売れ筋のネットブックはどれだ? 11月のメーカー別ではソニーが3位に
ちょっとした高級品だったノートPCの敷居を下げ、一気に市民権を得たネットブック。人気に火がついたのは、もう2年ほど前の08年年頭だった。以来、ネットブックは低価格を武器にパソコン市場のけん引役になってきた。旋風を巻き起こした台湾メーカー――ASUSやエイサーが先行し、それを国内メーカーが追いかける構図で、シェア争いは激化している。そして今、CULVという新たなカテゴリを横目に見つつ、最も売れている製品はどれなのか? 「BCNランキング」で09年11月の売れ筋を紹介する。
まずはメーカー別シェアを紹介しよう。ネットブック市場で旋風を巻き起こしたASUSやエイサーは、09年1-3月まで国内メーカーを引き離していたが、4月に東芝のシェアが上昇。以降は、ASUS、エイサー、東芝の3社による熾烈な争いとなった。10月は東芝が台湾勢2社を抜きトップを獲得。しかし、11月には再び2社に抜き返された。さらに11月は、ソニーが勢いをつけて東芝を僅差でかわし、3位に入っている。ネットブック市場は、国内メーカーによる攻勢で、毎月のシェアは乱戦状態といっていい。
※当初、タイトルおよび小見出しでは「ソニーが2位」と記載しておりましたが、正しくは下記のグラフの通り、「3位」となります。訂正してお詫びいたします。
では、ここから09年11月のネットブックの売れ筋ランキングをみていこう。なお、ランキングはカラーバリエーションを合算したシリーズ別の数値で算出している。
2位にはソニーの「VAIO W(VPCW119XJ)」が入った。シェアは5.7%。09年8月発売の同社初のネットブックだ(レビューはこちら)。画面サイズは「Aspire One D250」と同じ10.1型だが、解像度は1366×768と、より高解像度。ネットブックの解像度として一般的な1024×600に比べ、広い領域を表示できる。通信機能は、最新の無線LAN規格802.11n、Bluetoothに対応する。バッテリ駆動時間は3.5時間。重さは1.19kg。価格は6万円前後。
3位は東芝の「dynabook UX(PAUX23JNL)」で5.3%。09年4月発売で、ネットブックのカテゴリで初めて「dynabook」を名乗ったモデルだ(レビューはこちら)。天板に立体的な縦縞加工を施したデザインで、コンパクトなシステム手帳のようなイメージに仕上げている。液晶画面は10.1型で、解像度1024×600画素。無線LAN機能は802.11gに対応している。Bluetoothは非搭載。バッテリ駆動時間は4.0時間、重さは1.18kg。価格は5万5000円前後。
4位はNEC「LaVie Light(BL300/TA6)」で4.3%。NECは08年11月にネットブック市場に参入。「BL300/TA6」は、09年6月発売の第3弾だ。国内で初めて16GBのSSDと160GBのHDDの両方を搭載したモデルを投入するなど、ラインアップの拡大を図った。液晶画面は10.1型で、解像度1024×600画素。通信機能は、最新の無線LAN規格802.11nやBluetoothに対応する。バッテリ駆動時間は4.2時間。重さは1.14kg。価格は4万円前後。
5位には、ネットブック市場の火付け役、ASUSの製品が入った。ASUSはネットブックの新製品を次々と投入しており、ラインアップの充実ぶりは他社を大きく凌駕する。シェア4.1%で5位にランクインした「EEEPC1005HA(Seashell/Business)」は、貝殻をイメージして天板に光沢塗装を施した。また、10.2時間の長時間駆動バッテリで、モバイルユースでのメリットが大きい。液晶画面は10.1型で、解像度1024×600画素。通信機能は、最新の無線LAN規格802.11n、Bluetoothに対応する。重さは1.27kg。価格は3万円台後半から6万円強まで、スペックにより幅広い。
ランキング上位5機種のうち、2位のソニー「VPCW119XJ」は、他の4機種に比べて画面の解像度が高いことや最新の無線LAN規格に対応していることなどから、価格は1万円ほど高い。5機種とも、OSにWindows XP、CPUにはAtom(1660MHz)を採用し、1GBメモリ、160GBのHDDを搭載している。また、本体はB5サイズほどで、重さもそれほど大きな差はない。違いはバッテリ駆動時間やキーボード入力の使用感、カラーバリエーション、デザイン、メーカーの保証やサポートにある。
ネットブックは、最新OSのWindows 7を搭載するモデルも登場し、選択肢が広がっている。従来のXP搭載モデルのようにスペックが横並びではなく、HDD容量に違いがるなど、違いが明確になりつつある。ネットブックを買うなら、今やXP搭載モデルだけでなく、Windows 7搭載モデルもチェックしておく必要があるだろう。(BCN・田沢理恵)
*BCNでは、08年以降に発売された製品で、液晶ディスプレイが12.1型以下、CPUにAtom系の低電圧CPUを搭載する製品を「ネットブック」と定義しています。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
1位は日本エイサー、ソニーは東芝をかわし3位に浮上
まずはメーカー別シェアを紹介しよう。ネットブック市場で旋風を巻き起こしたASUSやエイサーは、09年1-3月まで国内メーカーを引き離していたが、4月に東芝のシェアが上昇。以降は、ASUS、エイサー、東芝の3社による熾烈な争いとなった。10月は東芝が台湾勢2社を抜きトップを獲得。しかし、11月には再び2社に抜き返された。さらに11月は、ソニーが勢いをつけて東芝を僅差でかわし、3位に入っている。ネットブック市場は、国内メーカーによる攻勢で、毎月のシェアは乱戦状態といっていい。
