電子黒板ってどんなもの? 「学習書・教育ITソリューションフェア」で体験
教育現場で使用する最先端の製品・サービスが一堂に集まった「学習書・教育ITソリューションフェア」が、7月9-12日に東京ビッグサイト(東京・江東区)で開かれた。文部科学省の「スクール・ニューディール構想」の1つである「学校ICT環境の整備」(ICT=Information and Communication Technology:情報・通信技術)の推進を受け、出展社数は前年に比べ2倍に拡大。電子黒板やプロジェクター、教育ソフトなどが並べられた会場は、熱気に包まれていた。
今回初出展したパナソニックコミュニケーションズは、5月に発売した電子黒板「エリートパナボード」の新モデルを展示。プロジェクターで学習コンテンツを投影し、専用の電子ペンで書き込みができるデモを行った。新製品は、本体にスピーカーを搭載していることが大きな特徴。英語の発音を学ぶ授業の際に、別途スピーカーを設置する必要がない利便性を訴求した。
日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は、タッチ操作ができるプラズマテレビを電子黒板として利用する、プラズマ型電子黒板「StarBoard」を展示。プロジェクターが不要のため、授業の準備が手軽にでき、また地デジ放送も視聴できるのが特徴だ。同社は、昨年も同展示会に出展しているが、今回は学校ICT環境整備を睨み、ブース面積を拡大した。
三洋電機は、プロジェクターを展示。電子黒板との組み合わせ例を増やすため、昨年に比べブース面積を広げたという。同社では、電子黒板向けのプロジェクターとして、短い距離で投影することで、スクリーンへの影を防げる「短焦点レンズ」を搭載した製品を訴求。また、スクリーンや白い壁だけでなく、「黒板」に投影できる「黒板モード」を搭載したプロジェクターを活用したデモも行った。
そのほか、ダイワコンピューテックは、ASUSのタッチパネル対応のデスクトップパソコン「Eee Top」とICカードを組み合わせた学習塾向け入退出システムを展示。また、ドコモ・システムズも、ICカードと専用リーダーを組み合わせて子どもの登下校の記録を保護者にメールで知らせる学校向けASPサービスを展示するなど、子どもの安全を見守るサービスも多く出展された。
NECは、今年5月に発売した情報モラル教育専用のシステム「UNIVERGE ケータイdeモラルソリューション」を展示。専用の携帯端末42台と専用Webサーバーなどをセットにしたシステムで、学校裏サイト、電子メールによるいじめを疑似体験し、インターネットの利用に関するルールやマナーを、身をもって考えることができる仕組み。現在、岩手県教育委員会に試験導入しているという。
「学校ICT環境の整備」では、ソフトウェアの整備も対象になる。会計ソフトの弥生は、昨年に続き2回目の出展。実際に企業で使われている会計ソフトをベースに学校向けにパッケージ化した「弥生スクール」を展示した。同製品は、「企業が求める人材ニーズに応えるための実務教育に沿った教材」(金光浩子・マーケティング本部パートナー営業部パートナー営業課営業企画グループ主任)だという。
ブースでは、早稲田大学、亜細亜大学で講師を勤める遠藤誠・西日本ジャテックス東京オフィスコンサルティング事業部マネジャーが、導入事例を紹介するとともに、「日本の教育現場は理論を先行しているが、企業側は(実際に使われているソフトの)スキルを求めている」と、教育と企業ニーズのギャップを言及、実務教育の必要性を強調した。
今年の「学習書・教育ITソリューションフェア」は、「目的がはっきりした来場者が多い」と、手ごたえを感じる出展社の声が聞かれた。また、会場は「昨年よりも熱気がある」など、学校ICT環境市場の盛り上がりが垣間見えた。(BCN・田沢理恵)
7月9-12日に開催した「学習書・教育ITソリューションフェア」
今回初出展したパナソニックコミュニケーションズは、5月に発売した電子黒板「エリートパナボード」の新モデルを展示。プロジェクターで学習コンテンツを投影し、専用の電子ペンで書き込みができるデモを行った。新製品は、本体にスピーカーを搭載していることが大きな特徴。英語の発音を学ぶ授業の際に、別途スピーカーを設置する必要がない利便性を訴求した。
初出展のパナソニックコミュニケーションズ。電子黒板「エリートパナボード」の新モデルを展示した
日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は、タッチ操作ができるプラズマテレビを電子黒板として利用する、プラズマ型電子黒板「StarBoard」を展示。プロジェクターが不要のため、授業の準備が手軽にでき、また地デジ放送も視聴できるのが特徴だ。同社は、昨年も同展示会に出展しているが、今回は学校ICT環境整備を睨み、ブース面積を拡大した。
日立ソフトは、昨年に比べブース面積を拡大。プラズマ型電子黒板「StarBoard」などを展示した
三洋電機は、プロジェクターを展示。電子黒板との組み合わせ例を増やすため、昨年に比べブース面積を広げたという。同社では、電子黒板向けのプロジェクターとして、短い距離で投影することで、スクリーンへの影を防げる「短焦点レンズ」を搭載した製品を訴求。また、スクリーンや白い壁だけでなく、「黒板」に投影できる「黒板モード」を搭載したプロジェクターを活用したデモも行った。
三洋電機は、プロジェクターを展示。「黒板」に投影できる機能をアピールした
そのほか、ダイワコンピューテックは、ASUSのタッチパネル対応のデスクトップパソコン「Eee Top」とICカードを組み合わせた学習塾向け入退出システムを展示。また、ドコモ・システムズも、ICカードと専用リーダーを組み合わせて子どもの登下校の記録を保護者にメールで知らせる学校向けASPサービスを展示するなど、子どもの安全を見守るサービスも多く出展された。
ダイワコンピューテックは、ASUS「Eee Top」を利用した入退出管理システムを展示
NECは、今年5月に発売した情報モラル教育専用のシステム「UNIVERGE ケータイdeモラルソリューション」を展示。専用の携帯端末42台と専用Webサーバーなどをセットにしたシステムで、学校裏サイト、電子メールによるいじめを疑似体験し、インターネットの利用に関するルールやマナーを、身をもって考えることができる仕組み。現在、岩手県教育委員会に試験導入しているという。
ドコモ・システムズは、子どもの登下校の記録を保護者にメールで知らせる学校向けASPサービスを展示
「学校ICT環境の整備」では、ソフトウェアの整備も対象になる。会計ソフトの弥生は、昨年に続き2回目の出展。実際に企業で使われている会計ソフトをベースに学校向けにパッケージ化した「弥生スクール」を展示した。同製品は、「企業が求める人材ニーズに応えるための実務教育に沿った教材」(金光浩子・マーケティング本部パートナー営業部パートナー営業課営業企画グループ主任)だという。
ブースでは、早稲田大学、亜細亜大学で講師を勤める遠藤誠・西日本ジャテックス東京オフィスコンサルティング事業部マネジャーが、導入事例を紹介するとともに、「日本の教育現場は理論を先行しているが、企業側は(実際に使われているソフトの)スキルを求めている」と、教育と企業ニーズのギャップを言及、実務教育の必要性を強調した。
弥生は、学校向けパッケージ「弥生スクール」を展示。早稲田大学、亜細亜大学講師の遠藤誠・西日本ジャテックス東京オフィスコンサルティング事業部マネジャーが、学校の導入事例を紹介
今年の「学習書・教育ITソリューションフェア」は、「目的がはっきりした来場者が多い」と、手ごたえを感じる出展社の声が聞かれた。また、会場は「昨年よりも熱気がある」など、学校ICT環境市場の盛り上がりが垣間見えた。(BCN・田沢理恵)