ソニービルで旭山動物園の映像が3Dに、アザラシの「もぐもぐタイム」もHD化

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2009/12/24 15:19

 ソニー企業は12月22日、旭川市旭山動物園の動物たちのいきいきとした姿をハイビジョン映像で楽しめる「旭川市×ソニービル ハイビジョン旭山動物園」を、東京・銀座のソニービルで開始した。動物たちが食事をする「もぐもぐタイム」のハイビジョン映像のほか、3Dの立体映像を200型の大画面で提供する。実施期間は12月22日-2010年1月17日。協力はソニー、後援は北海道と社団法人北海道観光振興機構、監修は旭山動物園。

オープニングイベントのテープカット

 「旭川市×ソニービル ハイビジョン旭山動物園」は、北海道旭川市の旭山動物園の動物たちの様子を、ハイビジョン映像で視聴できる催し。なかでもアザラシやホッキョクグマ、ペンギンなど、動物の様子を3D映像で見られるのが魅力だ。会場で使用する映像は、10月末-11月上旬に撮影した動物園の冬の風景になる。 

3D映像を大画面で視聴(写真は2D)

 3D映像は8階のコミュニケーションゾーン「OPUS(オーパス)」で見ることができる。200型という大画面テレビの前で専用のメガネをかけると、動物の毛並みや水しぶき、空を舞う雪などが手で触れられそうなほど近くに飛び出してくる。スーパーモーションカメラによる3倍速で撮影した映像も盛り込んでおり、肉眼では見ることのできない動物たちの動きをスローで表示する。上映時間は約9分間。3D映像は「OPUS」のほか、2階のショールームでダイジェスト版を見ることができる。 

撮影で使用したビデオカメラ

 メイン会場は、1階と2階のショールーム。2階には「ほっきょくぐま館」「あざらし館」「おらんうーたん館」「ぺんぎん館」のコーナーを設置。飼育員がエサをあげながら動物についてわかりやすく解説する旭山動物園の人気プログラム「もぐもぐタイム」を、複数のテレビにハイビジョンで上映する。いずれも上映時間は5-7分程度。オオカミやチンパンジーなど、そのほかの動物たちを集めたダイジェストを上映するコーナーもある。 

「もぐもぐタイム」を再現した体験コーナー

 会場では、映像による体験コーナーのほか、子どもが触ったり見たりして楽しめる工夫も施している。例えば、2人で腰掛けると2匹のクマにだっこされているように見える「ハグハグチェア」のホッキョクグマバージョンを1階に設置。このイスは、札幌と旭川を結ぶ特急・旭山動物園号で使用しているもの。また、旭山動物園の元飼育員である絵本作家のあべ弘士さんのイラストを使った動物型のパネルや、ジオラマ、絵本コーナーも設けている。 

特急・旭山動物園号の「ハグハグチェア」ホッキョクグマ版

 オープン前のプレス向けレセプションでは、「ソニーのハイビジョンや3Dの映像技術を活用して旭山動物園の動物たちを再現することで、自然の大切さ・美しさ、動物の命の育みを感じてもらいたい」とソニー企業の斉藤惠治・代表取締役社長が挨拶。また、「このイベントが将来、東京・銀座の冬の風物詩となるよう発展させていきたい」を抱負を語った。 

元飼育員で絵本作家のあべ弘士さんによる絵本コーナー

 旭山動物園の坂東元園長は、「旭山動物園には、珍しい動物がいるわけではない。その動物のありのままの姿、それぞれの季節で生きていく自然な姿を見てほしい」と動物園のコンセプトを紹介。今回のソニービルでの催しに関して、「私は本物にこだわっているので、やはり本物を見てほしいと思うが、映像技術によって動物に興味をもてたり、深く知ることができたりするのはすごいこと」と、映像ならではのメリットを語った。 

(左から)AIR DO キャビンアテンダントの大内香苗さん、旭川市旭山動物園の坂東元園長、ソニー企業の斉藤惠治・代表取締役社長

 動物園の魅力の一つ「もぐもぐタイム」を映像化については、「動物園のメッセージ、動物たちのメッセージを聞いてほしい」と述べたうえで、「これを機会に動物園に足を運んでくれたらうれしい」と語った。なお、坂東園長は今回イベントに取り上げなかった映像として「ペンギンの散歩」を挙げ、「来年は3D映像になれば」と期待を込めた。 

曽根秀幸さんによる氷の彫刻(ホッキョクグマ)

 ソニービル前のイベントスペースには、氷の彫刻や北海道から取り寄せた本物の雪が置かれ、冬らしいモニュメントに、来場者の子どもなどがはしゃぐ姿が見られた。催しはショールームと「OPUS」での展示のほか、2010年1月16、17日には動物園の飼育員や園長から直接話が聴けるイベント「旭山動物園出張授業」を実施。このほか、スタンプラリーや絵本の朗読会など、各種イベントを随時行っていく。

「旭川市×ソニービル ハイビジョン旭山動物園」の垂れ幕がかかった銀座のソニービル