※当初、タイトルおよび小見出しでは「ソニーが2位」と記載しておりましたが、正しくは下記のグラフの通り、「3位」となります。訂正してお詫びいたします。
では、ここから09年11月のネットブックの売れ筋ランキングをみていこう。なお、ランキングはカラーバリエーションを合算したシリーズ別の数値で算出している。
順位 | メーカー | シリーズ名 | OS | 画面サイズ | モニタ解像度 | 販売台数 シェア(%) |
1 | 日本エイサー | AOD250-B_83 | Windows XP | 10.1 | 1024×600 | 6.2 |
2 | ソニー | VPCW119XJ | Windows XP | 10.1 | 1366×768 | 5.7 |
3 | 東芝 | PAUX23JNL | Windows XP | 10.1 | 1024×600 | 5.3 |
4 | NEC | BL300/TA6 | Windows XP | 10.1 | 1024×600 | 4.3 |
5 | ASUS | EEEPC1005HA | Windows XP | 10.1 | 1024×600 | 4.1 |
「BCNランキング」09年11月 月次<最大パネル>
シリーズ別1位は、日本エイサー「Aspire One D250(AOD250-B 83)」シリーズで、販売台数シェアは6.2%。09年5月発売のモデルで、前モデル「AOD150」と比べると、若干薄型・軽量化している。液晶画面は10.1型で、解像度は1024×600。通信機能として、802.11g規格の無線LANやBluetoothに対応する。バッテリ駆動時間は3.5時間。重さは1.07kg。BCNランキングの市場推定価格(以下、価格)は4万円前後。日本エイサーのAspire One D250シリーズ
2位にはソニーの「VAIO W(VPCW119XJ)」が入った。シェアは5.7%。09年8月発売の同社初のネットブックだ(レビューはこちら)。画面サイズは「Aspire One D250」と同じ10.1型だが、解像度は1366×768と、より高解像度。ネットブックの解像度として一般的な1024×600に比べ、広い領域を表示できる。通信機能は、最新の無線LAN規格802.11n、Bluetoothに対応する。バッテリ駆動時間は3.5時間。重さは1.19kg。価格は6万円前後。
ソニーのVAIO Wシリーズ
3位は東芝の「dynabook UX(PAUX23JNL)」で5.3%。09年4月発売で、ネットブックのカテゴリで初めて「dynabook」を名乗ったモデルだ(レビューはこちら)。天板に立体的な縦縞加工を施したデザインで、コンパクトなシステム手帳のようなイメージに仕上げている。液晶画面は10.1型で、解像度1024×600画素。無線LAN機能は802.11gに対応している。Bluetoothは非搭載。バッテリ駆動時間は4.0時間、重さは1.18kg。価格は5万5000円前後。
東芝のdynabook UXシリーズ
4位はNEC「LaVie Light(BL300/TA6)」で4.3%。NECは08年11月にネットブック市場に参入。「BL300/TA6」は、09年6月発売の第3弾だ。国内で初めて16GBのSSDと160GBのHDDの両方を搭載したモデルを投入するなど、ラインアップの拡大を図った。液晶画面は10.1型で、解像度1024×600画素。通信機能は、最新の無線LAN規格802.11nやBluetoothに対応する。バッテリ駆動時間は4.2時間。重さは1.14kg。価格は4万円前後。
NECのLaVie Lightシリーズ
5位には、ネットブック市場の火付け役、ASUSの製品が入った。ASUSはネットブックの新製品を次々と投入しており、ラインアップの充実ぶりは他社を大きく凌駕する。シェア4.1%で5位にランクインした「EEEPC1005HA(Seashell/Business)」は、貝殻をイメージして天板に光沢塗装を施した。また、10.2時間の長時間駆動バッテリで、モバイルユースでのメリットが大きい。液晶画面は10.1型で、解像度1024×600画素。通信機能は、最新の無線LAN規格802.11n、Bluetoothに対応する。重さは1.27kg。価格は3万円台後半から6万円強まで、スペックにより幅広い。
ASUSのEEEPC1005HAシリーズ
ランキング上位5機種のうち、2位のソニー「VPCW119XJ」は、他の4機種に比べて画面の解像度が高いことや最新の無線LAN規格に対応していることなどから、価格は1万円ほど高い。5機種とも、OSにWindows XP、CPUにはAtom(1660MHz)を採用し、1GBメモリ、160GBのHDDを搭載している。また、本体はB5サイズほどで、重さもそれほど大きな差はない。違いはバッテリ駆動時間やキーボード入力の使用感、カラーバリエーション、デザイン、メーカーの保証やサポートにある。
ネットブックは、最新OSのWindows 7を搭載するモデルも登場し、選択肢が広がっている。従来のXP搭載モデルのようにスペックが横並びではなく、HDD容量に違いがるなど、違いが明確になりつつある。ネットブックを買うなら、今やXP搭載モデルだけでなく、Windows 7搭載モデルもチェックしておく必要があるだろう。(BCN・田沢理恵)
*BCNでは、08年以降に発売された製品で、液晶ディスプレイが12.1型以下、CPUにAtom系の低電圧CPUを搭載する製品を「ネットブック」と定義しています。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。