マザーボード市場でギガバイトが週次シェアトップに ASUS追撃態勢へ

特集

2009/12/04 16:20

 マザーボード市場で、このところギガバイトが好調だ。2009年11月の「BCNランキング」で集計したところ、第2週(11月9-15日)と第4週(11月23-29日)でそれぞれメーカーシェアトップのASUSTeK Computer(ASUS)をかわして首位に立っており、年末商戦に向けての追撃体制を整えている。


 11月第2週の週次シェアでは、ギガバイトの36.1%に対しASUSは35.8%。ASUSが週次シェアで首位を逃すのは、今年の7月第4週(7月20-26日)以来、16週ぶりのことだ。続く11月第3週(11月16-22日)はASUSが37.6%と、36.5%のギガバイトを突き放したものの、第4週で再びギガバイトが38.2%のシェアを獲得し、35.3%のASUSを再逆転。11月に入ってからは、両社が激しい争いを繰り広げている状況だ。

マザーボード 機種別ランキング 09年11月
順位 メーカー名 型番 販売台数シェア(%)
1 ASUS P7P55D 5.6
2 ギガバイト GA-P55-UD3R 5.3
3 ギガバイト GA-G31M-ES2L 4.7
4 ASUS P5KPL-AM EPU 4.0
5 ギガバイト GA-EP45-UD3R 3.5
6 ASUS P5Q 3.1
7 ギガバイト GA-P55A-UD3R 2.1
8 ASUS P6T 1.8
9 ASUS P5QPL-AM 1.74
10 ギガバイト GA-MA785GM-US2H 1.67

「BCNランキング」 09年11月月次 <最大パネル>



 ギガバイトの遠藤理恵・マーケティングマネージャーは、この好調の要因が、11月13日に同社が発売したインテルのP55チップセット搭載の新製品「P55A 333シリーズ」の存在があったと分析。

ギガバイトのマザーボード「333シリーズ」

 「333シリーズ」は、USBの新規格であるUSB3.0に加え、SATAリビジョン3、3倍ブーストのUSB電源などに対応した次世代向けのマザーボードだ。遠藤マネージャーは、「USB3.0対応機器が周辺機器メーカーから出てくるタイミングに合わせ、他社に先駆けて新製品を発売できたことが大きかったのでは」と推測。Windows 7の発売や、近日中に外付けBDドライブが周辺機器メーカーから発売される点など、市場の動きを見ながら「333シリーズ」の販促につなげていきたいとした。

 とはいえ、マザーボード市場においてASUSが優位な状況にあるのは事実。09年1-11月の通算メーカーシェアを見ると、ASUSが39.3%、ギガバイトが33.0%と、ASUSが一歩リードしている。

 そこで、ギガバイトでは年末から1月にかけて店頭でのPRを本格化。CPUとのセット販売やバンドルキャンペーンを実施し、ユーザーに値ごろ感をアピールする考えだ。今後は人気製品の「GA-P55A-UD3R」「GA-P55A-UD4」「GA-P55A-UD3」などに注力するのに加え、1月にインテルのX58チップセット搭載製品でも「333シリーズ」を投入するなど、新製品の発売も予定しており、着々とASUS追撃態勢を整えている。来年以降も両社のシェア争いに注目だ。(BCN・山田五大)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。