09年グッドデザイン賞は「都心に緑を」 巨大ガンダム、木陰を作る日除けが大賞候補
日本産業デザイン振興会(JIDPO)は10月1日、2009年度の「グッドデザイン賞」の受賞結果を発表し、1034件が「グッドデザイン賞」を受賞した。さらに、11月6日に決定する「グッドデザイン大賞」の候補「グッドデザイン賞ベスト15」もあわせて発表した。
「グッドデザイン賞ベスト15」では、身体領域、生活領域、仕事領域、社会領域、ネットワーク領域から計15件が選出された。
ネットワーク領域からは、精密電子機器ながら体に馴染みやすいフレンドリーなデザインを採用したサムスン電子の「ミニノート型パソコン[N310]」、マイクロフォーサーズ規格を採用するパナソニックの世界最小デジタル一眼「デジタルカメラ[パナソニック LUMIX DMC-GF1C]」、9.9mmのスリムなボディにハイビジョン映像をワイヤレス伝送する機能を搭載する、ソニーの「地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ[〈ブラビア〉 ZX1シリーズ]」、すべてがガラスでできているかのように美しい、サムスン電子の超薄型「46型LED液晶テレビ[LED 7000]」が受賞。
さらに、夏のお台場の名所となった高さ18メートル、重さ35トンの原寸大ガンダムで人気を集めたGREEN TOKYO ガンダムプロジェクト実行委員会の「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」も選ばれた。
そのほか身体領域から、インテリアにマッチするパナソニックのソファ型マッサージ機「マッサージチェア[Panasonic EP-MS40]」。社会領域から、器具全体を統一した、TOTOの「公共トイレ[レストルーム アイテム01]」など3件。生活領域から、日本の住宅事情を考慮してデザインした、ダイソン史上最小・最軽量の「サイクロン掃除機[DC26 タービンヘッド エントリー]」など4件がベスト15に選ばれた。
中でも記者の関心を集めていたのが、生活領域から受賞したロスフィーの「フラクタルひよけ[フラクタルひよけで快適な OUT DOOR LIFE を]」。フラクタルとは、葉脈の模様、樹木の枝分かれなどに見られる図形の部分と全体が自己相似になっている幾何学の概念。本製品は、フラクタルの法則を用いて一枚の布地から縫い上げた新しい日除けで、高温化する都市環境において、木々がつくる陰や風通しと同等の快適な空間を提供する。布の空隙によって、強風にも煽られない。風を受けて自熱を発散するため、輻射熱もなく、一般の日除けよりも快適だという。
受賞会見で、ロスフィーの建築・環境デザイナーである保清人氏は「自然にあこがれてデザインした。自然と都市を結ぶ製品だと思う」とアピールした。
審査委員長の内藤廣氏は、「今年は(応募作品の中に)成熟したエコロジーの全体像を見た。これから日本社会は、国際的競争力を持つ製品を作っていく必要がある。エコはその武器となるだろう」と、本年度審査の講評を述べた。
また今回、未来を切り開いていくデザインに贈られる「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」を創設。これにより、現在のデザインを対象とする「グッドデザイン賞」、過去から現在のデザインを対象とする「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」と併せ、「過去、現在、未来と、時間軸の評価ができるようになった」(内藤氏)という。
今回「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」を受賞したのは、本田技研工業の「歩行アシスト [Honda歩行アシストコンセプト]」をはじめ、日立製作所の「ジェスチャーユーザインタフェース [ジェスチャー操作テレビ]」など6製品。
「歩行アシスト [Honda歩行アシストコンセプト]」は、脚の振り出しを補助することで、歩幅と歩行のリズムを調整する「リズム歩行アシスト」と、体重を支える力を補助することで、脚の筋肉と関節の負担を軽減する「体重支持型歩行アシスト」の2製品で、ともに実環境における実現を目指している。
「体重支持型歩行アシスト」は、体重の9kg分ほどを支えることができ、しっかり体にフィットするので、ベルト等をしなくても外れない。
なお、東京ミッドタウン・デザインハブでは、10月1日-11月8日の期間で、09年度の「グッドデザイン賞」受賞作品約80点を展示する「GOOD DESIGN EXHIBITION 2009」を開催している。入場料は無料。
2009年度は1034件が「グッドデザイン賞」を受賞
今年はエコが当たり前 木陰を再現する日除け、巨大ガンダムが大賞候補に
「グッドデザイン賞ベスト15」では、身体領域、生活領域、仕事領域、社会領域、ネットワーク領域から計15件が選出された。
