ひと足早い09年のネットブック売れ筋ランキング、「dynabook UX」が1位

特集

2009/12/29 13:25

 2008年に引き続き2009年も注目を集めたネットブック。08年は日本エイサーやASUSといった台湾メーカーの製品が優勢だったが、09年は国内メーカーが次々と参入し、さらに市場が賑わった。09年はどんな製品が人気を集めたのか、少々気が早いかもしれないが、09年1月1日-12月24日のネットブックの売れ筋ランキングトップ20をご紹介しよう。

・ノートPCの09年の年間ランキングはこちら

ネットブック シリーズ別販売台数シェア トップ20
※集計期間:2009年1月1日~12月24日
順位 メーカー名 シリーズ名 CPU 画面サイズ 販売台数シェア(%)
1 東芝 PAUX23JNL Atom 10.1 5.7
2 日本エイサー AOA150-B_1 Atom 8.9 5.1
3 ASUS EPC1000HE-X Atom 10.0 4.7
4 レノボ・ジャパン IdeaPad S10e Atom 10.1 4.6
5 日本エイサー AOA150-B_dom Atom 8.9 4.1
6 ASUS EEEPC1000H-X Atom 10.0 2.8
7 日本エイサー AOD250-B_83 Atom 10.1 2.7
8 NEC BL300/TA6 Atom 10.1 2.6
9 ASUS EEEPC900HA-X Atom 8.9 2.6
10 ソニー VGN-P70H Atom 8.0 2.3
11 ソニー VPCW119XJ Atom 10.1 2.2
12 日本エイサー AOD150-B_73 Atom 10.1 2.0
13 ASUS EEEPC900-F004X Celeron M 8.9 1.9
14 富士通 FMVLMD15 Atom 10.1 2.0
15 ASUS EEEPC901-16G Atom 8.9 1.9
16 東芝 PANB100HNL Atom 8.9 1.7
17 富士通 FMVLMD10 Atom 10.1 1.7
18 ASUS EEEPCS101-X Atom 10.2 1.5
19 NEC BL100/SA Atom 10.1 1.5
20 ASUS EEEPC701-SD_007X Celeron M 7.0 1.4

「BCNランキング」09年1月1日-12月24日 日次合算 <最大パネル>



 09年1月1日-12月24日のネットブック・販売台数シェアのカラーバリエーションを合算したシリーズ別集計で1位を獲得したのは、東芝の「dynabook UX(PAUX23JNL)」。シェアは5.7%だった。丸みを帯びた薄型のフォルムが、高級感をかもし出す。画面サイズは10.1型ワイドで、1GBのメモリと160GBのHDDを備える。

「dynabook UX(PAUX23JNL)」シリーズ

 08年のネットブックの年間売れ筋ランキングでは、日本エイサーとASUSの製品が上位を占めていた。しかし、09年は国内メーカーが次々と製品を投入。中でも東芝の「PAUX23JNL」は4月に発売した後、6月-10月まで5か月連続で1位を獲得し、年間でもトップを獲得することはほぼ間違いないだろう。

 続いて2位は日本エイサーの「Aspire one(AOA150-B_1)」で5.1%。8.9型ワイド液晶、1GBのメモリ、160GBのHDDを搭載する。08年11月に発売し、08年のネットブックの年間シリーズ別ランキングでは4位を獲得。今年も人気は健在だった。

「Aspire one(AOA150-B_1)」(サファイアブルー)

 3位はASUS「Eee PC 1000HE(EPC1000HE-X)」で4.8%だった。画面サイズは10.0型ワイドで、1GBのメモリ、160GBのHDDを備える。こちらは09年4月の発売。ASUSは09年7月以降、「貝殻」をイメージして天板に光沢のある塗装を施した「Eee PC Seashell(シーシェル)」シリーズを投入したが、トップ10に入ったのは、いずれもデザイン変更前のシンプルなモデルだった。

「Eee PC 1000HE(EPC1000HE-X)」シリーズ

 そのほか東芝以外の国内メーカーの製品で注目したいのは、2.3%で10位にランクインしたソニーの「VAIO type P(VGN-P70H)」だ。幅245×奥行き120mmの横長ボディに、8.0型のウルトラワイド液晶を搭載する特徴あるデザインを採用。OSはWindows Vistaを搭載するなど、一般的なネットブックとは一線を画した製品で、09年1月の発売直後は量販店のレジに行列ができるほどの注目を集めた。ジーンズのポケットに「VAIO type P」を入れた女性が歩くCMを覚えている人も多いだろう。2GBのメモリ、60GBのHDDを搭載する。

「VAIO type P(VGN-P70H)」(ガーネットレッド)

 09年のネットブックは、画面の大型化が進んだ。08年は8.9型の製品が54.2%を占めていたが、09年の1月1日-12月24日では10.1型の製品が44.1%と主流になった。さらに、09年の後半には画面サイズがネットブックより比較的大きめで、CPUにAtomよりも性能がいいCULV(消費者向け超低電圧)プロセッサを搭載するモバイルノートPCが登場。今回のネットブックのランキングで1位を獲得した東芝も「ネットノート」として製品を投入し、単体でCMを打つなど力を入れている。2010年はネットブックのみならず、このCULVノートも含めたモバイルノートPC市場がさらに盛り上がりをみせそうだ。(BCN・武井美野里)


*BCNでは、08年以降に発売された製品で、液晶ディスプレイが12.1型以下、CPUにAtom系の低電圧CPUを搭載する製品を「ネットブック」と定義しています。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。