容量アップで、価格はダウン――外付けHDDお買い得の容量は?

特集

2009/12/24 12:10

 外付けHDDはここ1年で、容量の拡大が進んでいると同時に、価格の下落が目立っている。09年11月の「BCNランキング」では、外付けHDD全体の販売台数シェアのトップ5に、1テラバイト(1TB=1000GB)が2機種、1.5TBが1機種ランクイン。また、1年前の1万3032円から税別平均単価は16.7%下落し、09年11月の時点で1万853円に落ちた。「BCNランキング」で、容量別の税別平均単価の動きを調べたうえ、1GBあたりの価格を計算した「お買い得ランキング」をチェックしてみた。

外付けHDD 機種別販売台数シェア トップ5
順位 メーカー名 型番 容量(GB) 販売台数シェア(%)
1 バッファロー HD-CL1.0TU2 1000 9.43
2 I・Oデータ機器 HDCS-U1.0R2 1000 8.12
3 バッファロー HD-CL500U2 500 5.38
4 バッファロー HD-CL1.5TU2 1500 4.68
5 I・Oデータ機器 HDPS-U500(K) 500 3.54

「BCNランキング」09年11月 月次<最大パネル>


 1年前と比べて税別平均単価の減少が最も大きかったのは、1.5TBと750GBモデルだった。09年11月に、1.5TBモデルの税別平均単価は1万4551円で、前年同月比で51.9%下落した。それに並び、750GBモデルの税別平均単価は09年11月に1万6円で、前年同月比で46.3%減少。このほか、1TBモデルが37.4%、2TBモデルが27.7%と、かなりの下落を見せたが、いずれも1.5TBと750GBほどではない。

 では、いま外付けHDDを買う場合、お買い得なのは、価格の下落が一番大きい1.5TBと750GBのモデルなのだろうか。容量別の税別平均単価を容量で割り、1GBあたりの平均単価を計算した「お買い得ランキング」を確認しよう。

外付けHDD 「お買い得ランキング」
※容量別に、1GBあたりの平均単価を算出して集計
順位 容量(GB) 税別平均単価(円) 1GBあたりの価格(円)
1 1500 14,551 9,70
2 1000 11,415 11,42
3 750 10,006 13,34
4 640 9,162 14,23
5 2000 32,069 16,03
6 500 9,306 18,61
7 4000 76,137 19,03
8 6000 126,988 21,16

「BCNランキング」09年11月 月次<最大パネル>


 「お買い得ランキング」1位を獲得したのは、1.5TBモデル。税別平均単価は1万4551円で、1GBあたりの価格は9.70円になる。1GBあたりの価格が10円を下回るのは、1.5TBモデルだけ。税別平均単価の下落幅が大きいだけでなく、1GBあたりの価格も「お買い得」だ。

 2位は1TBモデル。税別平均単価は1万1415円で、1GBあたりの価格は11.42円。1TBモデルは、ここ1年でみた税別平均単価の下落幅が1.5TBや750GBモデルほど大きくないが、1GBあたりの価格ではかなり「お買い得」といえる。また、3位には750GBモデルがランクイン。税別平均単価1万6円を換算すると、1GBあたりの価格は13.34円になる。税別平均単価の下落幅が前年同月比で大きかったからといっても、1GBあたりの価格は1.5TBと1TBモデルよりも割高という結果になった。

 なお、4位は640GBモデル。税別平均単価は9162円で、1GBあたりの価格は14.32円になる。5位は2TBモデルで、税別平均単価3万2069円を換算すると、1GBあたりの価格は16.03円。「お買い得ランキング」で見たように、税別平均単価の下落幅が大きいことと、1GBあたりの価格を基準にした「お買い得」感とは、必ずしも一致するわけではない。

 次に、1GBあたりの価格が今一番「お買い得」な1.5TBモデルの売れ筋のトップ5を紹介しよう。ちなみに、5製品はすべて縦置きタイプだ。

容量1.5TBの外付けHDD 機種別販売台数シェア トップ5
順位 メーカー名 型番 販売台数シェア(%) 市場推定価格(円)
1 バッファロー HD-CL1.5TU2 37.69 18,700
2 バッファロー HD-CL1.5TU2/N 15.20 13,400
3 I・Oデータ機器 HDCS-U1.5R2 11.26 15,500
4 I・Oデータ機器 HDCR-U1.5 7.08 18,900
5 I・Oデータ機器 HDCN-U1.5A 4.92 19,700

「BCNランキング」09年11月 月次<最大パネル>


 1位は、7月に発売されたバッファローの「HD-CL1.5TU2」。市場推定価格は1万8700円で、1GBあたりの価格は12.47円になる。USB2.0のデータ転送速度を41.8Mbpsに高速化した「ターボUSB」機能を搭載し、写真や動画などの大容量ファイルを扱うユーザーに最適化した。2位は、「HD-CL1.5TU2」の下位モデルで、「ターボUSB」機能非搭載の「HD-CL1.5TU2/N」。8月に発売した。市場推定価格は1万3400円で、1GBあたりの価格は8.93円。 

HD-CL1.5TU2

 3位には8月発売のI・Oデータ機器「HDCS-U1.5R2」が入った。市場推定価格は1万5500円で、1GBあたりの価格は10.33円になる。内部にファンを搭載しないため、静かなのが特徴。4位はI・Oデータ機器「HDCR-U1.5」で、3位の「HDCS-U1.5R2」の後継機だ。9月に発売された。市場推定価格は1万8900円で、1GBあたりの価格は12.6円。USB転送高速化ソフト「マッハUSB」や節電ユーティリティ「ECO番人」などを無料ダウンロードできる。 

HDCS-U1.5R2/HDCR-U1.5(左)、HDCN-U1.5A

 5位は3月に発売したI・Oデータ機器「HDCN-U1.5A」。市場推定価格は1万9700円で、1GBあたりの価格は13.13円になる。アルミ製のボディを採用し、高い冷却効果を図ったファンレス構造を実現したのが特徴。

 ここ1年で1.5TBと750GBモデルの税別平均単価が激しく下落した中、1GBあたりの価格を計算した「お買い得ランキング」では、1.5TBと1TBモデルが1-2位に入った。将来的にPCのデータが増えていくことから考えれば、価格が「お買い得」かつ容量の余裕をもった1.5TBと1TBモデルは、安心できる選択になるかもしれない。(BCN・ゼンフ ミシャ)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。

*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。