今年も残りあと半月ほど。年末商戦に向けて盛り上がるコンパクトデジカメの2009年11月の売れ筋ランキングトップ10を紹介しよう。

「BCNランキング」 09年11月　月次＜最大パネル＞

　カラーバリエーションを合算して集計した11月のコンパクトデジタルカメラ・シリーズ別の販売台数シェアでトップに輝いたのは、タッチパネルを採用するキヤノン「IXY DIGITAL 930 IS」で、シェアは7.4％だった。画面に直接触れる直感的な操作で撮影・再生ができる。例えば、ピント合わせは画面上の被写体をタッチするだけ。撮影時のシーンモードの選択や再生する画像の選択も、わかりやすい表示でスムーズに操作できる。

　3位はパナソニック「LUMIX FX60」で4.5％。撮影者の呼吸など、大きくゆっくりとした揺れの補正精度を大幅にアップした光学式手ブレ補正「新・手ブレ補正（POWER O.I.S.）」を備え、夜景や暗い室内での撮影に強い。

　そのほか注目したいのは、3.8％で5位にランクインしたニコン「COOLPIX S230」。1位を獲得したキヤノン「IXY DIGITAL 930 IS」と同じタッチ操作に対応したモデルで、画面上でタッチしたポイントにピントと露出を合わせるほか、再生時には付属のタッチペンを使って撮影した画像に文字やイラストを書き込んだり、フレームやスタンプを貼り付けたりして楽しめる。

　キヤノン「IXY DIGITAL 930 IS」は10月から2か月連続の1位、5位のニコン「COOLPIX S230」は09年2月に発売して以来初のトップ5入りと、タッチパネル搭載モデルが上位にランクインした今回のランキング。Windows 7の影響で今何かと話題のタッチパネルは、PCやデジカメだけでなくデジタル製品全般で今後の大きなトレンドの一つになるだろう。

　また、年末が近づくこの時期、製品のランキングに加えて気になるのはメーカー別の販売台数シェア争い。コンパクトデジタルカメラ市場はここ数年キヤノンがトップを走ってきた。しかし、今年はカシオ計算機が好調だ。


　同社は、1回のフル充電で1000枚撮影できるモデルや動く合成写真を作成できるモデル、ハイスピードムービーを撮影できるモデルなど、個性的な製品を揃え、1月-10月までの総合計でトップを獲得。10月と11月の単月でキヤノンが盛り返し、1月-11月の合計では1位を奪われたが、キヤノン19.0％、カシオ計算機18.9％と、その差はわずか0.1％。どちらが今年のコンパクトデジカメ市場を制するのか、年末まで目が離せない。（BCN・武井美野里）


＊「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。