ネットワーク領域からは、精密電子機器ながら体に馴染みやすいフレンドリーなデザインを採用したサムスン電子の「ミニノート型パソコン[N310]」、マイクロフォーサーズ規格を採用するパナソニックの世界最小デジタル一眼「デジタルカメラ[パナソニック LUMIX DMC-GF1C]」、9.9mmのスリムなボディにハイビジョン映像をワイヤレス伝送する機能を搭載する、ソニーの「地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ[〈ブラビア〉 ZX1シリーズ]」、すべてがガラスでできているかのように美しい、サムスン電子の超薄型「46型LED液晶テレビ[LED 7000]」が受賞。
上段から、パナソニック「LUMIX DMC-GF1C」、サムスン電子の「N310」、ソニーの「ZX1シリーズ」
さらに、夏のお台場の名所となった高さ18メートル、重さ35トンの原寸大ガンダムで人気を集めたGREEN TOKYO ガンダムプロジェクト実行委員会の「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」も選ばれた。
1/1ガンダムを具体化するために制作された1/30ガンダム
そのほか身体領域から、インテリアにマッチするパナソニックのソファ型マッサージ機「マッサージチェア[Panasonic EP-MS40]」。社会領域から、器具全体を統一した、TOTOの「公共トイレ[レストルーム アイテム01]」など3件。生活領域から、日本の住宅事情を考慮してデザインした、ダイソン史上最小・最軽量の「サイクロン掃除機[DC26 タービンヘッド エントリー]」など4件がベスト15に選ばれた。
パナソニック「EP-MS40」とTOTO「レストルーム アイテム01」
中でも記者の関心を集めていたのが、生活領域から受賞したロスフィーの「フラクタルひよけ[フラクタルひよけで快適な OUT DOOR LIFE を]」。フラクタルとは、葉脈の模様、樹木の枝分かれなどに見られる図形の部分と全体が自己相似になっている幾何学の概念。本製品は、フラクタルの法則を用いて一枚の布地から縫い上げた新しい日除けで、高温化する都市環境において、木々がつくる陰や風通しと同等の快適な空間を提供する。布の空隙によって、強風にも煽られない。風を受けて自熱を発散するため、輻射熱もなく、一般の日除けよりも快適だという。
ロスフィー「フラクタルひよけで快適な OUT DOOR LIFE を」
受賞会見で、ロスフィーの建築・環境デザイナーである保清人氏は「自然にあこがれてデザインした。自然と都市を結ぶ製品だと思う」とアピールした。
大賞候補デザイナーの皆さん(下段左から3人目が、ロスフィーの建築・環境デザイナー・保清人氏)
審査委員長の内藤廣氏は、「今年は(応募作品の中に)成熟したエコロジーの全体像を見た。これから日本社会は、国際的競争力を持つ製品を作っていく必要がある。エコはその武器となるだろう」と、本年度審査の講評を述べた。
審査委員長の内藤廣氏
未来のデザインに贈る、「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」新設
また今回、未来を切り開いていくデザインに贈られる「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」を創設。これにより、現在のデザインを対象とする「グッドデザイン賞」、過去から現在のデザインを対象とする「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」と併せ、「過去、現在、未来と、時間軸の評価ができるようになった」(内藤氏)という。
09年度は「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」を新設
今回「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」を受賞したのは、本田技研工業の「歩行アシスト [Honda歩行アシストコンセプト]」をはじめ、日立製作所の「ジェスチャーユーザインタフェース [ジェスチャー操作テレビ]」など6製品。
「歩行アシスト [Honda歩行アシストコンセプト]」は、脚の振り出しを補助することで、歩幅と歩行のリズムを調整する「リズム歩行アシスト」と、体重を支える力を補助することで、脚の筋肉と関節の負担を軽減する「体重支持型歩行アシスト」の2製品で、ともに実環境における実現を目指している。
本田技研工業の「リズム歩行アシスト」と「体重支持型歩行アシスト」
「体重支持型歩行アシスト」は、体重の9kg分ほどを支えることができ、しっかり体にフィットするので、ベルト等をしなくても外れない。
「体重支持型歩行アシスト」を装着した様子
なお、東京ミッドタウン・デザインハブでは、10月1日-11月8日の期間で、09年度の「グッドデザイン賞」受賞作品約80点を展示する「GOOD DESIGN EXHIBITION 2009」を開催している。入場料は無料。