NEC、日立、カシオが携帯電話事業を2010年4月に統合、業界3位に浮上へ

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2009/09/14 17:10

 NEC(矢野薫社長)、カシオ計算機(樫尾和雄社長)、日立製作所(川村隆社長)の3社は9月14日、2010年4月に各社の携帯電話端末事業を統合、新会社を設立すると発表した。

→9月14日に開催された記者会見の様子

 社名は「NECカシオ モバイルコミュニケーションズ株式会社」で、NECの携帯電話端末事業部門のモバイルターミナル事業本部と、カシオ日立モバイルコミュニケーションズの販売・開発・製造・保守等の全事業を統合。神奈川県川崎市のNEC玉川事業場内に設立する。当初の資本金は10億円で、2010年6月までに50億円に増資する予定。増資後の出資比率は、NECが70.74%、カシオが20%、日立が9.26%。役員はNECから6名、カシオから2名を派遣する。代表取締役はNECが指名する。携帯電話端末の商品企画、開発、生産、販売、保守を行い、従業員数は約1300名。

 「BCNランキング」で集計した8月の携帯電話販売台数シェアでは、1位がシャープで25.3%、2位がパナニックで16.5%、3位が富士通で10.6%という状況。一方、NEC(4位、9.2%)、カシオ(9位、3.8%)、日立(13位、1.6%)の3社のシェアを合計すると富士通を抜き、14.6%で業界3位に浮上する計算だ。


 今回の新会社設立で3社は、売上拡大、資材、保守など様々な事業領域での統合シナジーの実現を狙う。さらに技術資産・ノウハウ、リソースの一体活用による開発力強化を図り事業基盤を強化、より高い競争力獲得を目指すとしている。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。