インテルの新CPU「Core i7/i5」と対応マザーボード 発売直後の人気製品は?
インテルの新CPU、Core i7/i5と、対応マザーボードのIntel P55チップセットマザーボードが、9月8日に発売された。秋葉原の一部店舗では深夜に発売イベントを行うなど、PC自作関連で今年1番の盛り上がりを見せた。そこで、「BCNランキング」で新CPUと対応マザーボードの発売直後のランキングを追ってみた。
今回発売されたCPUは「Core i7 800」と「Core i5 500」の2シリーズ。08年に発売された「Core i7 900」シリーズとは、対応ソケット、対応メモリ、メモリチャネル、TDP(最大放熱量)が異なっている。また「Core i7 800」シリーズは「Core i5 500」にHyper-Threading機能が加わっている点が大きな違いだ。
Hyper-Threadingは、簡単に言うと1つのCPU(コア)を仮想的に2つのCPU(コア)として扱う技術だ。つまりHyper-Threadingに対応している「Core i7 800」シリーズは、実装コア数は4コアだが、OS上では8コアCPU(実装コア4+仮想コア4)として認識されるわけだ。一方Hyper-Threadingに対応していない「Core i5 500」シリーズは、OS上では実装コア数のみ認識される。
新発売の「Core i7 800」「Core i5 500」のみのランキングを見てみると、「Core i7 860」をトップに「Core i5 750」「Core i7 870」と続いている。
「Core i7 860」は3万円(市場推定価格、以下同)で、5万7300円の「Core i7 870」と比べて価格は圧倒的に安いが、性能面では「Core i5 750」に比べHyper-Threadingの有無やクロック数で優位。今回発売された3モデルの中で、価格と性能で一番バランスが取れており、3モデルの中で一番売れたようだ。
「Core i5 750」は、「Core i7 860」や「Core i7 870」に比べると性能では一歩譲ってしまうが、3モデルの中で一番安く、とりあえず新しいCPUを試してみたいユーザーにはうってつけだ。「Core i7 870」は3モデルの中で一番性能が高いが、その分価格も飛びぬけて高い。基本性能は下位モデルの「Core i7 860」とまったく同じで、違うのはクロック数のみ。しかし、そのクロック数の差がわずか130MHzであるにも関わらず、価格差がほぼ倍近いことから、あまり人気がないのかもしれない。
一方、新CPUに対応するマザーボードでは、ASUSTeK Computer(ASUS)、GIGABYTEといった定番メーカーが1-5位までを占めた。なかでもASUS製品は3モデルがランクインしており、下位モデルにあたる「P7P55D」がトップで、中、上位モデルにあたる「P7P55D EVO」が3位、「P7P55D Deluxe」が4位と続いている。
GIGABAYTEは2モデルがランクイン。2位の「GA-P55-UD3R」と5位「GA-P55-UD3」はいずれも下位モデルに当たり、基本的な性能は同じだが、バスやインターフェースの種類に違いがある。
こうしてマザーボードのランキングを見てみると、下位モデルに人気が集まっているようだ。今回発売されたCPUは、今のところIntel P55チップセット搭載マザーボード以外のマザーボードには対応していないので、対応マザーボードも同時に購入する必要がある。CPUとマザーボードを同時に購入する際、CPUで奮発してしまった分、マザーボードでは出費を抑えたいという心理が働いたのかもしれない。
対するAMDも9月に入って、下位モデルのクアッドコアCPUである「Athlon X4」シリーズを発売している。この「Athlon X4」シリーズはクアッドコアでありながら、1万円前後の価格ということで、人気が集まりそうだ。
また、「Athlon X4」シリーズの中では、「低価格」で「クアッドコア」にもかかわらず「省電力」と、今のCPUのトレンドを兼ね備えた「Athlon II X4 605e」が注目される。Intel、AMD共に矢継ぎ早に新モデルが登場し、年末商戦に向けてのバトルが早くも始まっているようだ。(BCN・大滝和伸)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。
Core i7とCore i5
コストパフォーマンスに優れた、Core i7 860がトップに
シリーズ | コア数 | 対応ソケット | 対応メモリ | メモリチャンネル | Hyper-Threading | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i7 900シリーズ | 4 | 1366 | DDR3 1066 | 3 | 対応 | 130W |
Core i7 800シリーズ | 4 | 1156 | DDR3 1333 | 2 | 対応 | 95W |
Core i5 500シリーズ | 4 | 1156 | DDR3 1333 | 2 | 非対応 | 95W |
※黄色の枠が新シリーズ
