キヤノン、中級機「7D」が好発進 09年10月デジタル一眼ランキング
今年もあと僅かとなってきたが、デジタル一眼市場はまだまだ動いている。新製品2機種が新たにトップ10入りした、09年10月の月間ランキングを紹介しよう。
カラーバリエーションや付属レンズなど同梱品の違いを合算して集計したシリーズ別で1位を獲得したのは、もはやここが指定席といえるキヤノン「EOS Kiss X3」。5か月連続のトップ獲得となった。販売台数シェアもおよそ30%で前月同様、ぶっちぎりだ。
キヤノンの好調ぶりを示すのが5位に入った「EOS 7D」の存在。エントリーモデルがランキング上位を占める中で、ボディのみの実勢価格が20万円近い最新の中級機がこの位置にくるというのは少々驚きだ。有効約1800万画素のCMOSセンサー、視野率約100%のファインダー、最高毎秒8コマの連写性能など、同社が「ミドルクラス機の決定版」と語る完成度の高さがカメラファンの所有欲を刺激したのかもしれない。
一方、キヤノンの対抗馬と目されるニコンからは、2位に「D5000」、4位に「D90」、6位に「D3000」がランクインした。しかし、3機種の販売台数を合計しても「Kiss X3」に届かない状況。昨年・一昨年とキヤノンと激しいシェア争いを繰り広げていたニコンだが、今年は少々苦戦しているようだ。とはいえ、トップ10のうち6製品はキヤノンもしくはニコンの製品。まだまだこの2社が市場をリードしていることに変わりはない。
そんな中、3位にランクインしたのはパナソニック「LUMIX GF1」。発売日の関係で集計期間が短かったこともあり、前月は6位にとどまっていたが、10月は順位を上げ、トップ3に食い込んだ。一方、同じくマイクロフォーサーズ規格採用機で、前月まで上位常連だったオリンパスの「オリンパス・ペン E-P1」は、「GF1」好調のあおりからか8位まで順位を下げている。
また、10位にはHOYA「K-x」が初登場。エントリーモデルだが、毎秒最高4.7コマの連続撮影、常用ISO6400、最高速度1/6000秒のシャッターユニットの搭載に加え、1枚ごとに撮影パラメータを変更する「クロスプロセスモード」など、充実した機能を備える。ボディとグリップの組み合わせで100色のカラーバリエーションを用意するプロモーションも注目を集めている。
さらに、脱力系玩具「コレジャナイロボ」とのコラボモデルも話題を呼んだ。こちらは、オンラインでの予約開始後、その日のうちに限定100台が売り切れるという人気ぶりだった。
10月のカメラメーカーの動きを見ると、キヤノンは「EOS-1D Mark IV」、ニコンは「D3S」といずれもプロ向けモデルを発表している。価格の高さからトップ10入りは難しそうだが、これでプロ向け/ハイアマチュア向け/エントリーユーザー向けの3層で両社の争いが再び激化しそうだ。また、両社に続く第三勢力として台頭してきた感のあるパナソニックが、今後、どこまでシェアを伸ばすことができるのかにも注目だ。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。
順位 | メーカー名 | 型番・シリーズ名 | 画素数(万画素) | 販売台数シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | キヤノン | EOS Kiss X3 | 1510 | 27.9 |
2 | ニコン | D5000 | 1230 | 11.6 |
3 | パナソニック | LUMIX GF1 | 1210 | 8.7 |
4 | ニコン | D90 | 1230 | 5.79 |
5 | キヤノン | EOS 7D | 1800 | 5.75 |
6 | ニコン | D3000 | 1020 | 4.5 |
7 | キヤノン | EOS Kiss X2 | 1220 | 4.04 |
8 | オリンパス | OLYMPUS PEN E-P1 | 1230 | 3.95 |
9 | パナソニック | LUMIX G1 | 1210 | 3.44 |
10 | HOYA | K-x | 1240 | 3.40 |
「BCNランキング」 09年10月月次 <最大パネル>
カラーバリエーションや付属レンズなど同梱品の違いを合算して集計したシリーズ別で1位を獲得したのは、もはやここが指定席といえるキヤノン「EOS Kiss X3」。5か月連続のトップ獲得となった。販売台数シェアもおよそ30%で前月同様、ぶっちぎりだ。
キヤノン「EOS Kiss X3」
キヤノンの好調ぶりを示すのが5位に入った「EOS 7D」の存在。エントリーモデルがランキング上位を占める中で、ボディのみの実勢価格が20万円近い最新の中級機がこの位置にくるというのは少々驚きだ。有効約1800万画素のCMOSセンサー、視野率約100%のファインダー、最高毎秒8コマの連写性能など、同社が「ミドルクラス機の決定版」と語る完成度の高さがカメラファンの所有欲を刺激したのかもしれない。
キヤノン「EOS 7D」
一方、キヤノンの対抗馬と目されるニコンからは、2位に「D5000」、4位に「D90」、6位に「D3000」がランクインした。しかし、3機種の販売台数を合計しても「Kiss X3」に届かない状況。昨年・一昨年とキヤノンと激しいシェア争いを繰り広げていたニコンだが、今年は少々苦戦しているようだ。とはいえ、トップ10のうち6製品はキヤノンもしくはニコンの製品。まだまだこの2社が市場をリードしていることに変わりはない。
ニコン「D5000」
そんな中、3位にランクインしたのはパナソニック「LUMIX GF1」。発売日の関係で集計期間が短かったこともあり、前月は6位にとどまっていたが、10月は順位を上げ、トップ3に食い込んだ。一方、同じくマイクロフォーサーズ規格採用機で、前月まで上位常連だったオリンパスの「オリンパス・ペン E-P1」は、「GF1」好調のあおりからか8位まで順位を下げている。
パナソニック「LUMIX GF1」
また、10位にはHOYA「K-x」が初登場。エントリーモデルだが、毎秒最高4.7コマの連続撮影、常用ISO6400、最高速度1/6000秒のシャッターユニットの搭載に加え、1枚ごとに撮影パラメータを変更する「クロスプロセスモード」など、充実した機能を備える。ボディとグリップの組み合わせで100色のカラーバリエーションを用意するプロモーションも注目を集めている。
HOYA「K-x」
さらに、脱力系玩具「コレジャナイロボ」とのコラボモデルも話題を呼んだ。こちらは、オンラインでの予約開始後、その日のうちに限定100台が売り切れるという人気ぶりだった。
「K-x コレジャナイロボモデル」と付属のマスコットフィギュア
10月のカメラメーカーの動きを見ると、キヤノンは「EOS-1D Mark IV」、ニコンは「D3S」といずれもプロ向けモデルを発表している。価格の高さからトップ10入りは難しそうだが、これでプロ向け/ハイアマチュア向け/エントリーユーザー向けの3層で両社の争いが再び激化しそうだ。また、両社に続く第三勢力として台頭してきた感のあるパナソニックが、今後、どこまでシェアを伸ばすことができるのかにも注目だ。(BCN・山田五大)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。