Windows 7ついに発売、初日はVistaの1.54倍の売り上げで好スタート

特集

2009/10/23 17:05

 10月22日、マイクロソフトが新たなOS「Windows 7」を発売した。07年1月発売のWindows Vista以来、およそ2年ぶりの新バージョン。発売前日の21日深夜には、秋葉原の多くのPCショップが恒例の深夜イベントを実施。翌日9時からパッケージ版の販売も開始した。イベントの盛り上がりはVista発売時をしのぐともいわれているが、果たしてその立ち上がりはVistaと比べてどうだったのか? 「BCNランキング」の日次データを使用した速報をお届けする。

 すでに多くのニュースで取り上げられたように、秋葉原での深夜販売イベントは盛況だったWindows 7。あるショップの店員によれば、当日は「Vistaの深夜販売を上回る人出」だったとのことで、Windows 7への期待の高さをうかがい知ることができる。

Windows 7の深夜販売イベントで盛り上がった秋葉原(09年10月21日)

 ただし、Windows 7の深夜販売で取り扱っていたのはパーツとの抱き合わせで販売するDSP版。通常パッケージの販売は22日午前9時から始まったので、今回は22日の売り上げを集計したデータを発売初日分とし、Vistaの発売日07年1月30日のデータと比較してみた。

 発売初日のVistaの全エディションの販売数量を1とした場合、Windows 7の販売本数は1.54。Vistaの発売時と比較して1.5倍ほどの勢いで立ち上がった。Vista発売時は01年のXPから6年ぶりのアップデートということで市場の期待も高かった点を考えると、かなりの好スタートといえるだろう。

 もちろん、今回のデータは発売初日のみを対象とした一時的なものであり、まずはPCに詳しいアーリーアダプターの食いつきが上々だったということを示すもの。むしろ課題は、今後どれだけ広い層のユーザーを取り込めるかという点にある。そのためには、これから店頭でどれだけOSとしての魅力を訴求できるかがカギになってくるだろう。

 そして、もうひとつ気になるのが、発売初日に最も売れたエディションはどれだったのかという点。日本国内で消費者向けに販売されるWindows 7には、ネットブック向けの「Starter」、一般向けの「Home Premium」、ビジネス向けの「Professional」、最上位の「Ultimate」と4つのエディションが存在する。

「BCNランキング」 09年10月22日 <最大パネル>



 Windows 7のエディション別の売れ行きを見ると、1位は「Home Premium アップグレード版」で販売本数シェアは45.1%。この圧倒的な人気の背景には、マイクロソフトが6月と9月に実施した事前予約キャンペーンがありそうだ。この事前予約では、「Home Premium」を通常よりも安い7777円という特別価格で購入できる優待パッケージも用意され、同パッケージの売り上げが多分に含まれていると考えられる。

Windows 7 Home Premium

 このことを裏付けるかのように、2位も同様の優待パッケージがあった「Professional アップグレード版」で、シェアは29%だった。以下、3位が「Ultimate アップグレード版」で13.3%、4位が「Ultimate 通常版」、5位「Home Premium 通常版」、6位「Professional 通常版」となっている。全体的にアップグレード版の人気が高い結果になった。

 ちなみに、Windows 7のアップグレード版はVista/XPに対応するが、アップグレードでのインストールはVistaからしか対応していない。XPでのインストールはクリーンインストールとなり、アプリケーションやデータ設定などが移行できないので注意しておこう。(BCN・山田五大)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。
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