東芝がネットブックで首位に、日本メーカーで初めてトップシェア獲得

特集

2009/10/08 11:49

 ネットブックの販売台数シェアで東芝が初めて首位を獲得した。これまで台湾勢が優勢だったネットブック市場だが、日本メーカーが初めてトップの座についた。9月最終週(09年9月28日-10月4日)の「BCNランキング」で明らかになったもの。これまでトップを走ってきたASUSTeK Computerの販売台数シェア15.9%に対し、東芝は16.7%と、0.8ポイントの僅差ながら上回った。


 東芝がシェアを拡大したのは、09年4月に発売した「PAUX23JNL」の売れ行きが好調だったため。同社がdynabookブランドで初めて投入したネットブック「UXシリーズ」でHDDを160GB搭載するモデルだ。カラーバリエーションを合算したネットブックのシリーズ別ランキングでも、7月第1週(7月6日-12日)から9月最終週まで13週連続で1位を維持している人気モデルだ。

東芝の「PAUX23JNL」

 ネットブックのメーカーシェアは09年5月以降、ASUSと日本エイサー、東芝の3社が上位を占めていた。2位と3位が時々入れ替わりながら推移する一方、首位のASUSはメーカー各社のネットブック市場参入の影響を受け、シェアを下げていた。

ネットブック シリーズ別販売台数シェア トップ10
順位 メーカー シリーズ CPU 画面サイズ 販売台数シェア(%)
1 東芝 PAUX23JNL Atom 10.1 12.6
2 ソニー VPCW119XJ Atom 10.1 6.7
3 富士通 FMVLMD15 Atom 10.1 6.4
4 NEC BL300/TA6 Atom 10.1 5.8
5 日本エイサー AOD250-B_83 Atom 10.1 5.0
6 シャープ PC-Z1 i.MX515 5.0 4.5
7 ASUS EPC1000HE-X Atom 10.0 3.9
8 日本エイサー AOD250-B_83F Atom 10.1 3.6
9 東芝 PAUX24JNS Atom 10.1 3.3
10 工人舎 PM1_X16SA Atom 4.8 3.2

「BCNランキング」09年9月最終週 週次<最大パネル>



 ここで、9月最終週の売れ筋を見てみよう。カラーバリエーションは合算して集計した。1位は前述の東芝「PAUX23JNL」で、販売台数シェアは12.6%。2位はソニー「Wシリーズ」の「VPCW119XJ」で6.7%だった。3位は富士通「LOOX Mシリーズ」の「FMVLMD15」で6.4%だった。3モデルともに画面サイズは10.1型ワイドで、CPUにはAtomを搭載する。

ソニーの「VPCW119XJ」、富士通の「FMVLMD15」

 一方、ノートPC全体に占めるネットブックの比率の拡大は、ほぼ止まった状態。もっとも構成比が高かったのは09年6月で、販売台数の33.1%をネットブックが占めていたが、以降やや勢いが弱まり、9月には27.5%と3割を下回っている。(BCN・井上真希子)


*BCNでは、08年以降に発売された製品で、液晶ディスプレイが12.1型以下、CPUにAtom系の低電圧CPUを搭載する製品を「ネットブック」と定義しています。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。