用を想定したCPUで、低電圧・低消費電力で、PCの小型化に加えて長寿命化を図ることができるのが特徴だ。また、CULVプロセッサにはデュアルコアのものもあり、ネットブック向けのAtomと比較すると性能はワンランク上といえる。
東芝「dynabook MX」
このCULVプロセッサを搭載したノートPCの発売が、今年の秋以降、相次いでいる。富士通の「LOOX C」、NECの「LaVie M」、東芝の「dynabook MX」などをはじめとして、各社ともネットブックとスタンダードノートの隙間を埋める製品として、ネットブックでは性能が少し物足りない、もしくは仕事でも使えるモバイルPCがほしいといったユーザーに向けて売り出している。08年のネットブック、09年のWindows 7に続き、2010年はCULVノートがPC市場をにぎわしてくれることに期待したい。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。