ニコン、プロ仕様デジタル一眼のフラグシップ「D3S」、ISO102400の高感度撮影に対応

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2009/10/14 15:54

 ニコンは10月14日、35mmフィルムカメラと同等サイズの35.9×24mm「ニコンFXフォーマット」のCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「D3S」を、11月27日に発売すると発表した。価格はオープンで、実勢価格は60万円前後の見込み。

D3S

 同社では「D3S」を、「ニコンFXフォーマット」でのフラッグシップモデルと位置づけ、07年11月発売のプロ向けモデル「D3」の基本性能や操作性をより進化させるとともに、動画撮影などの新機能を搭載することで完成度を高めている。

 新開発のCMOSセンサーは、有効画素数は1210万画素と「D3」から変化していないが、常用感度がISO200-12800となり、「D3」の常用感度の上限だったISO6400から拡大。より高感度での撮影に対応し、低光量下でもノイズの影響を最低限に抑えているほか、増減感によりISO100-102400までの撮影に対応する。また、「D3」と同じく、ニコン独自の包括的画像処理コンセプト「EXPEED」に基づいた最新の画像処理システムを搭載する。

 「D3」にはなかった機能として、動画撮影機能「Dムービー」を搭載し、最大解像度1280×720ピクセル、24fpsでの撮影が可能なほか、最高でISO102400相当の超高感度撮影にも対応。フルサイズセンサーによるボケ味と、レンズ特性を生かした動画を撮影できる。音声はモノラルで、外部ステレオマイクを接続してのステレオ録音も可能。動画から選択した1コマをJPEGの静止画として保存したり、録画した動画の必要な部分のみを保存できる動画編集機能なども備える。


 AFは位相差検出式で、フォーカスポイントはクロスタイプセンサー15点を含む51点。ファインダー視野率は、撮像範囲がFXフォーマット(36×24)または5:4(30×24)時に上下左右約100%、1.2倍(30×20)またはDXフォーマット(24×16)時は同約97%となる。モニタには92万ドット表示の3型TFT液晶を採用。ライブビュー撮影に対応し、専用の切り替えボタンも設けた。

 また、FXフォーマットの視野率100%モデルでは初となるセンサークリーニング機能を搭載。ローパスフィルターを4種の共振周波数で振動させ、付着したゴミを除去する。さらに、撮影時のシャッター音を抑えたい、昆虫撮影やコンサート撮影など静かな場所での撮影に活用できる「静音撮影モード」を追加した。

 連続撮影枚数は、FXフォーマット時で約9コマ/秒、DXフォーマット時で約11コマ/秒。シャッターユニットは実装状態で30万回のレリーズテストをクリアしている。画像の記録形式はJPEG/RAW/TIFF。記録媒体はCFカードで、本体にカードスロットを2基搭載し、2枚のカードへ順番に保存する「順次記録」、2枚のカードへ同時保存する「バックアップ記録」、RAWとJPEGの画像を別々のカードに記録する「RAW+JPEG分割記録」が行える。また、画像の「スロット間コピー」にも対応する。

 外装にはマグネシウム合金を採用。接合部にはシーリングを施し、防滴・防塵性を確保した。本体サイズは幅159.5×高さ157×奥行き87.5mmで、重さは約1240g。