今回発売されたCPUは「Core i7 800」と「Core i5 500」の2シリーズ。08年に発売された「Core i7 900」シリーズとは、対応ソケット、対応メモリ、メモリチャネル、TDP(最大放熱量)が異なっている。また「Core i7 800」シリーズは「Core i5 500」にHyper-Threading機能が加わっている点が大きな違いだ。
Hyper-Threadingは、簡単に言うと1つのCPU(コア)を仮想的に2つのCPU(コア)として扱う技術だ。つまりHyper-Threadingに対応している「Core i7 800」シリーズは、実装コア数は4コアだが、OS上では8コアCPU(実装コア4+仮想コア4)として認識されるわけだ。一方Hyper-Threadingに対応していない「Core i5 500」シリーズは、OS上では実装コア数のみ認識される。
順位 | 型番 | 品名 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
1 | BX80605I7860 | Core i7 860(2.8GHz) | 3万円 |
2 | BX80605I5750 | Core i5 750(2.66GHz) | 2万1000円 |
3 | BX80605I7870 | Core i7 870(2.93GHz) | 5万7300円 |
「BCNランキング」 09年9月7日-20日<最大パネル>
新発売の「Core i7 800」「Core i5 500」のみのランキングを見てみると、「Core i7 860」をトップに「Core i5 750」「Core i7 870」と続いている。
「Core i7 860」は3万円(市場推定価格、以下同)で、5万7300円の「Core i7 870」と比べて価格は圧倒的に安いが、性能面では「Core i5 750」に比べHyper-Threadingの有無やクロック数で優位。今回発売された3モデルの中で、価格と性能で一番バランスが取れており、3モデルの中で一番売れたようだ。
「Core i5 750」は、「Core i7 860」や「Core i7 870」に比べると性能では一歩譲ってしまうが、3モデルの中で一番安く、とりあえず新しいCPUを試してみたいユーザーにはうってつけだ。「Core i7 870」は3モデルの中で一番性能が高いが、その分価格も飛びぬけて高い。基本性能は下位モデルの「Core i7 860」とまったく同じで、違うのはクロック数のみ。しかし、そのクロック数の差がわずか130MHzであるにも関わらず、価格差がほぼ倍近いことから、あまり人気がないのかもしれない。
シンプルなマザーボードが人気に
順位 | メーカー名 | 型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
1 | ASUS | P7P55D | 1万8300円 |
2 | GYGABYTE | GA-P55-UD3R | 1万7200円 |
3 | ASUS | P7P55D EVO | 2万4100円 |
4 | ASUS | P7P55D Deluxe | 2万8300円 |
5 | GYGABYTE | GA-P55-UD3 | 1万5800円 |
「BCNランキング」 09年9月7-20日 <最大パネル>
一方、新CPUに対応するマザーボードでは、ASUSTeK Computer(ASUS)、GIGABYTEといった定番メーカーが1-5位までを占めた。なかでもASUS製品は3モデルがランクインしており、下位モデルにあたる「P7P55D」がトップで、中、上位モデルにあたる「P7P55D EVO」が3位、「P7P55D Deluxe」が4位と続いている。
ASUS「P7P55D」
GIGABAYTEは2モデルがランクイン。2位の「GA-P55-UD3R」と5位「GA-P55-UD3」はいずれも下位モデルに当たり、基本的な性能は同じだが、バスやインターフェースの種類に違いがある。
GYGABYTE「GA-P55-UD3R」
こうしてマザーボードのランキングを見てみると、下位モデルに人気が集まっているようだ。今回発売されたCPUは、今のところIntel P55チップセット搭載マザーボード以外のマザーボードには対応していないので、対応マザーボードも同時に購入する必要がある。CPUとマザーボードを同時に購入する際、CPUで奮発してしまった分、マザーボードでは出費を抑えたいという心理が働いたのかもしれない。
AMDは低価格&省電力で勝負
対するAMDも9月に入って、下位モデルのクアッドコアCPUである「Athlon X4」シリーズを発売している。この「Athlon X4」シリーズはクアッドコアでありながら、1万円前後の価格ということで、人気が集まりそうだ。
また、「Athlon X4」シリーズの中では、「低価格」で「クアッドコア」にもかかわらず「省電力」と、今のCPUのトレンドを兼ね備えた「Athlon II X4 605e」が注目される。Intel、AMD共に矢継ぎ早に新モデルが登場し、年末商戦に向けてのバトルが早くも始まっているようだ。(BCN・大滝和伸)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。