BDレコーダーよりお手頃価格、従来型DVDレコーダーの売れ筋は?
レコーダー市場は、ブルーレイディスク(BD)対応機が販売台数ベースで全体の6割を超え、世代交代が進んでいる。しかし言い換えれば、従来型DVDレコーダが依然として3割強を占めており、一定の需要があるということができる。メーカー各社は、BD対応機に軸足を移しているが、平均単価は8万円強で、従来型DVDレコーダーの2倍程度にもなる。高価格で敷居の高いBD対応機に対し、従来型DVDレコーダーは“安さ”を売りに人気を集めている。今回は、この従来型DVDレコーダーに着目。「BCNランキング」をもとに、最近の市場動向と売れ筋製品を紹介する。
従来型DVDレコーダー市場で、現在トップを走るのは東芝。09年11月のメーカー別販売台数シェアでは49.4%を獲得し、5割に迫る勢いだ。24.8%で2位のシャープを大きく引き離している。3位には18.5%のパナソニックが続く。
では、製品別ではどのモデルが売れているのか。カラーバリエーションを合算した11月のシリーズ別販売台数シェアをみると、1位はシャープ「DV-AC82」で15.6%。08年3月から継続販売しているモデルで、250GBのHDDを内蔵する。チューナーは地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル、地上アナログを各1基搭載。市場推定価格(以下、価格)は4万3800円。
2位は今年8月発売の東芝「RD-E304K」。シェアは15.4%で、1位とは0.2ポイントの僅差だ。チューナーは、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルを各1基搭載し、320GBのHDDを内蔵する。価格は3万9000円。従来型のリモコンに加え、「録る」「見る」「残す」「消す」に集約したリモコンが付属する。
3位も同じく東芝で「RD-S304K」。今年9月発売の新モデルで、シェアは9.4%を占める。320GBのHDDを搭載するほか、USB接続の外付けHDDの増設に対応していることが特徴。番組の録り貯めに便利だ。デジタルハイビジョン放送の録画時間を約7倍に拡大できる機能をもつ。価格は5万4500円。
4位はパナソニック「DMR-XE100」で9.2%。HDD容量は320GBで、地デジチューナーのみを搭載する今年10月発売の新モデルだ。価格は4万2400円。5位は07年5月から継続販売するシャープ「DV-ACV52」で8.6%。250GBのHDDを内蔵し、DVDのほかVHSにも対応。ビデオ資産をもつ層に根強い人気がある。価格は5万6500円。
テレビでは地デジの認知度は高まっているが、レコーダーの地デジ対策は忘れがち。気がついてお店に駆け込んでも、並んでいるBDレコーダーは7-8万円前後と高価で、おいそれとは手が出ない――。3万5000円前後で買える従来型DVDレコーダーは、BDの超高画質にこだわらずに、地デジ番組やハイビジョン録画を気軽に楽しみたい生活者の心をつかんでいるようだ。(BCN・田沢理恵)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。
コジマ「NEW大井競馬場前店」(東京都品川区)のレコーダー売り場
従来型DVDレコーダー市場で、現在トップを走るのは東芝。09年11月のメーカー別販売台数シェアでは49.4%を獲得し、5割に迫る勢いだ。24.8%で2位のシャープを大きく引き離している。3位には18.5%のパナソニックが続く。
東芝が勢いをつけたのは、今年9月以降。それ以前はシャープが3割強を占めていたが、東芝は新製品発売を機にシェアが急伸し、その後10-11月にかけて弾みをつけた。シャープやパナソニックがBD対応機に力を入れる一方で、東芝は「今後も従来型DVDレコーダーに根強い需要がある」(広報担当者)とみて力を入れている。同社のシェア伸長を後押ししたのは、ラインアップの強化が背景のようだ。
順位 | メーカー名 | 型番 | 販売台数シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | シャープ | DV-AC82 | 15.6 |
2 | 東芝 | RD-E304K | 15.4 |
3 | 東芝 | RD-S304K | 9.4 |
4 | パナソニック | DMR-XE100 | 9.2 |
5 | シャープ | DV-ACV52 | 8.6 |
6 | 東芝 | RD-X9 | 5.9 |
7 | 東芝 | RD-E1004K | 5.0 |
8 | DXアンテナ | DVR-120V | 4.0 |
9 | 東芝 | D-W250K | 3.9 |
10 | 東芝 | RD-S1004K | 3.8 |
「BCNランキング」 09年11月 月次<最大パネル>
では、製品別ではどのモデルが売れているのか。カラーバリエーションを合算した11月のシリーズ別販売台数シェアをみると、1位はシャープ「DV-AC82」で15.6%。08年3月から継続販売しているモデルで、250GBのHDDを内蔵する。チューナーは地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル、地上アナログを各1基搭載。市場推定価格(以下、価格)は4万3800円。
シャープ「DV-AC82」
2位は今年8月発売の東芝「RD-E304K」。シェアは15.4%で、1位とは0.2ポイントの僅差だ。チューナーは、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルを各1基搭載し、320GBのHDDを内蔵する。価格は3万9000円。従来型のリモコンに加え、「録る」「見る」「残す」「消す」に集約したリモコンが付属する。
3位も同じく東芝で「RD-S304K」。今年9月発売の新モデルで、シェアは9.4%を占める。320GBのHDDを搭載するほか、USB接続の外付けHDDの増設に対応していることが特徴。番組の録り貯めに便利だ。デジタルハイビジョン放送の録画時間を約7倍に拡大できる機能をもつ。価格は5万4500円。
左から、東芝「RD-E304K」「RD-S304K」
4位はパナソニック「DMR-XE100」で9.2%。HDD容量は320GBで、地デジチューナーのみを搭載する今年10月発売の新モデルだ。価格は4万2400円。5位は07年5月から継続販売するシャープ「DV-ACV52」で8.6%。250GBのHDDを内蔵し、DVDのほかVHSにも対応。ビデオ資産をもつ層に根強い人気がある。価格は5万6500円。
左から、パナソニック「DMR-XE100」、シャープ「DV-ACV52」
テレビでは地デジの認知度は高まっているが、レコーダーの地デジ対策は忘れがち。気がついてお店に駆け込んでも、並んでいるBDレコーダーは7-8万円前後と高価で、おいそれとは手が出ない――。3万5000円前後で買える従来型DVDレコーダーは、BDの超高画質にこだわらずに、地デジ番組やハイビジョン録画を気軽に楽しみたい生活者の心をつかんでいるようだ。(BCN・田沢理恵)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。